マーケティング思考の活用 - 明るいマーケティング https://akaruimarketing.com マーケティング思考を身につけて、自分や周囲を好転させよう! Sun, 21 Dec 2025 07:18:48 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9 https://akaruimarketing.com/wp-content/uploads/2023/01/cropped-2_6_9_0_255_187_18_63_49_0_0_11_p0-32x32.png マーケティング思考の活用 - 明るいマーケティング https://akaruimarketing.com 32 32 62.未来を予測する脳に対して、予想を超える広告、予想通りの広告の役割とは? https://akaruimarketing.com/2069/ https://akaruimarketing.com/2069/#respond Sun, 21 Dec 2025 07:13:15 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=2069 なぜ「意外性のある広告」は記憶に残り、「予測どおりの広告」は安心するのでしょうか? 私たちの脳は、常に“未来を予測しながら”世界を処理しているそうです。 歩くときも、会話するときも、広告を見るときも——脳は次に起こること […]

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なぜ「意外性のある広告」は記憶に残り、「予測どおりの広告」は安心するのでしょうか?

私たちの脳は、常に“未来を予測しながら”世界を処理しているそうです。

歩くときも、会話するときも、広告を見るときも——
脳は次に起こることを先回りして想像し、その予測と現実のズレを使って学習しています。

この仕組みを理解すると、
「なぜ面白い広告が刺さるのか」
「なぜ一貫性のある広告がブランドを強くするのか」
がひとつの線でつながりますね。

この記事では、脳科学の“予測処理”という考え方を軸に、広告とブランドの働きをわかりやすく整理してみます。

人の脳は「予測マシン」である

現代の脳科学では、
脳は外界を受動的に処理しているのではなく、
つねに“次に起こること”を予測しながら世界を理解している。と考えられている(予測処理理論)。

そのため脳は、日常のほとんどを“予測の一致”として処理し、ほんの一部の“予測外れ”に強く反応します。

ポイントはこの2つ:

予測どおり=安心・信頼・エネルギー節約

予測外れ=注意喚起・感情喚起・記憶強化

この仕組みは、人が広告を見るときにもフルに機能。

なぜ意外性のある広告は刺さるのか?

広告を見ているとき、脳は自動的に先の展開を予測します。

この表情は感動系だな

この音の入り方は商品のドン落ちだな

この構図はよくあるパターンだな


ところが——
その予測を裏切られた瞬間、「予測誤差」が発生します。

これが “笑い” や “驚き” の正体であり、
脳は一気に注意と記憶を強化します。

予定調和を崩す広告が記憶に残るのは、
脳の構造そのものに働きかけているから。


SNSでズラした表現や変な広告が強いのもこのためですね。


一方で、強いブランドは「予測一致の反復」で作られます。

面白いのはここから。

驚きは“瞬間的な強さ”を生むが、
ブランドを強くするのはむしろ 予測どおりであることの反復 です。

なぜなら——

予測が当たると脳は安心する

一貫性は“信頼モデル”をつくる

同じ世界観の繰り返しは脳内で強い結線(神経回路)をつくる


ロゴ、色、言葉、体験、価値観……
こうした要素が一貫して積み上がることで、
「そのブランドらしさ(ブランド・スキーマ)」が消費者の脳に形成されます。

この繰り返しが
ブランド想起・指名買い・ロイヤルティ を生むのです。

では“予測一致”と“予測外し”はどう組み合わせればいい?

