ザ・ゴール 1&2に出てくる制約理論(TOC:Theory of Constraints)をマーケティングに活用することをテーマにまとめました。
適切なゴール設定、ゴールの達成を阻むボトルネックの発見と解決、複雑な問題を繋ぐことで本質的な課題を見つける思考法など、マーケターの悩みに答えてくれる協力なツールが沢山登場します。特に「部分最適」ではなく「全体最適」を目指し、「慣習を疑い変化させるなどの考え方は大切です。

出典:ザ・ゴール、ザ・ゴール2
本の要点抜粋
ザ・ゴール 1
- ゴール(=目的)の明確化:企業及び各部門の最終ゴールは「利益を継続的に生み出す」こと。
※利益を目的とするか必要条件とするかは企業によって異なりますが、重要であることには間違いありません。 - ゴールを測定する3つの指標:
- スループット:販売を通じて得られる利益の増分で最も重要。多い方が良い
- 在庫:2番目に重要。完成だけではなく、仕掛品や原材料、作りかけの部品も含む。少ないほうが良い
- 業務費用:在庫をスループットに変えるために使うお金。少ないほうが良い
- 問題に関連する2つの現象
- 従属現象:一つの事象、あるいは一連の事象が起こるためにはその前に別の事象が起こらなければならないという意味。後から起こる事象はその前に起こる事象に依存している。
- 統計的変動:同じ作業や現象が、その都度完全に同じ結果や時間にならないという、データに存在する自然なばらつきやランダムな揺れ。平均値だけで判断すると危険ということですね。
- ボトルネック:処理能能力が与えられている仕事量と同じか下回るリソースのこと。これが全体のスループットを決定する。見つけ方は、ボトルネックの手前には業務が溜まり、後ろは持て余していることが多い。
- 非ボトルネック:与えられている仕事量よりも処理能能力が高いリソース。非ボトルネックの仕事量の増減は成果に影響を与えない。
- 制約理論(TOC)の5ステップ
- 制約(ボトルネック)を特定する
- 制約(ボトルネック)を徹底的に活かす(無駄をなくす)
- 制約(ボトルネック)に全体を従属させる
- 制約(ボトルネック)を強化する(アウトソーシング含む)
- 新しい制約(ボトルネック)が現れたら繰り返す
ザ・ゴール 2
- 思考プロセス:ゴール達成に向けて以下3つの質問に答えていくプロセス
- 「何を変えればよいか(What to change?)」
- 「何に変えればよいか(What to change to?)」
- 「どのように変えればよいか(How to cause the change?)」
- 思考プロセスの実行ツール
- 現状問題構造ツリー:問題解決にあたって「何を変えれば最大の結果が得られるか」を明確にするための手法。まず現状の問題点(好ましくない結果=UDE)を列挙し、これらの因果関係を見つけることで、その中から 変えるべき 根本的問題を見つけ出す。思考プロセスを系統的に実行する場合、この現状問題構造ツリーの構築が最初のステップとなる。

- クラウド(雲):問題の根本的な原因となっている矛盾や対立(コンフリクト)を解消するための手法で「対立解消図」とも呼ばれる。現状問題構造ツリーで根本的な問題を見つけ出した後、この雲を使ってどう解消したらいいのか「何に変えればよいのか」を考える。

- 未来問題構造ツリー:雲(対立解消図)を使って見つけた問題解決策を実行したらどうなるかを検証するための手法。根本的な問題が解決した状態で現状問題構造ツリーがどう変化するのかを示し、新たな問題(ネガティブ・ブランチ)が発生していないかどうかなどを検証する。
- ネガティブ・ブランチ: 雲(対立解消図)を使って見つけた対立解消アイデアを実行した場合に、新たに発生する問題(マイナス面)。未来問題構造ツリーを構築して示され、「マイナスの枝」とも呼ばれる。
- 前提条件ツリー:思考プロセスの「どのように変えればよいか」を考えるための手法で、目標を達成する過程で発生する障害(前提条件)とそれを克服する中間目標を展開する。現状問題構造ツリーや未来問題構造ツリーとは異なり、因果関係だけでなくアイデア実行の時間的順序関係が重要。
- 移行ツリー:思考プロセス最後のステップで、実行計画に相当する。前提条件ツリーで展開した各中間目標を達成するために何をしなければいけないのか、必要な行動を示す。前提条件ツリーと同様、時間的順序関係が重要。
マーケティング活動への応用
まずは思考プロセスの3つの重要な質問(何を、何に、どうやって変える?)ですが、これはマーケティングフレームワークのWho(誰のどんな悩みに対して)-What(何の価値を)-How(どうやって提供するのか)と似ていますよね。目的を達成するための問題(ボトルネックとなる消費者の認識や行動など)を、適切に変化させるというプロセスです。ザ・ゴールの舞台である製造工場もマーケティング現場も、大方針は同じだということですね。
次にボトルネックですが、これはマーケティングのカスタマージャーニーやファネル分析、リレーションシップマーケティングに応用できそうです。どこで消費者が止まっているのかボトルネックを特定し、そこにリソースを集中させる。一方で非ボトルネックの増減影響は限定的だという事実も参考になります。
例えば、これまでざっくり認知者が2倍になれば、購入量も2倍になるイメージでしたが、例えばボトルネックが認知ではなく想起や検討や購入接点(配荷)の場合、ボトルネックの能力以上は購入量が上がらないということですね。一度自社商品でも検証してみたいところです。(ファネルの形状がミスリードさせますねー)


最後に思考プロセスの各ツールですが、これは戦略策定時やプロジェクトマネジメントに活用できそうです。
現状問題構造ツリーは、表面上の問題や不満はすべて因果で繋がっている事実は目からウロコでした。上手く使えば効率的にリソースを使えそうですね。
またクラウドは、各部署との利害の不一致によるコンフリクトが生じた場合に有効です。私も現場で使ってみようと思います。揉めたときに突然「雲(対立図)」を書き出すと、なんかカッコいいですね。笑
最後に、なかなかに分厚い本でしたが重要なことはさほど多くは無かったです。小説仕立てになっているので興味をもって読み進められる反面、時間がかかりました。笑
そして読むだけではなくて実践することが何より重要なので、早速明日から活用してみようと思います。





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