ブランド・ボンディングとは?
少し聞き慣れない言葉かもしれません、ブランド・ボンディング。
これは、生活における知覚刺激からブランド想起・選択(購買・使用)までの「ブランドとの結びつきの強さ」を表しています。そしてブランド・ボンディングは実購入と相関があり、中長期的なマーケティングには欠かせない概念です。
例えば日々生活していると、ふと悩みやジョブ(進捗・解決したいこと)が現れますよね。そして悩みを解決できそうなカテゴリーが想起され、その中に所属するブランドが想起、購買、使用されます。その際に自ブランドが想起されるかどうか、選ばれるかどうかは、ボンディングの強さによって変わります。
概念としては、プレファレンス(ブランドの相対的な好意度)や、メンタルアベイラビリティと近いと私は解釈しています。顧客とブランドの結びつきを強化し、LTV(ライフ・タイム・バリュー)を最大化していく上で、重要な目標です。

ボンディングの一例
- 東京から友人が大阪に1日かけて遊びに来ることが決まった。(生活における知覚刺激)
- がっかりさせて嫌われたくはないけど、正直調べるのが面倒(インサイト)
- 行くだけで間違いなく楽しめる、大阪ならではの場所に行きたい(ニーズ)
- 大阪のレジャー施設(カテゴリーA)
- USJ(ブランドa)、海遊館(ブランドb)
ブランド・ボンディングの強化方法
ブランド・ボンディングを強めるためには以下の3要素を強化します。

- ブランド体験:実際にブランドを体験すればするほど、結びつきは強化されていきます。
- ブランド認知(エクイティ):継続的なブランド接点をもつことで記憶の鮮度を保ち、独自性や便益の理解を通じて、複数のCEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)における非助成認知(ブランド想起)を高めます。
- ブランドへの共感と好感:CSR活動やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を通じてブランドの存在意義に共感できるか。そのブランドが好きかどうか。
ブランド体験の強化
ボンディング強化にあたって最も因果関係が強い要素がブランド体験です。基本的に人は使い慣れた馴染のあるブランドが好きです。単純接触効果や一貫性(コミットメント)など、心理学や行動経済学でも証明されていますね。
一般的に考えられている、まずは認識変容を起こしてから行動変容を起こす手順よりも、まずは行動させる方が重要で、追って認識も変わるという事実です。世の中にも「サブスクの1ヶ月無料キャンペーン」や「無料サンプリング」がありますね。私はこの行動変容→認識変容させられることが怖いので、基本的には避けています(笑)
テーマパークの年間パスも若干近いですかね。買ってしまうと勿体ないからとりあえず行こうみたいな時があります。
最近の私の興味関心ですが、旅行や単価の高い外食など、ブランド体験の頻度が低い商材の場合、次点で体験効果があるのは、自身の体験を思い出すことです。前回の体験を写真や動画などの形に残し、良いタイミングでリマインドすることで、疑似ブランド体験ができるのではないかと考えています。
ブランド認知(エクイティ)の強化
ブランド認知で重要なのは、「知っている」ことと、「覚えている」ことです。
まず「知っている」ことですが、段階があり、ブランド・カテゴライゼーションが有名です。
ブランドカテゴライゼーション

- 「入手可能集合」:カテゴリーに存在する全てのブランド
- 「知名集合」と「非知名集合」:ブランド名を言われて知っているか、言われても全く知らないかの違いです。助成認知とも言いますね。
- 「処理集合」と「非処理集合」:2つの違いは”判断に必要な情報を持っているかどうか”という点。いわゆる内容理解ですね。名前は知っているけど、何をしている会社か分からないなどは「非処理集合」です。
- 「想起集合」と「保留集合」と「拒否集合」:
「想起集合」は、特定のCEPやカテゴリーを思い浮かべたときに、一緒に出てくるブランドです。この時、真っ先に浮かぶものを「第1想起(Top of Mind)」と言い、選ばれる確率が最も高くなります。想起集合に入れるブランドの数は製品カテゴリーによって多少の差異はあれど、平均して2−3つ程度です。
「保留集合」は、名前を知っていて、ある程度の情報も持っているけど、購入検討まで至らない惜しい集合です。要因としては、割高感のある価格設定、距離抵抗など購入が困難、購入者が周りにいない、検討に必要な情報が不十分などがあります。
「拒否集合」は、検討するに値しないと判断された商品の集合体です。拒否するということは、それなりに情報処理が行われていることを意味します。以前買ったけど品質が悪かった、悪い口コミばかり目立つなど、選ばない理由が明確にある場合です。この理由を別の言い方でPOF(Point of Failure)と言い、ここを真っ先に解決しないと「想起集合」に入ることはありません。
ブランドはいかに「想起集合」に入り、「第一想起」を獲得するかが重要です。そもそもどのようなCEP(想起集合)と繋がるか?も大切ですね。
このあたりは以下の記事が参考になると思いますので良ければぜひ
最後に、「覚えている」ことについてです。なぜなら人は忘れる生き物だからです。ただでさえ情報過多な世の中、競合も日々必死にコミュニケーションしている中で、自社ブランドを覚え続けてもらい、記憶の引き出しから出やすい位置にしておくことはとても重要です。ここは頻度と意外性が重要です。この2つを満たすためには、ブランド側の言いたいことだけを発信するのではなく、生活者の関心事に登場したり、他ブランドとコラボレーションするなどが有効です。なぜキティちゃんが節操なく様々なキャラクターとコラボしているのか、私はこういう意図(効果)もあるのではと踏んでいます。笑
ブランドへの共感と好感
今後生き残るブランドは、「最高」か「最安」か「最愛」のブランドだけだ。という話を聞いた覚えがあります(どこで聞いたか忘れました)。
「最高(最も品質が高い)」と「最安(最も価格が安い)」は機能便益ですが、「最愛(最も好き)」は主に情緒便益であったり、自己実現便益から作られる感情ですね。
(以下 マクロミルさんのサイトから拝借)

昨今このあたりを強化する上で、CSRやSDGsの取り組みは企業にとって欠かせなくなりました。私自身もこれらの取り組みが、どれほどブランド・ボンディングに寄与しているのか非常に興味があります。確かに機能的な価値でどっちでも良いと思うAとBがある時、Aに子どもに優しいと書かれていたら、子どもを大切にしたい自己表現便益をくすぐられて選択すると思います。では価格がBの2倍あったら?品質がBより劣っていたら?悩ましいですね。ただ少なくともネガティブなイメージ(例えば子どもに悪影響)があると選ばない気はします。
最後に
そもそもブランド・ボンディングってどうやって測定するねん?ですが、私の会社ではアンケートで確認しています。(具体的な設問は書けませんが)
でも本当はアンケートではなくて、日々ブランドとの接点における生活者の行動量で測定できたら良いなと思います。OneIDで生活者を捉えて、購入や来店回数、Webでの検索やHP遷移、SNSのENG、メルマガの反応数などでボンディングを計測していきます。どこか取り組んでいる会社様はいないかしら。ぜひ色々と教えてほしいところです。
↓ココナラでこんなこともやっています。興味があればぜひ!
マーケティングとは?がざっくり理解できます 実務10年以上で得た実経験を基に、要点をギュギュッとお届け。





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