マーケティング体系(基礎・フレームワーク) - 明るいマーケティング https://akaruimarketing.com マーケティング思考を身につけて、自分や周囲を好転させよう! Sun, 21 Dec 2025 06:45:03 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9 https://akaruimarketing.com/wp-content/uploads/2023/01/cropped-2_6_9_0_255_187_18_63_49_0_0_11_p0-32x32.png マーケティング体系(基礎・フレームワーク) - 明るいマーケティング https://akaruimarketing.com 32 32 61.マーケティング初心者の方が強くなるための、マーケティングリサーチ入門 https://akaruimarketing.com/2090/ https://akaruimarketing.com/2090/#respond Sun, 14 Dec 2025 12:22:15 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=2090 目次 なぜマーケティングリサーチは「とっつきにくい」のかマーケティングリサーチの役割とは?顧客は「定量」と「定性」に分けると見えやすくなる。リサーチは「戦略ストーリー」を骨太にするいつマーケティングリサーチをやるべきか? […]

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なぜマーケティングリサーチは「とっつきにくい」のか

マーケティングリサーチと聞くと、

  • 数字が多くて難しそう
  • 専門家がやるもの
  • 時間もお金もかかり、面倒

そんなイメージを持つ人は少なくありません。実際、「関心が低い」「知識が不十分」と感じている人が多い気がします。

ですが、結論から言うと、マーケティングリサーチは初心者こそ知っておくべき武器です。

なぜなら、リサーチはマーケティングで最も重要な「顧客理解」を、一気に前進してくれるからです。

この記事では、

  • マーケティングリサーチの役割
  • やることで得られるメリット
  • いつ・どんな課題に・どんなリサーチが向いているか
  • 初心者が陥りがちな注意点

を、できるだけシンプルに解説していきます。

マーケティングリサーチの役割とは?

リサーチの目的は「顧客理解を深めること」

マーケティングのゴールは、極端に言えば「顧客に選ばれ続ける仕組み作り」です。

そのために最重要なのが、顧客を正しく理解すること。

マーケティングリサーチの役割は、この顧客理解を

  • 感覚ではなく
  • 思い込みでもなく
  • 事実(ファクト)として明らかにすることです。

顧客は「定量」と「定性」に分けると見えやすくなる。

顧客理解は、大きく2つに分解できます。

  • 定量情報(数字で捉える顧客)
    • 何%の人が知っているのか(間口)
    • どれくらいの頻度で使っているのか(奥行)
    • 他社と比べてどちらが選ばれているのか(シェア)
  • 定性情報(意味・認識で捉える顧客)
    • なぜそれを選んだのか
    • どんな不満や期待を持っているのか
    • どんな気持ちで使っているのか

数字だけでも、意識だけでも不十分。両方を行き来することで、顧客像は一気にクリアになります。

リサーチは「戦略ストーリー」を骨太にする

もう一つ、リサーチの重要な役割があります。

それは、戦略や企画のストーリーをファクトで支えることです。

  • 「たぶんこうだと思う」
  • 「経験上、こうじゃないか」

ではなく、

  • 「データ上、こうなっている」
  • 「顧客の声として、こう語られている」

と言えるようになる。

これにより、

  • 個人の主観に引きずられにくくなる
  • 上司や関係者との議論が建設的になる
  • 説得力が格段に上がる

という効果が生まれます。

(「上司に負けない」場面が増えます)

いつマーケティングリサーチをやるべきか?

よく悩むのが、

「そもそも、いつリサーチをやればいいの?」という点です。

代表的なタイミングを整理してみましょう。

① 戦略や方針を考える前

  • 誰をターゲットにするか
  • どんな価値を提供するか

こうした上流の意思決定ほど、リサーチの価値は高くなります。

なぜなら最初の前提がズレていると、その後の施策がすべてズレるからです。

② 課題の正体が分からないとき

  • 売上が落ちている理由が分からない
  • なぜ選ばれていないのかが曖昧

この状態で施策を打つのは、暗闇で矢を放つようなもの。

リサーチは、「何が本当の課題か」を仮説検証し、特定するために使います。

③ コンセプトや施策の力を検証したいとき

  • この打ち出しは響きそうか?
  • この価格は高すぎないか?

思いついたアイデアを、そのまま実行する前に、

小さく確かめるのもリサーチの大事な役割です。

課題別|どんなリサーチが向いているか

ここでは、初心者が押さえておきたい代表的なリサーチを紹介します。

課題① 市場や顧客の全体像を知りたい

向いているリサーチ

  • 定量調査(アンケート調査)

分かること

  • 認知率・利用率・満足度
  • セグメントごとの違い

まずは全体像を掴む。地図を持つイメージです。

課題② なぜそうなっているのか知りたい

向いているリサーチ

  • 定性調査(インタビュー、デプスインタビュー)

分かること

  • 選択理由
  • 本音や感情
  • 数字の裏側

アンケートで見えた結果の「理由」を深掘りします。

課題③ アイデアや仮説を磨きたい

向いているリサーチ

  • 簡易アンケート
  • コンセプト需要調査

分かること

  • 伝わりやすさ
  • 違和感の有無
  • 改善のヒント

完成度を上げるための壁打ちとして使います。

ケーススタディ|実務でどう使われるのか

ケースを読む前に|ここで見てほしいポイント

ここから紹介するケーススタディでは、

単に「どんな調査をしたか」ではなく、リサーチによって何がどう変わったのかに注目してください。

見るポイントは3つです。

  1. 最初の課題は何だったのか(何が分からなかったのか)
  2. どんなリサーチを行ったのか(定量か、定性か、その組み合わせか)
  3. その結果、意思決定がどう変わったのか

この3点を意識すると、

マーケティングリサーチが「調べる行為」ではなく、

判断の質を上げるための道具だと分かるはずです。

ここからは、より実務に近いイメージを持ってもらうために、マーケティングリサーチがどのように使われるのかをケースで見てみましょう。

ケース① 売上が伸び悩んでいる理由が分からない

よくある状況

  • 広告費は増やしているのに売上が伸びない
  • 営業や上司からは「商品の魅力が弱いのでは?」と言われる
  • しかし、何が問題なのかは誰も説明できない

ありがちな失敗

  • とりあえず広告表現を変える
  • 値引きやキャンペーンを打つ

リサーチでやったこと

  1. 定量調査で、認知・理解・購入意向を把握
  2. 定性インタビューで、非購入理由や購入理由を深掘り
    ※買わない理由は直接聞いても出てこないので注意

分かったこと

  • 認知は十分にある
  • 商品理解が途中で止まっている
  • 「自分向けの商品だと思えない」という心理的ハードルがあった

意思決定につながったこと

  • 広告の問題ではなく、訴求軸とターゲット設定のズレだと判断
  • クリエイティブ改善ではなく、戦略側の見直しに踏み切れた

👉 リサーチが「打ち手選び」を間違えないための役割を果たしたケースです。

ケース② 上司と意見が割れて企画が進まない

よくある状況

  • 自分はA案が良いと思っている
  • 上司は経験からB案を推してくる
  • 議論は平行線で、最後は権限でBに決まる

リサーチでやったこと

  • コンセプト案A・Bを簡易アンケートで評価
  • 「魅力度」「分かりやすさ」「選びたい理由」を比較

分かったこと

  • 魅力度はA案が優位
  • ただし理解度はB案が高い
  • A案は表現を改善すれば伸び代が大きい

意思決定につながったこと

  • A案をベースに、分かりやすさを補強する方向で合意
  • 個人の好みではなく、データを軸に議論できた

👉 リサーチは「誰が正しいか」ではなく「何が最適か」に議論を変えてくれます。

ケース③ 顧客像がふわっとしている

よくある状況

  • ペルソナは作っているが、正直ピンとこない
  • 社内で顧客イメージがバラバラ

リサーチでやったこと

  • 定量調査で顧客をいくつかのタイプに分類(クラスター分析)
  • 各タイプに対して定性インタビューを実施

分かったこと

  • 同じ商品を買っていても、重視点がまったく違う
  • 伝えるべき価値がセグメントごとに異なる

意思決定につながったこと

  • メインターゲットを明確に定義
  • コミュニケーションの優先順位が揃った

👉 定量と定性を組み合わせることで、顧客像が一気に立体化します。

ケースから学ぶ|リサーチ活用の考え方

ここまでのケースを、少しだけ抽象化して整理してみましょう。

① 課題の種類によって、やるべきリサーチは変わる

  • 「何が起きているか分からない」→ 定量で全体像を掴む
  • 「なぜそうなっているか分からない」→ 定性で理由を深掘る
  • 「どちらが良いか決められない」→ 比較型の評価調査

課題が違えば、最適なリサーチも違います。

② 定量と定性は、セットで考えると強い

  • 定量だけだと、理由が分からない
  • 定性だけだと、どれくらい重要か分からない

ケース③のように、

定量で分けて、定性で理解することで、顧客像は立体的になります。

③ リサーチは「施策」ではなく「判断」を変えるもの

どのケースでも共通しているのは、

リサーチの結果によって

  • 打つべき施策
  • 議論の論点
  • 合意の取り方

が変わっている点です。

マーケティングリサーチの本質は、正解を出すことではなく、間違えにくくすることだと言えます。

初心者が知っておきたいリサーチの注意点

最後に、マーケティングリサーチで失敗しがちなポイントをまとめます。

注意点① 仮説なしでやらない

「とりあえず聞いてみる」は、

  • 聞くことがブレる
  • 何も判断できない

という結果になりがちです。

最低限の仮説を持ち、確かめるためにリサーチをする。

これだけで、得られる学びは大きく変わります。

注意点② 数字は「比較」して初めて意味を持つ

  • 前年比
  • 他社比較
  • セグメント比較

単体の数字だけを見ても、判断はできません。何かと比べて初めて、良い・悪いが見えてきます。

注意点③ リサーチは意思決定のために使う

リサーチの目的は、

  • きれいな資料を作ること
  • 調査をやった事実を作ること

ではありません。

次にどう判断し、どう動くかを決めるためにあります。
「この結果を見て、何を決めるのか?」を常に意識しましょう。

おわりに|リサーチはマーケターの思考を自由にする

マーケティングリサーチは、

マーケターを縛るものではなく、自由にするものです。

  • 思い込みから解放され
  • 議論に根拠が生まれ
  • 自信を持って判断できる

最初から完璧にやる必要はありません。

小さく、シンプルに、顧客を知る一歩として使ってみてください。

きっと、マーケティングが少し楽しく、少し強くなるはずです。

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57.脳の記憶のメカニズムが分かると、ブランド認知や想起の重要性や道筋が分かるという話 https://akaruimarketing.com/2034/ https://akaruimarketing.com/2034/#respond Sat, 11 Oct 2025 06:07:27 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=2034 人間の記憶のメカニズムは、私が思っていたよりもダイナミックで流動的。まだまだ未知な部分も多い分野ですが、現状分かっている記憶の長期保存への道筋や、逆に忘却する理由などが分かると、ブランディング目標の一つである「ブランド想 […]