よく言われる 80%(一致) × 20%(外し) は、厳密な科学値ではないです。

ただし、

脳は大部分の安定を求め、
少しの意外性に強く反応する

という構造と、
デザイン・クリエイティブ・ブランドの実務知見を総合すると、

「大部分で一貫し、一部で意外性を入れる」

これが最も効果的だという経験則にたどり着きまます。

数字は象徴だが、
“多数の一致 × 少数のズレ” の構造こそが本質。

まとめ:ブランドは「予測」で動かし、時々「裏切り」で伸ばす

この記事で見てきたように、

● 予測一致

信頼

安心

一貫性

世界観の定着

ブランド資産の蓄積


● 予測外し

注意喚起

驚き

感情の動き

記憶強化

話題化


この2つは対立ではなく 補完関係 にあります。

ブランドは“予測どおり”で好意をつくり、
“予測外れ”で記憶をつくる。

予測する脳を理解すると、
ブランド体験を「脳の構造に沿ってデザインする」ことができそうですね。

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61.マーケティング初心者の方が強くなるための、マーケティングリサーチ入門 https://akaruimarketing.com/2090/ https://akaruimarketing.com/2090/#respond Sun, 14 Dec 2025 12:22:15 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=2090 目次 なぜマーケティングリサーチは「とっつきにくい」のかマーケティングリサーチの役割とは?顧客は「定量」と「定性」に分けると見えやすくなる。リサーチは「戦略ストーリー」を骨太にするいつマーケティングリサーチをやるべきか? […]

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なぜマーケティングリサーチは「とっつきにくい」のか

マーケティングリサーチと聞くと、

  • 数字が多くて難しそう
  • 専門家がやるもの
  • 時間もお金もかかり、面倒

そんなイメージを持つ人は少なくありません。実際、「関心が低い」「知識が不十分」と感じている人が多い気がします。

ですが、結論から言うと、マーケティングリサーチは初心者こそ知っておくべき武器です。

なぜなら、リサーチはマーケティングで最も重要な「顧客理解」を、一気に前進してくれるからです。

この記事では、

  • マーケティングリサーチの役割
  • やることで得られるメリット
  • いつ・どんな課題に・どんなリサーチが向いているか
  • 初心者が陥りがちな注意点

を、できるだけシンプルに解説していきます。

マーケティングリサーチの役割とは?

リサーチの目的は「顧客理解を深めること」

マーケティングのゴールは、極端に言えば「顧客に選ばれ続ける仕組み作り」です。

そのために最重要なのが、顧客を正しく理解すること。

マーケティングリサーチの役割は、この顧客理解を

  • 感覚ではなく
  • 思い込みでもなく
  • 事実(ファクト)として明らかにすることです。

顧客は「定量」と「定性」に分けると見えやすくなる。

顧客理解は、大きく2つに分解できます。

  • 定量情報(数字で捉える顧客)
    • 何%の人が知っているのか(間口)
    • どれくらいの頻度で使っているのか(奥行)
    • 他社と比べてどちらが選ばれているのか(シェア)
  • 定性情報(意味・認識で捉える顧客)
    • なぜそれを選んだのか
    • どんな不満や期待を持っているのか
    • どんな気持ちで使っているのか

数字だけでも、意識だけでも不十分。両方を行き来することで、顧客像は一気にクリアになります。

リサーチは「戦略ストーリー」を骨太にする

もう一つ、リサーチの重要な役割があります。

それは、戦略や企画のストーリーをファクトで支えることです。

  • 「たぶんこうだと思う」
  • 「経験上、こうじゃないか」

ではなく、

  • 「データ上、こうなっている」
  • 「顧客の声として、こう語られている」

と言えるようになる。

これにより、

  • 個人の主観に引きずられにくくなる
  • 上司や関係者との議論が建設的になる
  • 説得力が格段に上がる

という効果が生まれます。

(「上司に負けない」場面が増えます)

いつマーケティングリサーチをやるべきか?

よく悩むのが、

「そもそも、いつリサーチをやればいいの?」という点です。

代表的なタイミングを整理してみましょう。

① 戦略や方針を考える前

  • 誰をターゲットにするか
  • どんな価値を提供するか

こうした上流の意思決定ほど、リサーチの価値は高くなります。

なぜなら最初の前提がズレていると、その後の施策がすべてズレるからです。

② 課題の正体が分からないとき

  • 売上が落ちている理由が分からない
  • なぜ選ばれていないのかが曖昧

この状態で施策を打つのは、暗闇で矢を放つようなもの。

リサーチは、「何が本当の課題か」を仮説検証し、特定するために使います。

③ コンセプトや施策の力を検証したいとき

  • この打ち出しは響きそうか?
  • この価格は高すぎないか?

