よくマーケター同士の飲み会のネタにもなりますが、結論 両方必要ですよね。笑
ただサイエンスとアートのバランスや役割分担は曖昧な部分も多いので、以下の書籍を参考にしつつまとめてみたいと思います。
◼️アート(+エフェクチュエーション)
・世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 著 山口 周
・エフェクチュエーション 著 吉田満梨、中村龍太
◼️サイエンス(+クラフト)
•ブランディングの科学/ブランディングの科学 新市場開拓篇 著 バイロン・シャープ, ジェニー・ロマニウク, 前平 謙二, 加藤 巧
・確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 著 森岡 毅, 今西 聖貴
・戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 著 芹澤 連
アート(+エフェクチュエーション)側の言い分
まずアート(直感・感性)側の言い分ですが、サイエンス(分析・論理・理性)に寄りすぎると以下の問題が起こるようです。
・正解のコモディティ化
サイエンスは事象を説明でき、再現性があるということなので、言わば誰でも模倣することが可能となる。消費者からすればどれも同じになり、マーケティングが目指す差別化が消失してしまう。
・方法論としての限界
VUCAの時代おいて、合理的かつ論理的な判断に固執すると、情報が足らず、また素早い変化を追いきれず、意思決定が膠着する。「分析麻痺」状態。
・世界中の市場が「自己実現欲求消費」になりつつある
論理的で分かりやすい機能価値での差別化が困難(もしくは過剰品質)になり、感性や価値観といった自己実現価値を重視する消費者が増えている。
・エフェクチュエーション(手段→目的)
不可実性が高い場合は、予測(コーゼーション:目的→手段)では対処が困難なため、以下のコントロール(5つの原則)によって対処することが効果的。
・エフェクチュエーションの5つの原則
-すでに持っている手持ちの手段から何ができるかを発想する(手中の鳥)
-期待リターンの大きさではなく、失敗した場合の損失が許容できるかという基準で実行を判断する(許容可能な損失)
-コミットする意思を持つ関係者と交渉し、パートナーシップを築いて進化していく(クレイジーキルト)
-予期せぬ事態(失敗)を偶然の産物として活用する(レモネードの法則)
-コントロール可能な活動に集中し、予測でなくコントロールによって望ましい成果に帰結させる(飛行機のパイロット)
サイエンス側の言い分
サイエンス側の言い分としては、ビジネスには知っておくべき「市場と消費者に関するファクト(事実)」と「事業成長のエビデンス(根拠)」があり、その前提に反することをしても成果は出ない。(むしろ衰退させている場合もあり)
※マーケティングの各エビデンスについてはこちらを参考くさだい。
あとは以下でしょうか。
・個人の直感だけでは周囲に信用(承認)されにくい。※スティーブ・ジョブズの直感なら別ですが
・言語化でき、再現性がないと持続的な成長ができない。(一発屋で終わる)
・一人のアート(天才)に依存すると、居なくなった時に成長が止まってしまう。
・特に予測が可能な範囲においては、成功の確度が高い。
アートとサイエンスの役割分担
ちなみにアートとサイエンスが議論すると、必ずサイエンスが勝つようです。それはサイエンスがとても説明しやすく、理解しやすいからで、アートをサイエンス側が批判することは非常に容易だからです。これがアートが蔑ろにされる理由の一つになっているので要注意なのですが、確かに上司と新人の間でよく繰り広げられてますね。笑
役割分担としては、トップに「アート」を据え、左右の両翼を「サイエンス」と「クラフト」で固めて、パワーバランスを均衡させると上手くいくと参考書籍には書いてありました。具体的には、
「アート」は、組織の創造性を後押しし、社会の展望を直感し、ステークホルダーをワクワクさせるようなビジョンを生み出します。
「サイエンス」は、体系的な分析や評価を通じて、「アート」が生み出した予想やビジョンに、現実的な裏付けを与えます。
「クラフト」は、地に足のついた経験や知識を元に、「アート」が生み出したビジョンを現実化するための実行力を生み出していきます。
また、「帰納」と「演繹」で考えてみれば、個別の現象から抽象概念へと昇華させる「帰納」は「アート」に、抽象概念を積み重ねて個別の状況へと適用する「演繹」は「サイエンス」が担うことになり、両者を繋ぎながら、現実的な検証をするのが「クラフト(過去の知見)」ということになります。
そう言えば 稲盛和夫さんの書籍「生き方」にも、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」という言葉がありました。
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」
新しいことを進め、成功させるには、まずは楽観的に構想を描けることが必要。自分で壁を作っては、夢のようなことはやる気になれず、新しいものは決して生まれない。
しかし、夢のようなことばかり考えていては、現実化はしないので、計画の段階では、悲観的に構想を見つめ直し、考え尽くすことで、悲観的な要素に対する対策を準備しておく。
しかし、実行の段階では再び楽観的に行動に移さなければ、成功に向けた果敢な行動が取れない。
ちょっと似てますよね。楽観的視点はアートで、悲観的視点はサイエンスに近いと思いました。マーケティングやビジネスの成功の秘訣なのかもしれませんね。
個人的は「アート」の創出が難しいですね。。普段から芸術や哲学にあまり触れていないこともあり、あまりピンと来ていないです。両方大事なのは間違いないですが、人間どちらかに偏っていることが多いので、チームで両立するのが良さそうです。
※アート(アイデア創出)の方法であれば以前まとめた記事があるので、もし興味があればこちら






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