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人間の記憶のメカニズムは、私が思っていたよりもダイナミックで流動的。まだまだ未知な部分も多い分野ですが、現状分かっている記憶の長期保存への道筋や、逆に忘却する理由などが分かると、ブランディング目標の一つである「ブランド想起」のヒントになります。
人は日々大量の情報を取捨選択し、絞り込みをかけていく。そして不要な情報は、そもそも記憶すらしないということを肝に命じておく必要がありますね。

脳科学的記憶のメカニズム

まず最初に、私たちの脳がどのようにして情報を記憶するのか、そのメカニズムは複雑ですが、大きく分けて3つのプロセスと、記憶の種類によって分けられます。

​記憶の3つのプロセス

​STEP1 ​記銘(きめい): 新しい情報を覚え込み、脳に取り込むプロセスです。符号化とも呼ばれます。

STEP2 保持(ほじ): 取り込んだ情報を脳内に保存し続けるプロセスです。貯蔵とも言えます。

STEP3 想起(そうき): 保存されている情報を必要に応じて取り出すプロセスです。「思い出すこと」や、「検索」とも言えます。

この3つのプロセスがスムーズに連携することで、私たちは物事を記憶し、思い出すことができます。

​記憶の種類

​記憶は、情報を保持する時間の長さによって、大きく3つに分類されます。これは「記憶の多重貯蔵モデル」として知られています。

​1. 感覚記憶
​五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)から入ってきた情報を、各感覚器の中でほんの一瞬(約0~2秒)だけ保持する記憶です。例えば、目の前の景色が一瞬で消えても、その残像がわずかに残るような感覚です。この膨大な情報の中から、注意を向けられたものだけが次の短期記憶へと送られます。

​2. 短期記憶(記憶の仮置きと一時保存)
​短期記憶とは、感覚記憶の中から、意識的に注意を向けた情報が、脳の前頭前野に仮置きされ、その後より重要そうだと判断された情報が、海馬によって一時的に保存された記憶のことです

仮置きできる時間は数十秒程度と比較的短く、一度に覚えられる量も限られています。脳のワーキングメモリーとも言われ、一般的に7±2個程度と言われています。例えば電話番号を一時的に覚える、会話の内容を少しの間覚えておく、といった場面で使われます。
​次に記憶の一時保存は、記憶の司令塔である海馬(かいば)という脳の部位が深く関わっています。海馬は、仮置きした新しい情報を一時的(数時間〜数週間程度)に保管し、それを長期記憶に送るかどうかを判断する重要な役割を担っています。

​3. 長期記憶
短期記憶にある情報が、何度も繰り返し使われたり(リハーサル)、感情と結びついたりすることで、長期間にわたって保存される記憶です。容量にはほぼ制限がなく、一度定着すると長期間忘れることはありません。自分の名前や家族の顔、自転車の乗り方、歴史の知識などがこれにあたります。
​長期記憶は、海馬から大脳皮質へと情報が移されることで定着します。

​記憶の定着を支える脳の仕組み

​記憶がどのようにして脳に「刻まれる」のか、その鍵を握るのがシナプスの可塑性(かそせい)です。シナプスとは、脳の神経細胞(ニューロン)同士のつなぎ目のことで、情報を伝達する重要な部分です。
​学習や経験によって、特定のシナプスの情報伝達効率が長期間にわたって向上する現象を長期増強(LTP: Long-Term Potentiation)と呼びます。これが、記憶が定着する細胞レベルでの基本的なメカニズムであると考えられています。つまり、何かを学ぶと、関連する神経細胞間の結びつきが強まり、情報が伝わりやすくなるのです。

​このように、記憶は単一の現象ではなく、「記銘」「保持」「想起」というプロセスを経て、情報の重要度に応じて「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」へと振り分けられ、最終的には脳の神経回路の変化として保存される、非常にダイナミックな仕組みなのです。

マーケティングへの応用

記憶のメカニズムとマーケティングにおけるブランドの「助成想起(助成認知)」と「純粋想起」は、情報を脳からどのように取り出すか(想起)という点で密接に繋がっています。
端的に言えば、ブランドの助成想起は「再認」、純粋想起は「再生」という記憶の想起プロセスにそれぞれ対応しています。

記憶の想起プロセスとの対応

記憶を思い出すプロセスには、大きく分けて2つの方法があります。

  • 再生(Recall): 何の手がかりもなしに、記憶の中から情報を自力で引き出すことです。例えば、「昨日の夕食に何を食べましたか?」と聞かれて思い出すのが「再生」です。
  • 再認(Recognition): 何か手がかりを与えられたときに、「これを知っている」と認識することです。例えば、レストランのメニューを見て「あ、昨日食べたのはこれだ」と気づくのが「再認」です。

一般的に、手がかりがある「再認」の方が、手がかりのない「再生」よりも簡単です。

マーケティングとの繋がり

この記憶の仕組みが、そのままブランド認知度の測定に使われています。

純粋想起(Unaided Awareness)= 再生

純粋想起は、手がかりなしでブランド名を思い出してもらうことです。

  • 調査方法: 「〇〇(商品カテゴリー)と聞いて、思い浮かぶブランドは何ですか?」といった質問をします。
  • 記憶のメカニズム: 消費者は、自分の長期記憶の中から、特定の商品カテゴリーと強く結びついたブランド情報を自力で「再生」する必要があります。
  • ブランドの強さ: 純粋想起されるブランドは、消費者の記憶に深く、そして強く刻み込まれていることを意味します。これは非常に強いブランドと言え、消費者が何かを買おうと思った時に、最初に頭に思い浮かぶ選択肢(第一想起:Top of Mind)に入っている可能性が高いです。

助成想起(Aided Awareness)= 再認

助成想起は、ブランド名やロゴなどの手がかりを与えられて、そのブランドを知っているかどうかを思い出してもらうことです。

  • 調査方法: ブランド名やロゴのリストを見せて、「この中で知っているブランドはどれですか?」といった質問をします。
  • 記憶のメカニズム: 消費者は、提示された手がかり(ブランド名)を見て、自分の長期記憶の中にある情報と照合し、「知っている」または「見たことがある」と「再認」します。
  • ブランドの強さ: 純粋想起されなくても、助成想起されるブランドは、消費者が少なくともそのブランドに接触した経験があることを示します。店舗などでそのブランドのパッケージを見かけた際に、「あ、これ知ってる」と思い出してもらう段階です。

マーケティング戦略への応用

マーケティング記憶のプロセス消費者の状態
純粋想起再生(手がかりなし)「〇〇が欲しいな」→「そうだ、あのブランドにしよう」
助成想起再認(手がかりあり)店頭で商品を見て→「あ、このブランド知ってる」

このように、マーケティング担当者は、自社のブランドが消費者の記憶の中でどのレベルにあるのか(純粋想起されるのか、助成想起の段階なのか)を把握し、目標に応じて戦略を立てます。

  • 新ブランドの導入期: まずは名前を覚えてもらうために、例えば広告などで繰り返しブランド名を提示し、助成想起(ブランド認知)の獲得を目指します。
  • 成長期のブランド: 競合との差別化を図り、CEP(特定のオケージョンやニーズなどの想起のきっかけ)とブランドを強力に結びつけることで、純粋想起、さらには第一想起される存在を目指します。

記憶のメカニズムを理解することは、消費者の頭の中にいかにしてブランドを刻み込み、必要な時に思い出してもらうかという、マーケティングの根幹に関わる重要な視点なのです。

純粋想起ブランドへの道筋

結論から言うと、純粋想起されるブランドになることは、消費者の脳内に、特定カテゴリーとあなたのブランドを結びつける「太くて、迷わない神経回路(ニューラルネットワーク)を構築する」ということです。

手がかりなしで思い出せる「再生(Recall)」は、ぼんやりとした記憶では起こりません。脳が特定の質問(例:「喉が渇いたな、何を飲もう?」)に対して、自動的に、そして最も速くアクセスできる答えとして、ブランドが想起される状態を目指す必要があります。

そのために、脳のメカニズム的に有効な4つのアプローチをご紹介します。

1. 記憶の痕跡を「強く、太く」する(長期増強の促進)

記憶の正体は、神経細胞(ニューロン)間の結合(シナプス)が強化される長期増強(LTP)という現象です。この結合を強力にすることが全ての基本です。

具体的な方法:計算された反復(単純接触と分散学習)

  • 同じ情報に繰り返し触れると、関連するシナプスの結合が物理的に強くなります。ただし、一度に詰め込む(集中学習)よりも、一定の間隔を空けて接触する(分散学習)方が、記憶の定着に圧倒的に効果的です。脳が一度忘れかけ、再び思い出すというプロセス(想起努力)を経ることで、記憶がより強固に再構築されるためです。

2. 強くかつ複数の「カテゴリー想起ポイント(CEP)との結び付き」や「ブランドの独自資産」を作る(連合記憶の形成)

純粋想起は「手がかりなし」で思い出してもらうことですが、実際には消費者の頭の中にある「カテゴリー」や「ニーズ」、「連想イメージ」が内部的な手がかりとして機能します。この内部的な手がかりとブランドを強力に結びつけることが鍵です。

