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oniku

・生まれも育ちも現在も(未来も?)大阪

・事業会社3社で12年以上ブランドマーケティングを実行中の現役中堅マーケター

・公益社団法人日本マーケティング協会認定資格「マーケティング・マスター」

・マーケティング自体が好きで、ほぼ趣味でもあり、これまで読んだ関連書籍は121冊 ※2024年12月時点

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32.マーケティングのおすすめ本 ブランディングの科学2 新市場開拓編 

マーケティング書籍レビュー

前作の「ブランディングの科学」がとても刺激的で実務の参考になったので2も購読しました。1の復習と、このブランド理論が、新興国や新製品、ハイブランドにも応用できることが書かれています。今回もこれまで正しいと信じていたブランディング論がエビデンスを持って覆され、読み進めるたびに興奮が止まりません!!

Oniku
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記事のGOAL
・本書の要点が分かる(各エビデンスなど詳しい内容はぜひ購読ください)
・実務への活用方法が分かるカモ

キーワードまとめ

個人的に特に重要だと思った点を引用しています。

  • メンタルアベイラビリティ
    消費者のブランドにかかわる全ての記憶。ブランドの記憶が多い・新鮮であるほど、購買シーンで消費者がブランドを想起する確率が競合よりも高まり、選ばれる確率が上がる。
    要素
    -ブランドロゴやパッケージ、カラーなど
    -なぜ・いつ・どこで・誰と・何と一緒に買う/使うなどのブランドオケージョン(カテゴリー エントリー ポイント)
    • カテゴリーエントリーポイント(CEP)
      ブランドと繋がる道の入り口。多いほどブランドが想起される機会が増える。消費者が購買の選択肢を絞り込むときに生じる共通の連想(きっかけ)。より想起頻度の高い一般的なCEPで覚えられる必要がある。
      例 ソフトドリンク→「暑い」「子供が好き」「健康に良い」「ご褒美」「食事に合う」など
  • フィジカルアベイラビリティ
    多くの消費者に幅広い購入機会が提供されている状態。具体的には配荷の量と質のこと。
    要素
    -プレゼンス:ブランドの存在感(市場のカバー率)
    -レレバンス:買い求めやすさ(製品やサービスのポートフォリオ、購買バリアの除去)
    -プロミネンス:目立ち(ブランドの独自性)
    ↓言い方変えると
    -配荷の量:配荷率、市場カバー率
    -配荷の質:陳列位置、フェース数、山積み、上位表示(EC)、目立ち
  • ダブルジョパディの法則
    マーケットシェアが低いブランドは、購買客数も非常に少なく、ロイヤルティもやや低い。マーケットシェアに応じて浸透率(間口)は大きく変化し、リピート率や購買回数などのロイヤルティ(奥行き)は緩やかに変化する。この法則はほぼ全てのブランドや、小売店などに当てはまる。
    • なぜダブルジョパディが起きるのか?
      まず、シェアの高い大規模ブランドは、すでに優れたメンタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティを構築している。そのため、浸透率が伸びれば、売り上げがもっと伸びる可能性がある。
      ブランドのロイヤルティも同様に、メンタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティが推進力となる。背景に、人気の高いブランドほど多くのカテゴリー購買機会で想起されやすく、小規模ブランドよりも多くの場所で販売されているため。
  • 自然独占の法則
    マーケットシェアが大きいブランドほど、カテゴリー内のライトバイヤーを引きつける。つまりそのカテゴリーをそれほど頻繁に買わない消費者は、より大規模ブランドを選択する傾向がある。
  • ロイヤルティ施策への過度な依存は危険
    ダブルジョパディの法則の通り、ロイヤルティだけを伸ばしてシェア及び売上を拡大することはできない。背景に、ロイヤルユーザーの顧客基盤に占める割合は非常に小さいし、効率的なリーチや、すでに購買量が多いロイヤル層に更に購入回数を増やしてもらうことは困難なため。
  • 購買重複の法則
    ブランドの顧客基盤は、市場シェアに応じて競合ブランドの顧客基盤と重複している。どのブランドも、その規模に応じて他のブランドと一定の割合で顧客を共有している。つまり、ポジショニングによる顧客の棲み分けは機能しておらず、特定のブランドからシェアを奪うのも困難。
  • ブランドが成長するために
    ブランドをほとんど買った経験のないカテゴリーライトバイヤーを取り込まなければ、市場シェアを伸ばすことはできない。既存のロイヤルユーザーに集中することは適切ではない。理由は、現状以上に多くの購買をすることはなく、絶対数が少ないので売上に影響を及ぼす購買量もないため。
    参考に、あらゆる市場におけるパレートの法則は50:20程度。つまり上位20%の顧客が売上の半分を占めている。80%にはならない。そして現在区分されているロイヤルユーザーは一定の割合でライトユーザーに、ライトユーザーはロイヤルユーザーに変化する(購買行動適正化の法則)。
  • ヘビーカテゴリーバイヤーについて
    ヘビーカテゴリーバイヤーは、カテゴリー購買レパートリーが多い。そして小規模ブランドの顧客基盤の大部分はヘビーカテゴリーバイヤーで構成されている。ブランドが成長していくにつれて、顧客基盤の大部分がライトカテゴリーバイヤーに変化していく。
  • 自社の超ロイヤル顧客に気をつける
    100%自ブランドを購入してくている超ロイヤル顧客は、実際には極めて少なく、かつ魅力がないローカテゴリーバイヤーであることが多い。
  • コミュニケーションにおけるリーチの重要性
    ブランドの成長が、どれだけ高い浸透率を獲得できるか、どれだけ多くのライトカテゴリーバイヤーを獲得できるかに依存している。リーチできないカテゴリーライトバイヤーを獲得することは難しい。
  • 口コミについて
    肯定的な口コミの方がブランドの売上に大きな影響を与える。影響力は否定的な口コミと同程度だが、より多くの人にリーチする。背景に否定的な口コミには理由を述べなくてはならず、口コミを発信する可能性のある人が少ない為。そして肯定的な口コミの影響力は、購買意向の低い人ほど効果が高く、平均の2倍以上。一方否定的な口コミは購買意向の高い人ほど効果が高いが、購買意向の高い人にリーチすることは少なく、必要以上に気にする必要はない。
  • 新規ブランドの顧客獲得について
    最初の顧客の大部分はヘビーカテゴリーバイヤーである。他の購買客よりも市場に潜在する時間が長いため、早く気づいてくれる。しかしヘビーカテゴリーバイヤーの大部分は、レパートリーの中に多くの他ブランドを維持したまま新ブランドのライトバイヤーになる。つまりヘビーカテゴリーバイヤーを増やすだけでは不十分で、ライトカテゴリーバイヤーを増やしていかないと成長は見込めない。
  • ハイブランドにおいて慣れ親しみや買い求めやすさは阻害要因か
    結論、阻害要因にはなっていない。顧客が多くとも需要が低下することはなく、配荷が限定されていてもブランドに高級感や限定感が宿るわけではない。

