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oniku

・生まれも育ちも現在も(未来も?)大阪

・事業会社3社で12年以上ブランドマーケティングを実行中の現役中堅マーケター

・公益社団法人日本マーケティング協会認定資格「マーケティング・マスター」

・マーケティング自体が好きで、ほぼ趣味でもあり、これまで読んだ関連書籍は121冊 ※2024年12月時点

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37.TVCM制作の戦略考察とポイントをご紹介

マーケティング体系(基礎・フレームワーク)

今回は話題のTVCMを基にして、企業がどういう戦略で作ったのかを逆算し、文章(戦略シート/オリエンシート/Brief)にまとめました。
よくトレーニングで実施する方法です。正解かどうかはさて置き、「TVCMってこんな考え方で制作してるんだ」であったり、実務者の方は代理店さんへオリエンする際の参考になれば幸いです。

Oniku
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記事のGOAL
・TVCMにおける企業の狙いが分かる
・良いTVCMを作る際のポイントが分かる

話題のTVCMを戦略シートに戻してみよう

まず題材を探すべくランキングを調べてみました。その中で注視率(どれだけ生活者がきちんと視聴したか)を調べているデータが面白いなと思ったので引用します。

REVISIO株式会社
ご家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンの「視られている量」を測定。テレビを点けていて、かつテレビ画面を見ている人の割合を注視含有として算出し、CM単位で集計した「企業CMランキングTOP30」

1位はサントリーさんの「人生には、飲食店がいる。」です。そして全体的に企業のビジョンやミッションを語るブランディング系のエモいCMが多くランクインしていますね。モノやサービスをストレートに訴求するタイプのCMは、今どきの視聴者に受け入れられにくいのかしら??。人の情緒、感情に訴えかける方がより視聴される傾向にありそうですね。

脱線しました。ではサントリーさんのTVCMを戦略シートに勝手に戻してみましょう。
本作は「飲食店」という場所だからこそ得られる、温もりのある場面、温かな思いを描いていて、飲食店という場所の価値や魅力を伝えるCMです。

背景

背景まとめ:
コロナ禍からの回復と顧客の反動需要に合わせて、飲食店及び人とのリアルなコミュニケーションの重要性を再認識させ、飲食店業界を活性化(=自社の売上回復)させる。

脅威:
・コロナ禍で飲食店の客足が減り、お酒の売上が大きく落ち込んだ。(自社)
・飲食店へ行けなくなったこともあり、人とのコミュニケーションが希薄になった。(市場・顧客)

機会:
・今まで当たり前に存在していたモノ(飲食店等)やコト(コミュニケーション)が無くなったことで、改めて存在の大切さを再定義できる。(顧客)
・コロナ禍での我慢による反動需要。(顧客)
・政府によるキャンペーン※GoToイートなど (市場)

強み:
・サントリーは総合酒造メーカーとして高い知名度と情報発進力がある。(自社)
・サントリーは飲食店と業界トップクラスの繋がり(流通網)がある。

ポイント
ポジティブでもネガティブでも社会の変化は、企業にとって大きなチャンスになり得ます。
背景に、生活者に身体的(制限、解放)・心理的(我慢、発散)変化が起こると、生活における悩みも生まれるため
です。それは顕在化していない場合も多いですが、その悩みをいち早く察知し、自社のモノやサービスの強みと合致させて提案することがポイントです。
戦略の背景、切り口についてはこちらもご参考ください↓

目的・目標

目的:2022年の飲食店におけるサントリーの売上をコロナ禍以前に戻すこと
目標:
①飲食店 来店客数 対2019年 100%以上
②飲食店におけるサントリーのシェアの拡大

ポイント
慈善事業でない限り、自社売上を最終的な目的に据えてるはずです。
目標は悩ましいですが、今回は飲食店業界の活性化を主眼に、更にシェア拡大もできれば良いなと考えました。目的も目標も数字で検証できることが望ましいです。
この辺りはこちらも参考ください↓

Who &insight

Who
戦略ターゲット:飲食店を利用したことがある人
コアターゲット:コロナ前は月に1度以上、飲食店で飲んでいた 40代以降のサラリーマン

insight
最近は人と本音で話す機会が無くて寂しい
私はまた飲食店で友達や家族と楽しく会話をしたい。
なぜなら、飲食店の開放的な雰囲気でないと話せないことがあるし、大切な人との絆を深める絶好の機会だったから。
しかし、最近ようやくコロナ禍から少し回復したとは言え、「まだまだ様子見」という同調圧力のせいで誘いにくいし誘われない。

ポイント
TVCMを用いて訴求するので、戦略ターゲット(=メディアターゲット)はできる限り広い方が望ましいです。なので、「飲食店を利用したことがある人」にしました。ほぼ全員かもしれませんね。
コアターゲットは、コロナの反動需要に乗って真っ先に動き、周囲を誘いそうな飲食店のヘビーユーザーだった人を想定しました。CMを見ると、デモグラは40代以降の男性サラリーマンですかね。まずはこの層を動かして全体へ波及させようとしているのでは??と推察します。

この辺りはこちらもご参考ください↓

What(Benefit)&RTB

What:
機能Benefit 大切な人と本音の会話ができる
感情Benefit 大切な人との心の繋がり(帰属意識)

RTB(リーズン・トゥ・ビリーブ):
・家や会社とは違う開放的な空間
・美味しいお酒や料理
・総合酒造メーカーであるサントリーのメッセージ(威厳)

ポイント
今回のCMがとてもシンプルで良い内容なので、想像しやすかったです。特にRTBであるサントリーのメッセージであることが、私の中で信頼を高めました。キリンやアサヒでも違和感は無いですが、飲食店のイメージはサントリーの方が強いかも(ハイボールの影響?)。この様に、自社の強みがBenefitやRTBに生かされていると効果的です。
この辺りはこちらもご参考ください↓

HOW(施策)

ここからは広告代理店のお仕事ですね。昔の映画のワンシーンとザ・ブルーハーツの『情熱の薔薇』が印象的で素敵なアイディアです。飲食店と人との歴史を感じ、Benefitが直感的に伝わってきます。人は昔の想い出を美化する本能があるので、より一層素敵に映りますね。昔を知らないの若い人には、「昭和・平成ブーム」にも共通しますが、逆に新鮮に伝わるのでは無いでしょうか。あと登場シーンが少人数(カウンター、ワンテーブル)なのはご時世への配慮かなと思いました。

まとめ

いかがでしょうか。今回の逆算戦略シートは、私が勝手に想像しただけなので正しいかどうかは分かりませんが、作り手(マーケター)がどういう流れや意図でTVCMを制作しているのかを、ざっくり理解して頂けたなら本望です。
昨今TVCMは昔のような効果が見込めなくなったと聞きます。それでも調査結果を見る限りではデジタル広告よりも効率的にターゲットリーチが図れます。そして生活者の認識と行動に与える影響力も一番大きいように思います。おそらく視聴態度の違いで、デジタルよりも浸透しやすいのでしょう。ただ、めちゃくちゃ制作リソースがかかるところがネックですが。。
なので是非、時々はTCVMをスキップせずに観て下さい。そこには担当者の苦悩苦労が沢山詰まっていますので・・・笑

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