具体的な方法:特定のカテゴリーと強力に結びつける

  • 私たちの記憶は、関連情報がネットワークのように繋がった「連合記憶」として保存されています。例えば、「宅配便」というノード(神経細胞群)が活性化されたときに、最も強く繋がっている「ヤマト運輸」のノードが即座に発火する、というイメージです。
    • マーケティングアクション: 「〇〇といえば、[自社ブランド]」というポジションを確立する。「フリマアプリならメルカリ」「エナジードリンクならレッドブル」のように、カテゴリーリーダーとしての認識をあらゆるコミュニケーションで徹底する。

具体的な方法:覚えやすい記号(ブランドの独自資産)を作る:

  • 音(ジングル)、映像(キャラクター)、言葉(キャッチコピー)は、それぞれ脳の異なる領域(聴覚野、視覚野、言語野)を刺激し、記憶のフックを増やします。特に、メロディのような非言語情報は、感情や情景と結びつきやすく、非常に強力な記憶のトリガーになります。
    • マーケティングアクション: Intelの「インテル、入ってる」のサウンドロゴ、マクドナルドの「I’m lovin’ it」のメロディのように、耳に残るサウンドや、覚えやすいキャッチコピーを開発し、一貫して使用する。

3. 「感情の力」を利用する(扁桃体の活性化)

感情を揺さぶる出来事は、そうでない出来事に比べて圧倒的に記憶に残りやすくなります。これは、感情を司る扁桃体(へんとうたい)が、記憶の司令塔である海馬(かいば)を活性化させるためです。

具体的な方法:物語(ストーリー)を語る

  • 扁桃体は、その情報が「生存にとって重要かどうか」を判断する役割も担っています。感情が動く(面白い、感動する、共感する)ストーリーは、脳に「これは重要な情報だ」と認識させ、記憶に残りやすくします。いわば、記憶に「感情の蛍光ペン」でマークするようなものです。
    • マーケティングアクション: 商品のスペックを羅列するのではなく、ブランドの誕生秘話、開発者の情熱、顧客の成功体験などを感動的なストーリーとして伝える。CMやウェブコンテンツで物語性のあるコンテンツを発信する。

4. 「体験の一貫性」で記憶を補強する(予測とパターンの形成)

脳はパターンを好み、次に何が起こるかを予測しようとします。ブランドとの全ての接点(広告、店舗、商品、サポート)で一貫した体験を提供することで、脳内のブランドイメージは補強され、混乱なくスムーズに記憶されます。

具体的な方法:ブランド体験の統一

  • ロゴ、色、デザイン、接客態度、メッセージなどが一貫していると、脳はそれらを一つのまとまった概念(スキーマ)として効率的に処理します。逆に、体験に一貫性がないと、脳はそれを別の情報として処理しようとし、強力な単一のブランドイメージが形成されにくくなります。
    • マーケティングアクション: Apple社のように、製品デザイン、店舗の内装、広告のトーン、ウェブサイトのUI/UXまで、全ての顧客接点で一貫した世界観を徹底する。

まとめ:純粋想起へのロードマップ

マーケティングアクション脳科学的な狙い目指す状態
計算された反復・接触シナプス結合の強化(長期増強)記憶の痕跡を物理的に太くする
カテゴリーとの強力な紐付け連合記憶のネットワーク形成「〇〇といえば…」の問いに自動的に反応する回路を作る
ブランドの独自資産(音・言葉)の活用複数の脳領域を刺激し、記憶のトリガーを増やす思い出すための「とっかかり」を脳内に多数設置する
感情を揺さぶるストーリー扁桃体を活性化させ、記憶の定着を促す「重要情報」として記憶にマーキングさせる
一貫したブランド体験脳のパターン認識機能を活用し、記憶を補強する混乱のない、単一で強力なブランドイメージを構築する

これらのアプローチを長期的に、そして一貫して実行することで、ブランドは単なる「知っている」存在から、顧客がニーズを感じた瞬間に無意識的かつ自動的に思い浮かべる「純粋想起」される存在へと、脳科学的に進化していくことができるのです。

参考にブランディングについてまとめた記事はこちら

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52.マーケティングはサイエンスか、アートか https://akaruimarketing.com/1684/ https://akaruimarketing.com/1684/#respond Mon, 17 Feb 2025 14:41:17 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1684 よくマーケター同士の飲み会のネタにもなりますが、結論 両方必要ですよね。笑ただサイエンスとアートのバランスや役割分担は曖昧な部分も多いので、以下の書籍を参考にしつつまとめてみたいと思います。 ◼️アート(+エフェクチュエ […]

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よくマーケター同士の飲み会のネタにもなりますが、結論 両方必要ですよね。笑
ただサイエンスとアートのバランスや役割分担は曖昧な部分も多いので、以下の書籍を参考にしつつまとめてみたいと思います。

◼️アート(+エフェクチュエーション)
・世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 著 山口 周
・エフェクチュエーション 著 吉田満梨、中村龍太

◼️サイエンス(+クラフト)
•ブランディングの科学/ブランディングの科学 新市場開拓篇 著 バイロン・シャープ, ジェニー・ロマニウク, 前平 謙二, 加藤 巧
・確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 著 森岡 毅, 今西 聖貴
・戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 著 芹澤 連

アート(+エフェクチュエーション)側の言い分

まずアート(直感・感性)側の言い分ですが、サイエンス(分析・論理・理性)に寄りすぎると以下の問題が起こるようです。

・正解のコモディティ化
サイエンスは事象を説明でき、再現性があるということなので、言わば誰でも模倣することが可能となる。消費者からすればどれも同じになり、マーケティングが目指す差別化が消失してしまう。

・方法論としての限界
VUCAの時代おいて、合理的かつ論理的な判断に固執すると、情報が足らず、また素早い変化を追いきれず、意思決定が膠着する。「分析麻痺」状態。

・世界中の市場が「自己実現欲求消費」になりつつある
論理的で分かりやすい機能価値での差別化が困難(もしくは過剰品質)になり、感性や価値観といった自己実現価値を重視する消費者が増えている。

・エフェクチュエーション(手段→目的)
不可実性が高い場合は、予測(コーゼーション:目的→手段)では対処が困難なため、以下のコントロール(5つの原則)によって対処することが効果的。
 
・エフェクチュエーションの5つの原則
 -すでに持っている手持ちの手段から何ができるかを発想する(手中の鳥)
 -期待リターンの大きさではなく、失敗した場合の損失が許容できるかという基準で実行を判断する(許容可能な損失)
 -コミットする意思を持つ関係者と交渉し、パートナーシップを築いて進化していく(クレイジーキルト)
 -予期せぬ事態(失敗)を偶然の産物として活用する(レモネードの法則)
 -コントロール可能な活動に集中し、予測でなくコントロールによって望ましい成果に帰結させる(飛行機のパイロット)

サイエンス側の言い分

サイエンス側の言い分としては、ビジネスには知っておくべき「市場と消費者に関するファクト(事実)」と「事業成長のエビデンス(根拠)」があり、その前提に反することをしても成果は出ない。(むしろ衰退させている場合もあり)
※マーケティングの各エビデンスについてはこちらを参考くさだい。

あとは以下でしょうか。
・個人の直感だけでは周囲に信用(承認)されにくい。※スティーブ・ジョブズの直感なら別ですが
・言語化でき、再現性がないと持続的な成長ができない。(一発屋で終わる)
・一人のアート(天才)に依存すると、居なくなった時に成長が止まってしまう。
・特に予測が可能な範囲においては、成功の確度が高い。

アートとサイエンスの役割分担

ちなみにアートとサイエンスが議論すると、必ずサイエンスが勝つようです。それはサイエンスがとても説明しやすく、理解しやすいからで、アートをサイエンス側が批判することは非常に容易だからです。これがアートが蔑ろにされる理由の一つになっているので要注意なのですが、確かに上司と新人の間でよく繰り広げられてますね。笑
役割分担としては、トップに「アート」を据え、左右の両翼を「サイエンス」と「クラフト」で固めて、パワーバランスを均衡させると上手くいくと参考書籍には書いてありました。具体的には、
「アート」は、組織の創造性を後押しし、社会の展望を直感し、ステークホルダーをワクワクさせるようなビジョンを生み出します。
「サイエンス」は、体系的な分析や評価を通じて、「アート」が生み出した予想やビジョンに、現実的な裏付けを与えます。
「クラフト」は、地に足のついた経験や知識を元に、「アート」が生み出したビジョンを現実化するための実行力を生み出していきます。

また、「帰納」と「演繹」で考えてみれば、個別の現象から抽象概念へと昇華させる「帰納」は「アート」に、抽象概念を積み重ねて個別の状況へと適用する「演繹」は「サイエンス」が担うことになり、両者を繋ぎながら、現実的な検証をするのが「クラフト(過去の知見)」ということになります。

そう言えば 稲盛和夫さんの書籍「生き方」にも、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」という言葉がありました。

楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
新しいことを進め、成功させるには、まずは楽観的に構想を描けることが必要。自分で壁を作っては、夢のようなことはやる気になれず、新しいものは決して生まれない。
しかし、夢のようなことばかり考えていては、現実化はしないので、計画の段階では、悲観的に構想を見つめ直し、考え尽くすことで、悲観的な要素に対する対策を準備しておく。
しかし、実行の段階では再び楽観的に行動に移さなければ、成功に向けた果敢な行動が取れない。

ちょっと似てますよね。楽観的視点はアートで、悲観的視点はサイエンスに近いと思いました。マーケティングやビジネスの成功の秘訣なのかもしれませんね。

個人的は「アート」の創出が難しいですね。。普段から芸術や哲学にあまり触れていないこともあり、あまりピンと来ていないです。両方大事なのは間違いないですが、人間どちらかに偏っていることが多いので、チームで両立するのが良さそうです。
※アート(アイデア創出)の方法であれば以前まとめた記事があるので、もし興味があればこちら

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51.マーケティングは何をしたら良いのだろう?エビデンスマーケティングの概要を整理 https://akaruimarketing.com/1667/ https://akaruimarketing.com/1667/#respond Sun, 16 Feb 2025 08:36:18 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1667 今回は、最近マーケティング界隈で話題になっているエビデンス・ベースド・マーケティング、そして私の実務経験を思い出して、要は何をすれば目的(顧客創造・儲かる仕組み)が達成されるのか?を整理していきたいと思います。 確かに、 […]

