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oniku

・生まれも育ちも現在も(未来も?)大阪

・事業会社3社で12年以上ブランドマーケティングを実行中の現役中堅マーケター

・公益社団法人日本マーケティング協会認定資格「マーケティング・マスター」

・マーケティング自体が好きで、ほぼ趣味でもあり、これまで読んだ関連書籍は121冊 ※2024年12月時点

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58.「愛のマーケティング」とは、生活者に関心と思いやりを持ち、価値として返す営みではないか

マーケティング思考の活用

マーケティングのゴールは認識・態度・行動を変化させる、つまり「人を動かすこと」だと言われています。
おや、人を動かす普遍のテーマと言えば、、、「愛」ですよね?笑
今回はマーケティング思考に「愛」を盛り込んでみようという試みです。
つまり↓↓

マーケティングの本質は、「人を愛すること」ではないか。

「そこに愛はあるんか?」
少し変な感じに聞こえるかもしれませんが、「愛」という視点でマーケティングを捉え直すと、企業と生活者の関係性やブランドの在り方が、驚くほどクリアになりました。

認識の愛:生活者への関心と理解

まず「愛」は、認識の愛行動の愛の2つに分けて考えることができると考えました。
まず認識の愛とは、対象に関心を持ち、思いやりを抱くことです

認識の愛

  1. 関心:対象に興味を持って、注意を向けること
  2. 思いやり:対象の幸福や安心、成長に寄り添う気持ちがあること

マトリクス

思いやり
あり
思いやり
なし
関心 あり愛(恋愛、友情、親子愛、自愛)嫌悪・反感(嫌いな人を気にする)
関心 なし慈善・形式的思いやり(募金、八方美人)無関心(存在を気にしない)

対象者には自分(自愛)も含まれます。

愛のキャパシティ

人間が関心を持てる対象には限界(キャパシティ)があることを覚えておくと良いですね。

参考 ダンバー数

ダンバー数とは、人間が安定的な社会的関係を維持できる上限人数を指します。
1990年代に、英国の人類学者ロビン・ダンバー(Robin Dunbar)によって提唱されました。

彼は霊長類の脳(特に前頭前野)の大きさと社会集団の規模の関係を研究し、人間の場合、その上限がおよそ150人になると導き出しました。

ダンバー数の構造(「同心円モデル」)

関係性人数の目安特徴
5人ごく親しい関係(家族・親友)約5人深い信頼・頻繁な接触・強い情緒的結びつき
15人親密な関係約15人定期的に連絡を取り合う・支え合う仲
50人良い友人約50人パーティーに呼ぶ・近況を知っている
150人意味ある社会的関係約150人名前や顔、関係性を覚えている範囲
500人顔見知り約500人名前や見た目を知っている程度
1500人認知可能な限界約1500人「どこかで見たことがある」レベル
  • 人間の関心には上限がある(ダンバー数:約150人)
  • 強いネガティブ感情や嫌悪も関心キャパを消費する
  • 自愛によってネガティブ感情を緩和すると、愛に使える容量を確保できる

そしてこれらをマーケティング実務に言い換えれば、関心と思いやりを持つことで、真の顧客理解にたどり着くのかもしれません。

  • 生活者の声を聞くこと
  • 生活者の声や行動の背景にある、感情や文脈、インサイトを理解しようとすること
  • データではなく“人間”を見つめること

これらすべてが「認識の愛」です。
つまり、リサーチやインサイト発見の根底には“愛”が必要なのかもしれません。

関心がなければ理解・共感は生まれません。
そして思いやりがなければ、その理解はただの観察に終わります。

行動の愛:価値として返すこと

次に「行動の愛」。
それは、対象(生活者)にポジティブな影響を与える行動です。

定義:対象者にポジティブな影響を与える行動

判断基準

  1. 対象者の幸福、安心、成長に貢献しているか
  2. 動機は参考になるが、最終的には影響が基準

  • 愛:親が子どもを抱きしめる → 子どもが安心する
  • 偶発的愛:善意の行動が結果的に相手を助ける
  • 愛でない行動:自己中心、害を与える、形式的、操作的

再びマーケティングで言えば、

  • 生活者の悩みや不満・未充足を解決する商品開発であること
  • 価値観や感性に寄り添い、勇気や希望を与えるコミュニケーションであること
  • 一過性の快感ではなく、持続的な幸福を届けるブランド体験であること

こうした行動が、生活者の幸福・安心・成長に貢献しているなら、それはまさに「愛のマーケティング」だと言えます。

逆に(耳が痛いですが)、
自己都合で行う売上目的の販売促進や、生活者を欲求を掻き立てるような過剰訴求は、愛のないマーケティングと言えます。
それは“伝える”ではなく、“押しつける”行為です。

認識の愛 × 行動の愛 × 対象者への影響

この2つの愛+結果を組み合わせて考えると、マーケティング活動は次のように整理できます。

認識の愛行動の愛生活者への影響マーケティングの状態
ありありあり理想的なブランド(愛される)
ありありなし善意だが空回りする活動
ありなし机上の共感(理解止まり)
なしありあり偶発的ヒット(結果オーライ)
なしありなしノイズ的マーケティング
なしなし無関心ブランド

つまり、愛のあるマーケティング並びに愛されるブランドとは、「生活者への関心(認識)」と「行動(提供価値)」が一致し、結果として生活者にポジティブな影響を与えることなのです。

まとめ:愛のマーケティングとは何か

  • 愛の認識=生活者への関心と思いやり
  • 愛の行動=生活者にポジティブな影響を与える提供価値
  • 最大の愛=認識あり+行動あり+価値あり

「愛のマーケティング」とは、生活者に関心と思いやりを持ち、そして価値として返す営み。

マザー・テレサさんが言うように、愛の反対は“憎しみ”ではなく、“無関心”です。
だからこそ、愛を持ってマーケティングをすることは、無関心の時代における最大の挑戦なのかもしれません。

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