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oniku

・生まれも育ちも現在も(未来も?)大阪

・事業会社3社で12年以上ブランドマーケティングを実行中の現役中堅マーケター

・公益社団法人日本マーケティング協会認定資格「マーケティング・マスター」

・マーケティング自体が好きで、ほぼ趣味でもあり、これまで読んだ関連書籍は121冊 ※2024年12月時点

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51.マーケティングは何をしたら良いのだろう?エビデンスマーケティングの概要を整理

マーケティング体系(基礎・フレームワーク)

今回は、最近マーケティング界隈で話題になっているエビデンス・ベースド・マーケティング、そして私の実務経験を思い出して、要は何をすれば目的(顧客創造・儲かる仕組み)が達成されるのか?を整理していきたいと思います。

確かに、私自身もマーケティングのお仕事をしているのですが、結局のところビジネス目的である利益を生み続けるために、何に注力すれば良いのか曖昧なまま走っている気がします。会社や上司によって方針も方法違いますし。
そして実務の6ー7割の時間は、考える時間ではなく、タスク処理やミーティングなどの実行で、ゆっくり振り返る時間も持たないままでしたね。

では早速いきましょう!専門用語がたくさん出てきますが、このブログのどこかでも説明しているので検索してみてください。

前提

ほぼ世界中の人々のモノやサービスの購買行動、つまりブランドが選ばれる確率(プレファレンス)は、負の二項分布(NBDモデル)に従う。確率を左右する変数(M)は、市場の平均購入回数(購入回数➗市場人数)のみである。これは人間の脳及び本能に大きな差異はないため、同じ状況であれば同じ行動を取りやすい性質からきています。
※PBなど例外もあるため、一度所属カテゴリーで調べてみることがオススメ
※変数Kは分布の形を決めるだけ。これもまたMに従う

出典:「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」(森岡毅、今西聖貴)

STEP1 市場の平均購入回数(M)を上げる

自ブランドの市場における平均購入回数(M)を上げるためには、とにかく浸透率(購入者数)を高めること。顧客ロイヤルティ(購入者あたりの購入数など)ではない。
言い方を変えると、選ばれる確率が上がり、平均購入回数(M)が上がるような状態になれば、まず浸透率が上がっていくということです。
※参考:ダブルジョパディの法則
※浸透率と購入頻度の関係は、あくまで顧客に定義された、交換可能な同市場(同カテゴリー)のブランドについてのみ成立し、他の市場(カテゴリー)におけるブランドとは無関係。一見購入頻度だけが高いニッチブランドが存在しているようにみえる場合は、市場が異なる可能性あり(例 衣料用洗剤とおしゃれ着洗剤など)
※しかし市場の性質(コモディティ)やブランドの浸透率次第では、ロイヤルティ向上にも効果が出てくる

STEP2 浸透率を上げる

浸透率を高めるためには、メンタルアベイラビリティ(認知+想起されやすさ)とフィジカルアベイラビリティ(買いやすさ)を向上させる。
メンタルアベイラビリティにおける、認知(いわゆる助成認知)と想起(いわゆるエボーグトセット)を分けて管理するかは意見が分かれるところ。確率思考の戦略論では分けて考えていそう。ブランディングの科学はあまり助成認知は意識していなさそう。とはいえ助成認知だけでは選ばれにくいので、重要なのは狙うべき想起集合に入ることですね。

STEP3 メンタルアベイラビリティを構築する

市場全体におけるメンタルアベイラビリティの向上を図るには、人数の多いブランドのライトユーザー&ノンユーザー、つまり所属カテゴリーや自ブランドに関心がない消費者にも薄く広くリーチし、理解を促すことが重要
この点で現代でもTVCMやPRが効率的で、いわゆる誰でも知っている状態が理想。デジタル広告だけでは、カテゴリーや自ブランドへの関与が大きいヘビーな顧客にリーチが偏ってしまう。

STEP4 薄く広いリーチで認知・想起を獲得する

薄く広くリーチして、ブランドの助成認知と、想起のきっかけとなるカテゴリーエントリーポイント(CEP)とブランドを結びつけ、エボークトセット(想起集合)に入れる
短期的には間口が大きくてブランドの強みが活かせるCEPを狙いつつ、長期的には複数のCEPと結びつくことを目指す。
新規ブランドの場合、POP(所属するカテゴリーの必須要件)を満たして、どういうカテゴリーのなんて言うブランドなのかを認知させることが第一歩。
ある程度認知があるブランドの場合は、狙うCEPでの選択確率(プレファレンス)を高めるべく、マーケティングコンセプト(Who&What)を訴求して、便益と独自性(POD)の共感を得てリンクを強化する。