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今回は、最近マーケティング界隈で話題になっているエビデンス・ベースド・マーケティング、そして私の実務経験を思い出して、要は何をすれば目的(顧客創造・儲かる仕組み)が達成されるのか?を整理していきたいと思います。

確かに、私自身もマーケティングのお仕事をしているのですが、結局のところビジネス目的である利益を生み続けるために、何に注力すれば良いのか曖昧なまま走っている気がします。会社や上司によって方針も方法違いますし。
そして実務の6ー7割の時間は、考える時間ではなく、タスク処理やミーティングなどの実行で、ゆっくり振り返る時間も持たないままでしたね。

では早速いきましょう!専門用語がたくさん出てきますが、このブログのどこかでも説明しているので検索してみてください。

前提

ほぼ世界中の人々のモノやサービスの購買行動、つまりブランドが選ばれる確率(プレファレンス)は、負の二項分布(NBDモデル)に従う。確率を左右する変数(M)は、市場の平均購入回数(購入回数➗市場人数)のみである。これは人間の脳及び本能に大きな差異はないため、同じ状況であれば同じ行動を取りやすい性質からきています。
※PBなど例外もあるため、一度所属カテゴリーで調べてみることがオススメ
※変数Kは分布の形を決めるだけ。これもまたMに従う

出典:「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」(森岡毅、今西聖貴)

STEP1 市場の平均購入回数(M)を上げる

自ブランドの市場における平均購入回数(M)を上げるためには、とにかく浸透率(購入者数)を高めること。顧客ロイヤルティ(購入者あたりの購入数など)ではない。
言い方を変えると、選ばれる確率が上がり、平均購入回数(M)が上がるような状態になれば、まず浸透率が上がっていくということです。
※参考:ダブルジョパディの法則
※浸透率と購入頻度の関係は、あくまで顧客に定義された、交換可能な同市場(同カテゴリー)のブランドについてのみ成立し、他の市場(カテゴリー)におけるブランドとは無関係。一見購入頻度だけが高いニッチブランドが存在しているようにみえる場合は、市場が異なる可能性あり(例 衣料用洗剤とおしゃれ着洗剤など)
※しかし市場の性質(コモディティ)やブランドの浸透率次第では、ロイヤルティ向上にも効果が出てくる

STEP2 浸透率を上げる

浸透率を高めるためには、メンタルアベイラビリティ(認知+想起されやすさ)とフィジカルアベイラビリティ(買いやすさ)を向上させる。
メンタルアベイラビリティにおける、認知(いわゆる助成認知)と想起(いわゆるエボーグトセット)を分けて管理するかは意見が分かれるところ。確率思考の戦略論では分けて考えていそう。ブランディングの科学はあまり助成認知は意識していなさそう。とはいえ助成認知だけでは選ばれにくいので、重要なのは狙うべき想起集合に入ることですね。

STEP3 メンタルアベイラビリティを構築する

市場全体におけるメンタルアベイラビリティの向上を図るには、人数の多いブランドのライトユーザー&ノンユーザー、つまり所属カテゴリーや自ブランドに関心がない消費者にも薄く広くリーチし、理解を促すことが重要
この点で現代でもTVCMやPRが効率的で、いわゆる誰でも知っている状態が理想。デジタル広告だけでは、カテゴリーや自ブランドへの関与が大きいヘビーな顧客にリーチが偏ってしまう。

STEP4 薄く広いリーチで認知・想起を獲得する

薄く広くリーチして、ブランドの助成認知と、想起のきっかけとなるカテゴリーエントリーポイント(CEP)とブランドを結びつけ、エボークトセット(想起集合)に入れる
短期的には間口が大きくてブランドの強みが活かせるCEPを狙いつつ、長期的には複数のCEPと結びつくことを目指す。
新規ブランドの場合、POP(所属するカテゴリーの必須要件)を満たして、どういうカテゴリーのなんて言うブランドなのかを認知させることが第一歩。
ある程度認知があるブランドの場合は、狙うCEPでの選択確率(プレファレンス)を高めるべく、マーケティングコンセプト(Who&What)を訴求して、便益と独自性(POD)の共感を得てリンクを強化する。

参考 CEPの見つけ方
W’sフレームワーク:CEPの探索と発見を促す6W1Hの思考ツール
Why:なぜそのカテゴリーを使うのか、どんなゴールのために採用するのか。
When:カテゴリーを購買&利用するのは1日の中でいつか。週や月、季節による違い、平日・休日による違いはないか。イベントやアニバーサリーは?
Where:カテゴリーはどこで利用されるか。リアルやデジタルの違いはあるか。
While:カテゴリーの使用前後に何をしているのか。どんな行動の最中にニーズが生まれているか。
With/for Whom :買うのは誰で、使うのは誰か。利用するとき誰かがいるか。誰かと一緒に利用するか。行動に影響を与える第3者はいるか。
How feeling:カテゴリーを利用する前はどんな気分か、利用前後で気持ちは変化するか。何が行動を増やすのかあるいは減らすのか。

攻めるべきCEPの選び方
CEPに適した製品やサービスを提供できるか(強みとのマッチ)
CEPと競合ブランドのリンクの強さはどのくらいか
CEPの購入頻度や利用金額はどのくらいか(なるべく間口の広い方が望ましい)

STEP5 CEPとブランドをリンクさせる(マーケティングコンセプトをつくり、実行する)

CEPとブランドを結びつけるために、ブランドのマーケティングコンセプトをつくる。そしてそれに基づいて各施策(マーケティングMIX 4P)に落として実行していく。

マーケティングコンセプト(ブランドステートメント)の要素
・対象カテゴリーおよびCEPの設定

・Whoの定義
①戦略ターゲット
ターゲットを狭めすぎない。むしろ広げるため、リソース投下の優先順位をつけるためのターゲティングにする
②コアターゲットと、コアターゲットのインサイト(潜在的なニーズ)
インサイトは普段自覚していない人間の本能欲求で、特にドロドロとした悪魔の欲求が効果的。
例 SNSがやめられないインサイト
手段の中で自分のポジション(ランク)を計り、安全・安心を確保したい生存本能からきている。また、自分と同列と認識している他人の成功に嫉妬してしまうのは、自虐(優劣コンプレックス)や支配(マウンティング)の欲求から発生している可能性あり

・Whatの定義 ①機能価値②情緒価値③自己表現価値
①②③を設計した上で、どれをメインでコミュニケーションするのかは悩ましいところ。昨今①で差がつかなくなってきているため、②③が重要視されている。※個人的に③は、ラグジュアリーブランドやエシカル系ブランドの芸術的な広告に心を動かされることが無いので実感がない。。笑

・コアアイデア(RTB)の定義
Whatは抽象的で差別性が弱い場合があるため、コアアイデアの独自性は大切。自社の強みや、他社が模倣できない一見すると不合理な仕組みを入れれると強い。(例 スタバの直営方式など)

・ブランドキャラクターの定義
広告表現や各デザインに影響するため、ブレないように統一しておく。

・ブランドの独自資産(ブランド名、ロゴ、ジングルなど)の定義と育成
ポイントは会社の上司や担当者だけが感じる謎の鮮度感に負けず、変えないこと、使い続けることが大切。
詳細記事はこちら:ブランドマーケター必読 ブランディングの科学 独自のブランド資産構築篇

STEP6 フィジカルアベイラビリティを構築する

STEP6と言いつつ、メンタルアベイラビリティよりも優先して取り組む方が良い場合も多いですが、買いやすさ(集客ビジネスだと行きやすさ)の向上が重要。
多くの消費者に幅広い購入機会が提供されている状態。具体的には配荷の量と質のこと。
要素
-プレゼンス:ブランドの存在感(市場のカバー/配荷率)
-レレバンス:買い求めやすさ(製品やサービスのポートフォリオ、購買バリアの除去)
-プロミネンス:目立ち(ブランドの独自性)
↓言い方変えると
-配荷の量:配荷率、市場カバー率
-配荷の質:陳列位置、フェース数、山積み、上位表示(EC)、パッケージの目立ち

まとめ

マーケターが何をすべきかおおよその道筋は経ちましたかね。笑 
あとはやらなくて良いことが見えてきますね。例えば過度なロイヤルティ施策やCRM、コンバージョン施策は優先順位が低そうです。そして顧客にも気づかれない程度の中身の改良やパッケージ変更もやめた方がいいですね。
実は今後重要そうなのは、いわゆるオールウェイズオンと呼ばれる、年間を通じてゆるく広くコミュニケーションを続ける施策は大事かもしれません。具体的にはESGやSDGs関連施策、日々のSNSや SEMです。ブランド記憶の鮮度を保ち、CEPが起こった際に自ブランドを想起させる確率をあげられそうな気がします。ただこの手のチリツモ施策はKPIと目的・目標との因果が定量化しにくく、後回しされがちなんですよね。悩ましい。

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49.消費者は4回評価する!?大切なのはTMOT(ティーモット) https://akaruimarketing.com/1529/ https://akaruimarketing.com/1529/#respond Sat, 04 Jan 2025 06:59:28 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1529 メンタルアベイラビリティ(想起されやすさ)を高める上で、過去のブランド体験が重要であることは明らかなのですが、それを良い感じにまとめてくれている概念があったので書き留めます。 参考:池田 紀行. 売上の地図 3万人を指導 […]

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メンタルアベイラビリティ(想起されやすさ)を高める上で、過去のブランド体験が重要であることは明らかなのですが、それを良い感じにまとめてくれている概念があったので書き留めます。

参考:池田 紀行. 売上の地図 3万人を指導したマーケティングの人気講師が教える「売上」を左右する20のヒント

ZMOT、FMOT、SMOT、TMOT(左からジーモット、エフモット、エスモット、ティーモット)とは?