思いついたアイデアを、そのまま実行する前に、

小さく確かめるのもリサーチの大事な役割です。

課題別|どんなリサーチが向いているか

ここでは、初心者が押さえておきたい代表的なリサーチを紹介します。

課題① 市場や顧客の全体像を知りたい

向いているリサーチ

  • 定量調査(アンケート調査)

分かること

  • 認知率・利用率・満足度
  • セグメントごとの違い

まずは全体像を掴む。地図を持つイメージです。

課題② なぜそうなっているのか知りたい

向いているリサーチ

  • 定性調査(インタビュー、デプスインタビュー)

分かること

  • 選択理由
  • 本音や感情
  • 数字の裏側

アンケートで見えた結果の「理由」を深掘りします。

課題③ アイデアや仮説を磨きたい

向いているリサーチ

  • 簡易アンケート
  • コンセプト需要調査

分かること

  • 伝わりやすさ
  • 違和感の有無
  • 改善のヒント

完成度を上げるための壁打ちとして使います。

ケーススタディ|実務でどう使われるのか

ケースを読む前に|ここで見てほしいポイント

ここから紹介するケーススタディでは、

単に「どんな調査をしたか」ではなく、リサーチによって何がどう変わったのかに注目してください。

見るポイントは3つです。

  1. 最初の課題は何だったのか(何が分からなかったのか)
  2. どんなリサーチを行ったのか(定量か、定性か、その組み合わせか)
  3. その結果、意思決定がどう変わったのか

この3点を意識すると、

マーケティングリサーチが「調べる行為」ではなく、

判断の質を上げるための道具だと分かるはずです。

ここからは、より実務に近いイメージを持ってもらうために、マーケティングリサーチがどのように使われるのかをケースで見てみましょう。

ケース① 売上が伸び悩んでいる理由が分からない

よくある状況

  • 広告費は増やしているのに売上が伸びない
  • 営業や上司からは「商品の魅力が弱いのでは?」と言われる
  • しかし、何が問題なのかは誰も説明できない

ありがちな失敗

  • とりあえず広告表現を変える
  • 値引きやキャンペーンを打つ

リサーチでやったこと

  1. 定量調査で、認知・理解・購入意向を把握
  2. 定性インタビューで、非購入理由や購入理由を深掘り
    ※買わない理由は直接聞いても出てこないので注意

分かったこと

  • 認知は十分にある
  • 商品理解が途中で止まっている
  • 「自分向けの商品だと思えない」という心理的ハードルがあった

意思決定につながったこと

  • 広告の問題ではなく、訴求軸とターゲット設定のズレだと判断
  • クリエイティブ改善ではなく、戦略側の見直しに踏み切れた

👉 リサーチが「打ち手選び」を間違えないための役割を果たしたケースです。

ケース② 上司と意見が割れて企画が進まない

よくある状況

  • 自分はA案が良いと思っている
  • 上司は経験からB案を推してくる
  • 議論は平行線で、最後は権限でBに決まる

リサーチでやったこと

  • コンセプト案A・Bを簡易アンケートで評価
  • 「魅力度」「分かりやすさ」「選びたい理由」を比較

分かったこと

  • 魅力度はA案が優位
  • ただし理解度はB案が高い
  • A案は表現を改善すれば伸び代が大きい

意思決定につながったこと

  • A案をベースに、分かりやすさを補強する方向で合意
  • 個人の好みではなく、データを軸に議論できた

👉 リサーチは「誰が正しいか」ではなく「何が最適か」に議論を変えてくれます。

ケース③ 顧客像がふわっとしている

よくある状況

  • ペルソナは作っているが、正直ピンとこない
  • 社内で顧客イメージがバラバラ

リサーチでやったこと

  • 定量調査で顧客をいくつかのタイプに分類(クラスター分析)
  • 各タイプに対して定性インタビューを実施

分かったこと

  • 同じ商品を買っていても、重視点がまったく違う
  • 伝えるべき価値がセグメントごとに異なる

意思決定につながったこと

  • メインターゲットを明確に定義
  • コミュニケーションの優先順位が揃った

👉 定量と定性を組み合わせることで、顧客像が一気に立体化します。

ケースから学ぶ|リサーチ活用の考え方

ここまでのケースを、少しだけ抽象化して整理してみましょう。

① 課題の種類によって、やるべきリサーチは変わる

  • 「何が起きているか分からない」→ 定量で全体像を掴む
  • 「なぜそうなっているか分からない」→ 定性で理由を深掘る
  • 「どちらが良いか決められない」→ 比較型の評価調査