実務への活用方法(所感)

私は前作で多くのブランドがダブルジョパディの法則に従うことは理解できましたが、なぜそうなるのか、本当に購入率は低いがロイヤルティの高いブランドは存在しないのか、についてイマイチ納得できていませんでした。しかし本作も読み、ブランドの成長は多くのライトカテゴリーバイヤーを取り込む事(購入率の伸長)によって起こるものであり、その要因がメンタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティによる事を理解できたので、ようやくしっくりきました。つまり、ブランドを大きくする効果的なマーケティングとは、ライトカテゴリーバイヤーにも届くイケてる「マスマーケティング」と「配荷(量と質)の向上」が重要なのだと。
しかしながらイケてるマスマーケティングを実行するためのメディア媒体は何が良いでしょうか。やはり今でもTVCMなのだと思います。私の勤務する会社でも、認知調査で認知経路を調査したら圧倒的にTVCMが一番になり、次いでPR露出(パブリシティ)、そしてデジタル(SNS含む)の順番になります。
でも全てのブランドでTVCMが打てる訳ではありません。その場合、デジタルを中心にイケてるマスマーケティングを実行するにはどうすれば良いのでしょうか。まずは、デジタル広告のメリットとされていた細かすぎるターゲティングを見直さないといけないですね。確かに現状はヘビーカテゴリーバイヤーや、自社のロイヤルユーザーを中心に出稿していました。その方が施策効果がよく見えるんですよね。。そうではなく、ライトカテゴリーバイヤーや自社のノンユーザーまでリーチできる様に設計する必要がありそうです。
次に強いメンタルアベイラビリティ(私はエクイティとほぼ同義と解釈)を築くためのカテゴリーエントリーポイント(ブランド連想)も検討すべきですね。この辺りはカスタマージャーニーも活用して設計すると良さそうです。

フィジカルアベイラビリティでは、購買バリアの除去と目立ちの重要性が参考になりました。特に物理的な買いにくさについてはあまり検討して来なかった気がします。(なんとなく自社サイトの購入ページが分かりにくいなぁとは思っていましたが。)そして目立ちで大切なのは奇抜である事ではなく、ブランドの独自性であることは深いなぁと思いました。

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