  1. ZMOT(Zero Moment Of Truth):初回購入前の評価で、ブランド想起前と想起後に分かれる。広告やPR・SNS、口コミ、加えて過去の類似ブランド体験からの評価。
  2. FMOT(First Moment Of Truth):店頭での評価。パッケージの目立ちや分かりやすさなどから評価。
  3. SMOT(Second Moment Of Truth):使用時の評価。使いやすさ、知覚品質、捨てやすさなどから評価。
  4. TMOT(Third Moment Of Truth):リピート体験で上書きされていく評価。馴染や好意度が増していく場合もあれば、がっかりして離反に繋がる場合もある。

メンタルアベイラビリティの評価はZMOTの瞬間で、ニーズが発生したときに自ブランドが想起されているかどうか?が重要です。
そしてリピート購入のZMOTに強く影響するのが自身のSMOTとTMOTになります。また、これらは他者への口コミとして、他者のZMOTにも影響していきます。

確かにTMOT(上質なリピート体験)大事・・・。

でも上質なリピート体験って何でしょうね?
対応施策は、いわゆるCRM(例 ポイントカード、アプリ会員)やファンプログラムでしょうか。
個人的には施策を考える前に、ブランドのBenefitのレベルが、機能→情緒→自己実現と上がっていくことが重要なのではないかと思います。
例えば私はニューバランスのスニーカーに最近ハマっているのですが、最初は機能価値でした。1日中歩いても疲れない靴ないかしら?と行き着いたことがきっかけです。
そしてSMOTで気に入り、日々履いているうちに、ちょっとテンションが上がる自分に気が付きました。時にはエスカレーターではなく、階段で行こうとか思います。(情緒価値)
私はまだこの辺りで止まっていますが、すでに結構お気に入りのブランドで、スニーカーカテゴリーの第一想起の位置にいます。
ニューバランスが私の自己実現に繋がっていくかどうかは今後のTMOT次第でしょうか。もしかしたら健康的な自分に欠かせないブランドになるかもしれませんね。一方私の悪い癖(コレクター化)が出そうで散財がちょっと怖いですね。笑

私のニューバランスにおけるTMOTについては、特にニューバランス社からコミュニケーションがあった訳ではなく、プロダクト体験の積み重ねによるものです。(追加購入のリタゲは山ほど届きましたが)
そこまで考えられて作られているのかしら?
以下ニューバランス社のミッションと企業理念をHPから拝借しましたが、「アスリートが誇りをもって」や、企業理念の1番目に「誠実さ」があるのが興味深いですね。考えているかもしれません。

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最後に

昨今、LTVやCRM、オールウェイズ・オンやリレーションシップ・マーケティングなど、顧客と中長期的に太く繋がるための概念や施策が増えていますが、必ずしも全員と太く繋がり続ける必要はなく、薄く長く繋がることも大切なのだろうとリテンション・ダブルジョパディの法則*¹や購買行動適正化*²の法則が教えてくれます。でも薄く長い繋がりをどう評価していくのが良いのでしょうね。マーケターたるもの、つい顧客との関係性を太くしたくなるものです。むむむ

参考:ブランディングの科学 著者:バイロン・シャープ

  1. リテンション・ダブルジョパディの法則:あらゆるブランドが結局は顧客を失う。その損失はマーケットシェアと比例する。大きいブランドほど多くの顧客を失うが、その損失割合は顧客基盤全体と比較すると小さい。
  2. 購買行動適正化の法則:ある一定期間中にヘビーバイヤーだった消費者の購買量は、その後減少する。またライトバイヤーの購買量は増え、ノンバイヤーがバイヤーになることもある。この平均への回帰現象は、購買客の行動が実際に変化しなくても生じる。



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48.ブランド・ボンディング(結びつき)を強化してLTVを上げよう! https://akaruimarketing.com/1479/ https://akaruimarketing.com/1479/#respond Wed, 01 Jan 2025 08:31:55 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1479 目次 ブランド・ボンディングとは?ブランド・ボンディングの強化方法ブランド体験の強化ブランド認知(エクイティ)の強化ブランドへの共感と好感最後に ブランド・ボンディングとは? 少し聞き慣れない言葉かもしれません、ブランド […]

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ブランド・ボンディングとは?

少し聞き慣れない言葉かもしれません、ブランド・ボンディング。
これは、生活における知覚刺激からブランド想起・選択(購買・使用)までの「ブランドとの結びつきの強さ」を表しています。そしてブランド・ボンディングは実購入と相関があり、中長期的なマーケティングには欠かせない概念です。

例えば日々生活していると、ふと悩みやジョブ(進捗・解決したいこと)が現れますよね。そして悩みを解決できそうなカテゴリーが想起され、その中に所属するブランドが想起、購買、使用されます。その際に自ブランドが想起されるかどうか、選ばれるかどうかは、ボンディングの強さによって変わります。
概念としては、プレファレンス(ブランドの相対的な好意度)や、メンタルアベイラビリティと近いと私は解釈しています。顧客とブランドの結びつきを強化し、LTV(ライフ・タイム・バリュー)を最大化していく上で、重要な目標です。

ボンディングの一例

  • 東京から友人が大阪に1日かけて遊びに来ることが決まった。(生活における知覚刺激)
  • がっかりさせて嫌われたくはないけど、正直調べるのが面倒(インサイト)
  • 行くだけで間違いなく楽しめる、大阪ならではの場所に行きたい(ニーズ)
  • 大阪のレジャー施設(カテゴリーA)
  • USJ(ブランドa)、海遊館(ブランドb)

ブランド・ボンディングの強化方法

ブランド・ボンディングを強めるためには以下の3要素を強化します。

  1. ブランド体験:実際にブランドを体験すればするほど、結びつきは強化されていきます。
  2. ブランド認知(エクイティ):継続的なブランド接点をもつことで記憶の鮮度を保ち、独自性や便益の理解を通じて、複数のCEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)における非助成認知(ブランド想起)を高めます。
  3. ブランドへの共感と好感:CSR活動やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を通じてブランドの存在意義に共感できるか。そのブランドが好きかどうか。

ブランド体験の強化

ボンディング強化にあたって最も因果関係が強い要素がブランド体験です。基本的に人は使い慣れた馴染のあるブランドが好きです。単純接触効果や一貫性(コミットメント)など、心理学や行動経済学でも証明されていますね。
一般的に考えられている、まずは認識変容を起こしてから行動変容を起こす手順よりも、まずは行動させる方が重要で、追って認識も変わるという事実です。世の中にも「サブスクの1ヶ月無料キャンペーン」や「無料サンプリング」がありますね。私はこの行動変容→認識変容させられることが怖いので、基本的には避けています(笑)
テーマパークの年間パスも若干近いですかね。買ってしまうと勿体ないからとりあえず行こうみたいな時があります。
最近の私の興味関心ですが、旅行や単価の高い外食など、ブランド体験の頻度が低い商材の場合、次点で体験効果があるのは、自身の体験を思い出すことです。前回の体験を写真や動画などの形に残し、良いタイミングでリマインドすることで、疑似ブランド体験ができるのではないかと考えています。

ブランド認知(エクイティ)の強化

ブランド認知で重要なのは、「知っている」ことと、「覚えている」ことです。
まず「知っている」ことですが、段階があり、ブランド・カテゴライゼーションが有名です。
ブランドカテゴライゼーション

  1. 「入手可能集合」:カテゴリーに存在する全てのブランド
  2. 「知名集合」と「非知名集合」:ブランド名を言われて知っているか、言われても全く知らないかの違いです。助成認知とも言いますね。
  3. 「処理集合」と「非処理集合」:2つの違いは”判断に必要な情報を持っているかどうか”という点。いわゆる内容理解ですね。名前は知っているけど、何をしている会社か分からないなどは「非処理集合」です。
  4. 「想起集合」と「保留集合」と「拒否集合」:
    「想起集合」は、特定のCEPやカテゴリーを思い浮かべたときに、一緒に出てくるブランドです。この時、真っ先に浮かぶものを「第1想起(Top of Mind)」と言い、選ばれる確率が最も高くなります。想起集合に入れるブランドの数は製品カテゴリーによって多少の差異はあれど、平均して2−3つ程度です。
    「保留集合」は、名前を知っていて、ある程度の情報も持っているけど、購入検討まで至らない惜しい集合です。要因としては、割高感のある価格設定、距離抵抗など購入が困難、購入者が周りにいない、検討に必要な情報が不十分などがあります。
    「拒否集合」は、検討するに値しないと判断された商品の集合体です。拒否するということは、それなりに情報処理が行われていることを意味します。以前買ったけど品質が悪かった、悪い口コミばかり目立つなど、選ばない理由が明確にある場合です。この理由を別の言い方でPOF(Point of Failure)と言い、ここを真っ先に解決しないと「想起集合」に入ることはありません。

ブランドはいかに「想起集合」に入り、「第一想起」を獲得するかが重要です。そもそもどのようなCEP(想起集合)と繋がるか?も大切ですね。
このあたりは以下の記事が参考になると思いますので良ければぜひ

最後に、「覚えている」ことについてです。なぜなら人は忘れる生き物だからです。ただでさえ情報過多な世の中、競合も日々必死にコミュニケーションしている中で、自社ブランドを覚え続けてもらい、記憶の引き出しから出やすい位置にしておくことはとても重要です。ここは頻度と意外性が重要です。この2つを満たすためには、ブランド側の言いたいことだけを発信するのではなく、生活者の関心事に登場したり、他ブランドとコラボレーションするなどが有効です。なぜキティちゃんが節操なく様々なキャラクターとコラボしているのか、私はこういう意図(効果)もあるのではと踏んでいます。笑

ブランドへの共感と好感

今後生き残るブランドは、「最高」か「最安」か「最愛」のブランドだけだ。という話を聞いた覚えがあります(どこで聞いたか忘れました)。
「最高(最も品質が高い)」と「最安(最も価格が安い)」は機能便益ですが、「最愛(最も好き)」は主に情緒便益であったり、自己実現便益から作られる感情ですね。
(以下 マクロミルさんのサイトから拝借)