課題が違えば、最適なリサーチも違います。

② 定量と定性は、セットで考えると強い

  • 定量だけだと、理由が分からない
  • 定性だけだと、どれくらい重要か分からない

ケース③のように、

定量で分けて、定性で理解することで、顧客像は立体的になります。

③ リサーチは「施策」ではなく「判断」を変えるもの

どのケースでも共通しているのは、

リサーチの結果によって

  • 打つべき施策
  • 議論の論点
  • 合意の取り方

が変わっている点です。

マーケティングリサーチの本質は、正解を出すことではなく、間違えにくくすることだと言えます。

初心者が知っておきたいリサーチの注意点

最後に、マーケティングリサーチで失敗しがちなポイントをまとめます。

注意点① 仮説なしでやらない

「とりあえず聞いてみる」は、

  • 聞くことがブレる
  • 何も判断できない

という結果になりがちです。

最低限の仮説を持ち、確かめるためにリサーチをする。

これだけで、得られる学びは大きく変わります。

注意点② 数字は「比較」して初めて意味を持つ

  • 前年比
  • 他社比較
  • セグメント比較

単体の数字だけを見ても、判断はできません。何かと比べて初めて、良い・悪いが見えてきます。

注意点③ リサーチは意思決定のために使う

リサーチの目的は、

  • きれいな資料を作ること
  • 調査をやった事実を作ること

ではありません。

次にどう判断し、どう動くかを決めるためにあります。
「この結果を見て、何を決めるのか?」を常に意識しましょう。

おわりに|リサーチはマーケターの思考を自由にする

マーケティングリサーチは、

マーケターを縛るものではなく、自由にするものです。

  • 思い込みから解放され
  • 議論に根拠が生まれ
  • 自信を持って判断できる

最初から完璧にやる必要はありません。

小さく、シンプルに、顧客を知る一歩として使ってみてください。

きっと、マーケティングが少し楽しく、少し強くなるはずです。

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60.レセプティブモーメントとカテゴリーエントリーポイントで考える、ブランディングの本質 https://akaruimarketing.com/2084/ https://akaruimarketing.com/2084/#respond Sat, 13 Dec 2025 12:38:15 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=2084 ブランディングの議論で、 という言葉が出てきてませんか?? しかし実務の現場では、 が曖昧なまま語られていることも多いですよね。 この記事では、両者の違いと関係性、そしてブランディングにおける役割を整理します。 目次 レ […]

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ブランディングの議論で、

  • レセプティブモーメント
  • カテゴリーエントリーポイント(CEP)

という言葉が出てきてませんか??

しかし実務の現場では、

  • 「結局、何が違うのか」
  • 「どちらを重視すべきなのか」
  • 「ブランディングとどう関係するのか」

が曖昧なまま語られていることも多いですよね。

この記事では、両者の違いと関係性、そしてブランディングにおける役割を整理します。


レセプティブモーメントとは何か

レセプティブモーメントとは、
生活者が特定の情報を受け取りやすい心理状態・瞬間のことです。

重要なのは、この時点で人は

  • 問題を完全に解決しようとしていない
  • 比較・検討を始めていない
  • 意思決定モードに入っていない

という点です。

例えば、

  • 仕事で疲れて帰る電車の中
  • 夜、ぼんやりスマホを眺めている時間
  • 将来に対して漠然とした不安や違和感を感じている瞬間

こうした場面では、人は無意識レベルで

「答え」ではなく「ヒント」

を求めている。

ここで起きているのは、
悩みの解決ではなく、悩みの言語化や意味づけ

だからレセプティブモーメントでは、

  • 機能説明
  • 優位性比較
  • 論理的説得

よりも、

  • 共感
  • 世界観
  • 問いの立て方

の方が圧倒的に届きやすいと言われています。


カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは何か

一方、カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、
ある状況や欲求に直面したとき、解決するためにカテゴリー及びブランドが想起される入口の瞬間のことです。