参考 CEPの見つけ方
W’sフレームワーク:CEPの探索と発見を促す6W1Hの思考ツール
Why:なぜそのカテゴリーを使うのか、どんなゴールのために採用するのか。
When:カテゴリーを購買&利用するのは1日の中でいつか。週や月、季節による違い、平日・休日による違いはないか。イベントやアニバーサリーは?
Where:カテゴリーはどこで利用されるか。リアルやデジタルの違いはあるか。
While:カテゴリーの使用前後に何をしているのか。どんな行動の最中にニーズが生まれているか。
With/for Whom :買うのは誰で、使うのは誰か。利用するとき誰かがいるか。誰かと一緒に利用するか。行動に影響を与える第3者はいるか。
How feeling:カテゴリーを利用する前はどんな気分か、利用前後で気持ちは変化するか。何が行動を増やすのかあるいは減らすのか。

攻めるべきCEPの選び方
CEPに適した製品やサービスを提供できるか(強みとのマッチ)
CEPと競合ブランドのリンクの強さはどのくらいか
CEPの購入頻度や利用金額はどのくらいか(なるべく間口の広い方が望ましい)

STEP5 CEPとブランドをリンクさせる(マーケティングコンセプトをつくり、実行する)

CEPとブランドを結びつけるために、ブランドのマーケティングコンセプトをつくる。そしてそれに基づいて各施策(マーケティングMIX 4P)に落として実行していく。

マーケティングコンセプト(ブランドステートメント)の要素
・対象カテゴリーおよびCEPの設定

・Whoの定義
①戦略ターゲット
ターゲットを狭めすぎない。むしろ広げるため、リソース投下の優先順位をつけるためのターゲティングにする
②コアターゲットと、コアターゲットのインサイト(潜在的なニーズ)
インサイトは普段自覚していない人間の本能欲求で、特にドロドロとした悪魔の欲求が効果的。
例 SNSがやめられないインサイト
手段の中で自分のポジション(ランク)を計り、安全・安心を確保したい生存本能からきている。また、自分と同列と認識している他人の成功に嫉妬してしまうのは、自虐(優劣コンプレックス)や支配(マウンティング)の欲求から発生している可能性あり

・Whatの定義 ①機能価値②情緒価値③自己表現価値
①②③を設計した上で、どれをメインでコミュニケーションするのかは悩ましいところ。昨今①で差がつかなくなってきているため、②③が重要視されている。※個人的に③は、ラグジュアリーブランドやエシカル系ブランドの芸術的な広告に心を動かされることが無いので実感がない。。笑

・コアアイデア(RTB)の定義
Whatは抽象的で差別性が弱い場合があるため、コアアイデアの独自性は大切。自社の強みや、他社が模倣できない一見すると不合理な仕組みを入れれると強い。(例 スタバの直営方式など)

・ブランドキャラクターの定義
広告表現や各デザインに影響するため、ブレないように統一しておく。

・ブランドの独自資産(ブランド名、ロゴ、ジングルなど)の定義と育成
ポイントは会社の上司や担当者だけが感じる謎の鮮度感に負けず、変えないこと、使い続けることが大切。
詳細記事はこちら:ブランドマーケター必読 ブランディングの科学 独自のブランド資産構築篇

STEP6 フィジカルアベイラビリティを構築する

STEP6と言いつつ、メンタルアベイラビリティよりも優先して取り組む方が良い場合も多いですが、買いやすさ(集客ビジネスだと行きやすさ)の向上が重要。
多くの消費者に幅広い購入機会が提供されている状態。具体的には配荷の量と質のこと。
要素
-プレゼンス:ブランドの存在感(市場のカバー/配荷率)
-レレバンス:買い求めやすさ(製品やサービスのポートフォリオ、購買バリアの除去)
-プロミネンス:目立ち(ブランドの独自性)
↓言い方変えると
-配荷の量:配荷率、市場カバー率
-配荷の質:陳列位置、フェース数、山積み、上位表示(EC)、パッケージの目立ち

まとめ

マーケターが何をすべきかおおよその道筋は経ちましたかね。笑 
あとはやらなくて良いことが見えてきますね。例えば過度なロイヤルティ施策やCRM、コンバージョン施策は優先順位が低そうです。そして顧客にも気づかれない程度の中身の改良やパッケージ変更もやめた方がいいですね。
実は今後重要そうなのは、いわゆるオールウェイズオンと呼ばれる、年間を通じてゆるく広くコミュニケーションを続ける施策は大事かもしれません。具体的にはESGやSDGs関連施策、日々のSNSや SEMです。ブランド記憶の鮮度を保ち、CEPが起こった際に自ブランドを想起させる確率をあげられそうな気がします。ただこの手のチリツモ施策はKPIと目的・目標との因果が定量化しにくく、後回しされがちなんですよね。悩ましい。

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