昨今このあたりを強化する上で、CSRやSDGsの取り組みは企業にとって欠かせなくなりました。私自身もこれらの取り組みが、どれほどブランド・ボンディングに寄与しているのか非常に興味があります。確かに機能的な価値でどっちでも良いと思うAとBがある時、Aに子どもに優しいと書かれていたら、子どもを大切にしたい自己表現便益をくすぐられて選択すると思います。では価格がBの2倍あったら?品質がBより劣っていたら?悩ましいですね。ただ少なくともネガティブなイメージ(例えば子どもに悪影響)があると選ばない気はします。

最後に

そもそもブランド・ボンディングってどうやって測定するねん?ですが、私の会社ではアンケートで確認しています。(具体的な設問は書けませんが)
でも本当はアンケートではなくて、日々ブランドとの接点における生活者の行動量で測定できたら良いなと思います。OneIDで生活者を捉えて、購入や来店回数、Webでの検索やHP遷移、SNSのENG、メルマガの反応数などでボンディングを計測していきます。どこか取り組んでいる会社様はいないかしら。ぜひ色々と教えてほしいところです。

↓ココナラでこんなこともやっています。興味があればぜひ!
マーケティングとは?がざっくり理解できます 実務10年以上で得た実経験を基に、要点をギュギュッとお届け。

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47.リレーションシップ・マーケティングとCRMを考えよう! https://akaruimarketing.com/1424/ https://akaruimarketing.com/1424/#respond Thu, 02 May 2024 04:43:06 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1424 今後少子高齢化が避けられず、新規顧客開拓だけでは持続的なビジネスが困難な日本市場や、地元顧客にリピートされ続けないと持続できないビジネスにおいて、欠かせない概念であるリレーションシップ・マーケティング(RM)についてまと […]

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今後少子高齢化が避けられず、新規顧客開拓だけでは持続的なビジネスが困難な日本市場や、地元顧客にリピートされ続けないと持続できないビジネスにおいて欠かせない概念であるリレーションシップ・マーケティング(RM)についてまとめます。

はじめに、RMとCRMとは??

リレーションシップ・マーケティング(以後RM):
企業と顧客との継続的で良好な関係づくりを通じて、顧客生涯価値(Life Time Value)を高めていくマーケティング活動全般を指します。

カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(以後CRM):
企業やお店が顧客の個人情報(購買データなども含む)を1つのIDで管理し、データに基づいて顧客一人一人に適切なタイミングで適切なメッセージ(価値)を届け、良好な関係をつくり、ロイヤルティを高めていくマーケティング戦術のことです。
ロイヤルティは直訳すると忠誠心ですが、何を指標にするかは企業によって様々です。多いのは購入頻度やカテゴリーシェアですかね。

やや似ている両者ですが、私の中では、RMの方が上位概念で戦略的、CRMの方がより具体的な戦術の話をしている理解です。

RMについて

その前に、そもそもビジネスを大きく成長させるためには、トライアル(間口の拡大)が重要です。このあたりはこちらの記事の「ダブル・ジョパディーの法則」を参照くださいませ。

「あら?本編はリピートの話じゃなかった?」なのですが、トライアルが少ないのにリピートに注力するのは効率が悪いため最初にお伝えします。
という事でまずは、トライアルからリピートまでのカスタマージャーニーをまとめました。

ニーズを満たす△△カテゴリーのブランド◯◯の場合

  1. ブランド認知:◯◯を知っている
  2. ブランド想起:△△をしたい時に、◯◯が浮かぶ
  3. トライアル意向:◯◯を見つけたら購入したい
  4. トライアル購入:◯◯を購入した
  5. トライアル期待値:◯◯はきっとこんな感じだ ※広告情報や競合の体験記憶が基準
  6. トライアル体験:期待値と実体験のGAPで満足度(良し悪し)が決まる
  7. ブランド体験の記憶定着及び他者推奨:満足度を思い出したり、他者に拡散する
  8. 忘れる:生活の中で◯◯が出てこない、自分からも情報を取りに行かない状態
  9. リピート想起:2と同様 ※想起されるブランドの順番は変動している可能性あり
  10. リピート意向:3と同様
  11. リピート購入:4と同様だがより意思決定がスムーズで、UPセル等も期待できる
  12. リピート期待値:前回体験が基準。中級者的な遊び心も出てくる
  13. リピート体験:6と同様
  14. 7〜13の繰り返し

すべての顧客がすべての道のりを辿るわけではなく、この中のどこかで止まっているというイメージです。なので、この中から自ブランドの優先課題を特定していきます。

今回はリピートがテーマという事で、重要なポイントは5です。
意外かもですが、5で期待値を過剰に上げてしまうと、期待値と実体験のGAPがマイナスに振れてしまうため、リピートの確率がかなり下がってしまいます。※最悪、悪い評価を拡散されます。
そこで、3と4で余計に向上している期待値を現実的にしてあげる必要があります。トライアルの場合は、広告情報や競合をベンチマークにしますので、競合と比べて自ブランドはどこがどれくらい優れているか、逆にどこが劣っているかを適切に訴求し納得してもらうことが大切です。

次に重要なのは7と8です。
カテゴリーの購入頻度にもよりますが、接触頻度が少ないカテゴリーは、生活の中でそのブランドを考えることなく忘れていきます。そこをいかに生活者の関心事に沿って、ブランドの存在を思い出してもらって、いざ9の時に優先想起してもらうかが重要です。例えばアイスクリームだと、夏場は容易に想起されるブランドも、冬場は忘れられがちです。そこで例えば、暖かいこたつ(冬の関心事)の中で食べる濃厚アイス(自ブランドの強み)と訴求し、9と10に移行させていきます。間違っても夏場と同じようなコミュニケーションだと生活者はスルーします。

CRMについて

上記RMの考え方を実現する手法がCRMです。手法を分解していくと以下です。

・顧客一人一人の様々な情報を一元管理する:OneID
・顧客一人一人に適切なコミュニケーション:One to One Communication(例 メルマガ、LINE、アプリなど)
・顧客の生活に寄り添い共感を生み出す:Social Communication(SNS)
・顧客のロイヤルティに合わせたサービスの提供:ファンプログラム


どれも最近マーケティング界隈を賑やかしている印象がありますね。
本当にうまく利益に結びつけているのでしょうか。笑
実は私もRM&CRMの担当者なのですが、目的数値とKPIの因果関係などが見えにくく、ほんと日々手探りです。活躍しているRM担当者様のお話が聞きたい・・

具体事例の紹介もできればと思いつつ、それは次回にします。

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46.「嫌われる勇気」とは?アドラー心理学で、もっと生きやすい世の中になるはず! https://akaruimarketing.com/1456/ https://akaruimarketing.com/1456/#respond Wed, 01 May 2024 06:58:05 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1456 今回はアドラー心理学ブームの火付け役となった「嫌われる勇気」と、続編である「幸せになる勇気」を、ぐいっと読んで要点と所感をばばっとまとめました。(まずは嫌われる勇気) 私も10年くらい前に一度読んで感銘を受けたのですが、 […]

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今回はアドラー心理学ブームの火付け役となった「嫌われる勇気」と、続編である「幸せになる勇気」を、ぐいっと読んで要点と所感をばばっとまとめました。(まずは嫌われる勇気)

私も10年くらい前に一度読んで感銘を受けたのですが、年齢を重ねて再読したらまた異なる発見がありました。何度も見返し、実践を重ねていくことで身につくと思うので、今後も見返しやすい要約を自分で作ることにしました。

個人的要点の羅列

  • 世界及び人生はどこまでもシンプルである。複雑にしているのは「わたし」自身。
  • 人は誰しも自らが意味付けをほどこした主観的な世界に住んでいる。
  • 人は変われる、誰もが幸せになれる。
  • 目的論
    • 何かしらの目的が先にあって、達成する手段として不安や恐怖といった感情をこしらえている。
      例 引きこもり
      「外に出たくない」(目的)から、過去のトラウマ(記憶)を呼び起こしている。外に出れない自分であることで、周囲から丁重に扱ってもらえたり、その他大勢の中に埋もれ、見劣りする自分に向き合わなくてすむ。
  • 大切なのは何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである
  • ライフスタイル
    • 性格や気質のこと。施工や行動の傾向。自ら選び取るもの。つまり選び直すことも可能。
  • 勇気づけ
    • 横の関係に基づく援助のこと。他者を上から評価しない。純粋な感謝の意を伝える。人は感謝されたとき、他者に貢献できたことを知る。
    • 人は自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる。
  • 人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
  • 劣等性は客観的な事実ではなく、主観的な解釈
  • 優越性の追求
    • 向上したいと願うこと、理想の状態を追求すること
  • 劣等コンプレックス
    • 自らの劣等感をある種のいいわけに使い始めた状態
  • 優劣コンプレックス
    • 自らの劣等感が強いからこそ、優れていることを、ことさら誇示しようとする。劣等感の裏返し。
  • 人生は競争ではない。誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけば良い
  • 健全な劣等感とは、他者との比較ではなく、理想の自分との比較から生まれる
  • 対人関係の軸に競争があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れられない
  • 他者の幸福を私の負けであるかのように捉えているから、祝福ができない
  • 行動面の目標
    • 自立すること
    • 社会と調和して暮らせること
  • 心理面の目標
    • わたしには能力がある、という意識
    • 人々は私の仲間である、という意識
  • 人生のタスク
    • 仕事のタスク
      • 信用によって成立し、成果という分かりやすい共通の目標があるので協力し易い。仕事がなくなると他人の関係に戻る。
    • 交友のタスク
      • 仕事を離れた、もっと広い意味での交友関係。強制力がないため、踏み出すのも深めるのも難しい関係。
    • 愛のタスク
      • 大きく恋愛関係と家族関係。人は自分らしく自由に振る舞えると思ったときに愛を実感する。
  • 人生の嘘
    • 様々な口実を設けて人生のタスクを回避しようとする事態
  • 承認欲求を求めることを否定する。他者から承認されるため、期待を満たすために生きてはいけない。賞罰教育の影響である。
  • 課題の分離
    • 自分の課題と他者の課題を分離していく必要がある。他者の課題には踏み込まない。その選択によって起こる結末を最終的に引き受ける人は誰か?で考える。
    • 自分の最善を選ぶこと。その選択について他者がどのような評価を下すのか、これは他者の課題であって、自分ではどうしようもできない。
  • 傾向性。きわめて自然な欲望であり、衝動。
  • 自由とは、傾向性に逆らい、他者から嫌われることである。他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の自由を貫くことはできない。
  • 共同体感覚
    • 他者を仲間だと見なし、そこに自分の居場所があると感じられること。
    • 共同体の範囲は無限大。国家や人類、時間、動植物、宇宙すべてを含む。
    • わたしとあなた、自己への執着を他者への関心に変えていく。
    • わたしは共同体の一部であって、中心ではない。私はこの人に何を与えられるか?が共同体へのコミット
    • わたしは共同体にとって有益なのだと思えたときに、自らの価値を実感できる。
  • 横の関係
    • 褒めると言う行為は、能力のある人がない人に下す評価という側面がある。縦の関係の目的は能力の劣る相手を操作すること。そこには感謝も尊敬も存在しない。
    • 同じでないけれど対等
    • 劣等感は縦の関係から生じる意識
  • 自己受容
    • 自己肯定ではなく、自己受容。できない自分を受け入れる。できるように前に進む。肯定的な諦め。
  • 他者信頼
    • 他者を信じるにあたって、いっさいの条件をつけない。信頼することを恐れていたら、結局は誰とも深い関係を築くことができない。
  • 他者貢献
    • わたしの価値を実感するためになされるもの。
  • 幸福とは貢献感
    • 普通であることの勇気
    • わざわざ自らの優越性を誇示する必要はない。
  • 人生とは連続する刹那
    • われわれは、いま。ここにしか生きることができない。いま、ここが充実していればそれでいい。
    • 計画的な人生など、必要か不必要かの前に、不可能である。
    • 人生はつねに完結している
    • 人生における最大の嘘、それはいま、ここを生きないこと