例えば、

  • 結婚を機に暮らしを見直す
  • 子どもが生まれ、将来を考え始める
  • 今の住まいが手狭だと感じる

この段階になると、人はこう考え始める。

「これは住み替え(住宅カテゴリー)で解決する話だな」

ここで初めて、

  • 検索
  • 比較
  • 検討
  • 行動

が始まります。

つまりCEPは、行動のスイッチそのものではなく、行動が始まる直前に起きる“カテゴリー及びブランド想起のスイッチ”と言えます。


両者の決定的な違い

両者の違いを一言でまとめるとこうなる。

  • レセプティブモーメント:
    「今、この人は話を聞く状態か?」
  • カテゴリーエントリーポイント:
    「何を解決したい時に、このカテゴリーが思い出されるか?」

この2つは対立概念ではなく、カスタージャーニーのタイミングが異なる概念だと理解すると分かりやすいですね。


ブランディングにおける両者の関係

ブランディングの観点では、
カテゴリーエントリーポイントで想起されるための準備を、レセプティブモーメントで行うことになります。

人はCEPの瞬間に、

  • 深く考えない
  • 情報を精査しない
  • ゼロから学ばない

ただ、過去に触れた記憶を検索するだけです。

だから重要なのは、

CEPは結果、その前にいかにブランドを刷り込むか

という点になる。

ブランディングとは、

将来のカテゴリーエントリーポイントで
自ブランドが一番に想起されるよう、
日常的なレセプティブモーメントにおいて
意義性や差別性、世界観やブランドらしさを沈殿させておく活動

と言い換えることができます。


住宅ブランドの例で考える

例えば、
「自分に戻れる、リラックスできる家」という価値提案を考えてみましょう。

レセプティブモーメント

  • 仕事で疲れた帰り道の電車の中
  • インサイトは
    • 心身の疲れを癒したい(リラックスしたい)
    • 本来の自分に戻りたい

この時に伝えるのは、

  • 家の性能
  • 価格
  • 比較優位

はあまり入ってこないですよね。

「あなたの感性に合った解放感のある家がある」

という抽象的な世界観の提示で十分です。

受け取り方は、

「なんかいいな」
「この考え方、好きかも」

程度でいいのです。

ブランド名も
「◯◯ハウスだった気がする」くらいで問題ないです。

カテゴリーエントリーポイント

そして、

  • 結婚、出産
  • 住み替え検討

というタイミングが来たとき、
人は初めて「住まい」というカテゴリーで解決することを検討し、その瞬間にふっと立ち上がるのが、

「そういえば、自分に戻れる家って言ってたブランドがあったな」

という記憶。
これが、レセプティブモーメントで仕込まれたブランドが、CEPで回収される瞬間です。


なぜブランディングは“すぐ売れなくていい”のか

この構造を理解すると、

  • ブランディングは効果が見えにくい
  • すぐ売上につながらない

と言われがちな理由も見えてきますよね。

ブランディングは、

  • 検討していない時期
  • 買う気がない瞬間

にこそ重要で、実行されるからです。あくまで認識や態度変容が目的で、即座の行動変容までは期待していない。

しかしその蓄積がなければ、

  • CEPの瞬間に思い出されない
  • 比較の土俵にすら立てない

という事態が起きます。


まとめ

  • レセプティブモーメントは、意味が沈殿する瞬間
  • カテゴリーエントリーポイントは、記憶が呼び出される瞬間
  • ブランディングとは、CEPで想起されるために、CEP以前の時間を耕す活動

ブランディングとは、「いつ売るか」ではなく、

「いつ、どう思い出されるか」を設計すること

だとも言えそうですね。

ブランドについてはこちらの記事も参考ください。

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59.ブランディング課題を、SNSとAIと「らしさ」の破壊で解決しよう!と思う。 https://akaruimarketing.com/2071/ https://akaruimarketing.com/2071/#respond Sat, 29 Nov 2025 05:50:11 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=2071 目次 ブランディングとSNSとAIと「らしさ」の破壊SNS活用:「ほっかほっか亭」さんSNS活用:PinterestさんAI活用:アルビオンさん生成AIのリスク「らしさ」の破壊:シャウエッセンさん感想 ブランディングとS […]