所感

「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」は、中々衝撃的でした。衝撃を受けつつ、そうかもな・・と。

そこでまず便利だと感じたのは「課題の分離」でした。自分ではコントロールできない他者の評価に、いちいち神経をすり減らしても仕方がない、いっそ嫌われてもしょうがない。知らんし。というマインドは、今も心の支えになっています。

その上で、他者信頼と他者貢献で所属感を得て幸福感を得る(共同体感覚)ことは、やや難しい概念でした。
私の頭がまだ縦の関係に捕らわれているからかもしれません。。会社の仕組みが基本的には縦割りで、上司が部下を教育し、評価することが当然のような雰囲気の中、心の底から横の関係で会社の人と繋がることができていない気がします。難しい。。

なので自身のコミュニティ(共同体)の範囲が仕事に傾注していると危険ですね。心に余裕がなくなり、劣等コンプレックスの渦に巻き込まれそうになります。誰かと比較し優劣をつけても意味がないのに気にしてしまう。
一方、無垢な娘(1歳)の姿を見ると幸せを感じるのは、他者信頼(純粋な愛)と他者貢献(子育て)で所属感(家族)を得ているからだと思います。会社のメンバーを家族のように想える勇気が必要なのか・・、そういえば昔そんな自己啓発本がありました。こういう事か。

自分の幸せは自分の心が決める。自分の居場所は自分で作る。それは誰かの役に立つことで得られる。人間は平等ではないけど対等、比較しても意味がない。このあたりが個人的な本書のポイントです。10年前に読んだ時よりも多少腹落ち感があったのは、いい歳の取り方をした証ですかね 笑。
また10年後に読み返したいと思います。

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43.「ズボラコンセプト」のレシピを紹介!サクッとコンセプトを創ろう! https://akaruimarketing.com/1352/ https://akaruimarketing.com/1352/#respond Fri, 16 Jun 2023 04:28:52 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1352 ども〜。今の時期はお店で食後にホットコーヒーを注文した後、やっぱりアイスにしておけば良かったと必ず後悔します。今回はコンセプトについてまとめます。 目次 コンセプトとは戦略を簡潔にしたものコンセプトの需要確認方法まとめ […]

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ども〜。今の時期はお店で食後にホットコーヒーを注文した後、やっぱりアイスにしておけば良かったと必ず後悔します。
今回はコンセプトについてまとめます。

コンセプトとは戦略を簡潔にしたもの

まずコンセプトは、「ターゲットの悩み」に対して、「コア・アイデア(特長)」によって、「便益」することができる、「一言名称」と分解できます。

例えばこの記事のコンセプトは、以下のようになります。

ターゲットの悩み:上司に「来週までに新商品のコンセプトを考えてきて」と言われて手順に困っている人に対して、

コア・アイデア(特長):商品コンセプトとは何か、どうやって創るのか、コンセプト(需要)の確認方法などを簡潔に紹介した記事によって、

便益:5分でコンセプトの理解が深まる、

一言名称:「ズボラコンセプトのレシピ」

他事例:スタバの初期コンセプト

ターゲットの悩み:家にも会社にも気持ちを落ち着かせられる場所がなくストレスフルな人に対して、

コア・アイデア(特長):最高品質のコーヒーと共に過ごすゆったりとした空間によって、

便益:最高にリラックスできる、

一言名称:第3の場所(サードプレイス)

そうです。コンセプトとは戦略を簡潔にまとめたものです。キャッチーなので最後の一言名称に目が行きがちですが、大事なのは「誰に(Who)・何を(What)・どうやって(How)」のところです。
なので良いコンセプトを創るためには、良い戦略が必要です。戦略策定についてはこちら

コンセプトの需要確認方法

自称良い戦略を簡潔にまとめた良いコンセプトができれば、次は自他ともに認める良いコンセプトかどうかを確認したくなりますよね?
そこで登場するのがコンセプトシートによる需要確認調査です。
実際に商品やサービスのプロトタイプを一般消費者に体験&評価してもらえる事ができればそっちの方が良いですが、多くの場合、サンプルを作る前段階でも、筋の良いコンセプトかどうかを確認しておきたいところです。

コンセプトシートは、堅苦しい戦略や端的すぎるコンセプトを、もっと一般消費者でも評価しやすい文章やビジュアルに変換していきます。

ではサンプルとして、A◯B48のコンセプトシートを勝手に作成してみました。

コンセプトシートの型は企業によって様々なので一概には言えないのですが、たいてい以下の要素が盛り込まれています。

ACB(Accepted Consumer Belief):
ターゲットの悩みやインサイトの掘り起こしです。「カテゴリーあるある」のようなイメージで、導入部に入ることが多く、ここでターゲットの自分ごと化を図ります。読んだ人が「そうなのよ〜!」と共感できたら良いACBです。

一言名称:
コンセプトを端的に表す言葉や、商品名などが入ります。

コアアイデア(特長)+機能的/情緒的便益:
この商品やサービスの核心的なアイデア(特長)と、利用すると手に入る便益を記載します。

便益の根拠(具体的な要素):
便益が得られることの根拠を記載します。具体的な体験などが入ります。

トドメの一撃:
「最新」「ここでしか味わえない」「期間限定」「今だけお得」など、最後のひと押しを加えることが多いです。

イメージ:
一般消費者のコンセプト理解を手助けするビジュアルを盛り込みます。具体的な体験を想起させたり、便益を享受した自分が想像できる絵を、2−3枚程度載せます。

そしてコンセプトシートを見てもらった後は、「あなたは好きになりそうですか?」や、「あなたは応援したくなりそうですか?」など、定量化してビジネス規模を測定できる設問に回答してもらいます。
その際は試算のベースとなるベンチマークも作成して調査します。A◯Bの場合はモーニ◯グ娘とかでしょうか。ベンチマークより好意度が高ければ、このくらいのファンが付く可能性があるな。。などの参考にします。

まとめ

いかがでしょうか。「コンセプト」という言葉自体、身近すぎてふわふわしている感がありますが、なるほど戦略を端的に表したものか。と思えばしっくりきます。

そしてコンセプトの強さも、コンセプトシートに落とし込み、ベンチマークと比較すれば、簡単に推し量ることが可能です。
会社実務では何百人を対象に調査するので数百万円かかりますが、担当者レベルでパパッと作成し、知人友人に確認(情報漏えいは気をつけて)しても、個人的には有効だと感じています。
ただ、大抵ベンチマークと差がつかない、つまらないコンセプトだったと思い知らされるのですが。。

最後に私がコンセプト創りの参考にしている本を紹介します。
ヒット商品開発―MIPパワーの秘密 梅澤 伸嘉 (著)


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42.マーケティングとは知覚をめぐる戦いである!「売れるもマーケ 当たるもマーケ」 https://akaruimarketing.com/1339/ https://akaruimarketing.com/1339/#respond Fri, 09 Jun 2023 02:22:15 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1339 今回は「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則 アルライズ/ジャックトラウト 共著」の概要と所感をまとめます。 本書ではマーケティングにおける不変の法則として22の説が紹介されています。ただ、私は法則に […]

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今回は「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則 アルライズ/ジャックトラウト 共著」の概要と所感をまとめます。

本書ではマーケティングにおける不変の法則として22の説が紹介されています。ただ、私は法則によっては悩ましいと言いますか、ほんまかなぁと思うところもあります。なので自分の経験や考え方を持ちつつ、「なるほどこういう説もあるのね」と取捨選択していく感じになりそうです。
・・・そう!この思考(知覚)が第一の法則「一番手の法則」です。人は最初に知覚した事を変えることが難しい(ほぼできない?)らしいのです。私の中で凝り固まった「マーケティングとは〇〇でしょ」という知覚が入り込んでいることを認識しました。心理学の確証バイアスに近いですね。
そんな人間の本能に根付いたマーケティングの法則を一緒に紐解いていきましょう!

Oniku
Oniku

記事のGOAL
・本書の概要を理解できる
・日々の業務にどう活用できるかの示唆が得られる

所感混じりの概要

まず本書の大メッセージは、「マーケティングとは知覚をめぐる争いであって、商品をめぐる戦いではない」と言うことです。
まず「知覚」とは、外界刺激に対して自分なりの意味付けを行うことです。

知覚とはなにか?
知覚は刺激に対して意味づけを行う過程です

感じ取った外界の刺激に意味づけをするまでの過程を知覚と呼びます。 例えば熱い物に触れた時、皮膚が物理的な刺激(熱)に基づく感覚情報を受け取り、それに対して「熱い」という意味づけを行うまでの過程が知覚です。

出典:知覚とは | 三京房 心理学事典

つまりどんなに競合よりも優れた性能の商品を発売しても、それが生活者に知覚されなければ無意味(売れない)ということです。そして知覚を促すマーケティングには22の法則があり、事例を交えて紹介されています。ではそれぞれ私の所感混じりで紹介していきます。

  1. 一番手の法則
    マーケティングにおいて、自社ブランドが生活者の心の中に一番最初に入り込む(=知覚される)ことが最重要課題。既にカテゴリーNO1の競合よりも優れた性能を持つ商品を作るのではなく、競合のいない新市場を創り、かつ最初に知覚されること。結果、「◯◯カテゴリーと言えば、ブランド□□だよね」と認知され、ブランド名とカテゴリー名が同一名称で呼ばれる状況を創る。(例 バンドエイド、サランラップ、メンソレータムなど)
    背景に、最初に生活者に知覚された情報は、基本的に書き換えられることがないため。
  2. カテゴリーの法則
    一番になれない場合は、一番手になれるカテゴリーを新規創造すること。既存市場よりも新しく、生活者にとって意味のあるカテゴリーを定義し、一番手として投入する。(例 コンピューター市場に対して、ミニコンピューター。女性誌市場に対して、大人の女性誌など)
    後に出てくる「分割の法則」に通じる法則で、生活者のニーズに応じて市場が細分化されていきます。そしてドラッカーさんや元P&Gの音部さんが言うところの「マーケティングとは市場創造」という言葉に近いです。既存カテゴリーの「良い◯◯」の属性を変更し、新市場として知覚させていきます。(洗濯洗剤の例 既存:良い洗剤は白くなること → 新規:良い洗剤は除菌もできること)
  3. 心の法則
    最初に市場に参入するよりも、最初に顧客の心のなかに入りこむ方が重要。ただ、最初に市場に参入した方が最初に知覚されやすい。そして心の中には一気に入り込まなければならない。
  4. 知覚の法則
    マーケティングの世界において、存在するのは顧客の心のなかにある知覚だけである。知覚こそ現実であり、性能などはすべて幻である。
    • すべての存在は自らの知覚を通してでしか知る術はない
    • マーケティングとは知覚の操作に他ならない
    • 例として、コカ・コーラ(クラッシック)、ペプシコーラ、そしてNewコークでは、味覚評価と売上順位が正反対である。
    • 他の人の知覚をもとに購入決定する場合もある。「周知の事実の法則」
  5. 集中の法則
    見込み客の心のなかに、ただ一つのシンプルで使用可能な言葉を植え付ける
    例 BMW:走行性、フェデル・エクスプレス:翌日配送、IBM:コンピュータ、ハインツ:どろりとしたケチャップ
    →言葉の種類は「利点」「サービス関連」「顧客関連」「セールス関連」など
    • 言葉が永久に持ちこたえることは難しいため、変更が必要なときが来る。事業の拡大に応じて新しい言葉を植え付けていく
    • 競合が所有している言葉を使用してはいけない。相手の立場を強固にしてしまうだけ。
  6. 独占の法則
    二つの会社が顧客の心のなかに同じ言葉を植え付けることはできない。
    消費者リサーチの結果を見て、カテゴリーで最も重要な言葉(しかし競合が所有済)を手に入れようとして失敗することが多い。例 バーガーキングがマクドナルドの「ファスト(早い)」を奪おうとしたが、敢え無く失敗。
  7. 梯子(はしご)の法則
    ブランドが採用すべき戦略は、生活者の心のなかにある梯子の何段目にいるか*で決まる。(*カテゴリーの非助成想起で登場した順番)
    • NO1、NO2それぞれに取るべき戦い方がある。
    • 一般的に生活者は、カテゴリーにおける自己の梯子に合致する新しい情報のみ受け入れる。
    • マーケットシェアと梯子の位置は相関関係にある
    • 「エボークトセット」に考え方が近いですね。想起の順位に応じて選ばれる確率が変化します。参考記事:顧客の「意味のある認知(エボークトセット)」を理解しよう
  8. 二極分化の法則
    長期的にあらゆる市場は二頭の馬の競争になる。(一番と二番しか生き残れず、三番手以降は消滅する)
    • 古くから信頼されているトップブランドと新進気鋭のNO2ブランド
    • トップブランドは、カテゴリーのライトユーザーを多く取り込む
    • NO2ブランドは、NO1ブランドを好まないユーザーを取り込む
  9. 対立の法則
    梯子の順位を上げる時の戦略は、NO1ブランドの在り方によって決まる。
    それは、NO1の強みを弱みに転じることである。NO1の選ばれる理由を見つけ出し、それとは反対の理由を提供すること。
    例.「王道/伝統」のコカ・コーラに対して、「新時代」のペプシコーラとして訴求し、コカ・コーラを古臭いものとしてネガティブキャンペーンを展開した。
  10. 分割の法則
    時の流れとともに一つのカテゴリーは、二つ以上のカテゴリーに分かれていく
    • おのおののカテゴリーは、区別された個別の存在
    • 新しく分割されたカテゴリーには、それぞれ異なるブランド名を使用するべき。例 トヨタ→レクサス。ポッキー→バトンドール
    • 同じブランド名を使用したライン拡張は、既存のブランドの言葉が新カテゴリーの知覚を阻害してしまうだけではなく、既存ブランドの言葉も薄めてしまう。
  11. 遠近関係の法則
    マーケティングの効果は、長い時間を経てから現れる。そして長期的な効果は、短期的な効果とは正反対である。
    • 値引き販売
      短期的には売上が増加するが、長期的には顧客の購入単価が下落してしまうため、売上が減少する。
    • 製品のライン拡張
      短期的には製品数の増加により売上は増加するが、長期的にはお互いの製品特徴を打ち消し合い売上が現象する。
      例 ミラービールがブルーカラー向けのビールで成功した後、エリートサラリーマン向けビールを同じブランド名で発売し、最後は両方売上減少。
  12. 製品ライン拡張の法則
    生活者の心のなかに入り込むためには焦点を絞らなければならない。特に一度入り込んだ(成功した)ブランドは、長期的に見ると拡張商品がブランドの知覚を阻害し、弱体化させる。
  13. 犠牲の法則
    何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない。
    ・製品ライン
    ・ターゲット市場
    ・絶えざる変更
  14. 属性の法則
    あらゆる属性には、それとは正反対の優れた属性がある。顧客にとって重要な親属性を確保し、訴求する。
    例 歯磨き粉:虫歯予防(味が悪い)⇔味が良い、白くする
  15. 正直の法則
    自分のネガティブな要素を認めたら、顧客はポジティブな評価を与えてくれる
    コツは、既に広く顧客の中にある知覚を利用すること

    例「うちは空いているので、並ばずに乗れますよ」スペイン村
     →応援してやろう!
     「1日に2回嫌な(薬臭い)お味を」リステリン
    →良薬口に苦しだな。それだけ殺菌効果が高いのだろう
  16. 一撃の法則
    マーケティングにおいて、ただ一つの動きが重大な結果を生む。それは一回限りの大胆な一撃である。それを見極めるには、市場に足を運んで何が起こっているのかを観察・理解する必要がある。
  17. 予測不能の法則
    未来についての仮説はたいてい失敗する。それは競合の動きが見えないためである。しかしトレンドを掴むことは可能。
  18. 成功の法則
    成功は怠慢に繋がり、失敗につながる。理由は客観性を失い、自己の判断を市場のニーズと混同してしまうため。結果、成功した商品/ブランドは、何でも顧客が受け入れると勘違いしてライン拡張してしまう。
  19. 失敗の法則
    失敗に気づいているにも関わらず、ズルズル先延ばしにして傷口を拡げてしまうことが多い。損切りの難しさは、判断した担当者個人のキャリアに傷をつけてしまう懸念から起こる。そうならないようにするために、失敗を歓迎する仕組みや、個人の責任にしないことが重要。
  20. パブリシティの法則
    実態は、マスコミに現れる姿とは真逆であることが多い。マスコミの成功=マーケティングの成功とは限らない。マスコミが取り上げたい情報と、生活者が知りたい情報は必ずしも一致しない。
    例 マスコミは最新のテクノロジーなどを好んで扱おうとするが、多くの生活者は関心がない。
  21. 成長促進の法則
    流行(ブーム)とトレンドは違う。流行は見えやすいが、トレンドは変化が緩やかなため見えにくい。マーケティングではトレンドを掴むことが重要。流行は、時として過ぎた後に在庫過多などの問題を発生させる。流行をトレンドにする方法は、敢えて流行に水をさすこと。無理して拡大せず、成長を緩やかにして長期トレンドにしていく。
  22. 財源の法則
    しかるべき資金がなければ、アイディアも持ち腐れる。

まとめ

改めてですが、大事なことは「マーケティングとは知覚をめぐる争いであって、商品をめぐる戦いではない」と言うことですね。マーケティングは市場創造(儲かる仕組み創り)ですが、「市場創造とは、モノやサービスを通じ、生活者に新しい知覚を植え付けて、良い◯◯(カテゴリー)の定義を変化させ、「欲しい!」という気持ちにさせて購入してもらうこと」と解釈できそうです。

また本書では同名称での製品ライン拡張に対して反対の立場を取っていますが、どうでしょう?。個人的には成功したブランドの強みを活かして拡張できるのであれば、ライン拡張もアリだと思っています。例えば無印良品は、シンプルで上質なライフスタイルを提供してくれるブランドだと思っていますが、雑貨や衣服だけではなく、最近では食料品やホテルにまでライン拡張しています。でも本書で書かれているような知覚の弱体化は起こらない気がします。もしユニクロみたいに有名デザイナーとコラボのような事を始めると、「シンプル」という言葉(知覚)と相反して、ブランド本体の弱体化が起こりそうですね。なのでこのライン拡張は顧客視点で引き続き検討していきたいところです。

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