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ブランディングとSNSとAIと「らしさ」の破壊

ブランド/ブランディングとは、消費者の頭の中で、独自便益を中心に他のモノやサービスとは区別されている状態/活動ですが、近年そこに一役買っている機能がSNSとAIですね。そして「ブランドらしさ」をあえて壊すことでインパクトが出た事例も。
これらのテーマでいくつか企業の話を聞く機会がありましたので忘れないようにまとめます。

SNS活用:「ほっかほっか亭」さん

消費者の声を最も聴いている部門がマーケティングをリードするべきという考えのもと、SNSチームを事業の中枢に据えているそうです。
そこでは「誰かが傷つかない投稿であればOK」という比較的緩めのルールで、社内の若手を中心にユニークな投稿が実施され、結果 広告宣伝費を約50%削減できた上に、SNS ブランディングによって売上は拡大傾向にあるそうです。

ほっかほっか亭 SNS戦略
目的:好意的な純粋想起
目標:・近い距離感の醸成
   ・UGCの最大化
   ・ブランド好意の醸成
   ・LTVの向上
   ・ブランド ロイヤルティの強化
獲得したいイメージ:
誠実、親しみ、応援したくなる、親近感がある、遊び心を感じる
企画方針:・人間味が伝わる
     ・ストーリー性がある
     ・双方向のコミュニケーションがある
キーワード:・誰もブランドには興味がない前提
      ・誰も広告には興味がない前提
      ・SNSを事業の中心に
      ・包み隠さない、オープンなスタンス

事例:ロゴの開発者を探せ、万博のワンハンド弁当、クレームも含めて小まめなリプライ

SNS活用:Pinterestさん

最近話題のSNSのような検索エンジンのような、、新しいプラットフォームですね。
ピンタレスさん曰く、デジタル広告・ECの多様化や物価高も相まって、「じっくり検討型消費」が増加しているようです。
なのでショッピングジャーニーがとても複雑で長くなっており、企業側としては狙いを定めることが困難になってCPAが悪化しているとのこと。
そこで重要視されているのが「キュレーション」。AIが自分にぴったりな商品やサービスだけを間引いて提案してくれるプラットフォームに人が集まっています。
Pinterestは、「自分にあう商品や見つけられる場所」を目指し、従来のSNSに多いヒト軸ではなくモノ・コト軸。フロー型ではなくストック型に特化したSNSとして急成長(日本でもすでに1280万人利用)しているそうです。
「自分にぴったりな広告はもはやコンテンツ」である。という言葉が印象的でした。事前の商品知識がなく関与の高い商材、例えば住宅と相性が良さそうなプラットフォームだなと感じました。

AI活用:アルビオンさん

ポール&ジョーやアナスイの化粧品販売をしている会社さまなのですが、対面販売が重要視されている業界で、AIの担うべき役割は何か?というテーマで面白かったです。
結論、顧客との接点増(365日・24時間・多言語対応)と、AIだから気軽に聞ける質問が増え、総コミュニケーション量がかなり増えたそうです。それに合わせて売上やCVRも向上したということなので興味深い。
最近AIに深い悩みを相談する女性が増加している話を聞きますが、AIに相談することへの慣れに加え、AIだからこそ話せる本音などもあるのかもしれません。
幸せや自分らしい暮らしなど、重要だけど人に相談しにくい話が関連する業界は、幸せについて共に考える哲学AIなど検討したら面白いかもしれませんね。

生成AIのリスク

ここでは著作権と炎上リスクについて参考になりました。
著作権
・勝手に機械学習させても良いのか?:現状 日本は商用OKだそうです。
・出力したクリエイティブは誰のもの?:AIで自律的に制作したものに著作権は発生しないそうです。ただし人が修正を加えたり、創作的な表現の道具としてAIを使ったと認められた場合は著作権が発生するので要注意
・他と近似性がある場合は?:依拠性(参考にしたのか)と類似性がある場合はアウトです。AIの場合は知っていて意図的に入力し、出力した場合や、学習データに著作物が入っていたらアウトです。

クレーム、炎上リスク
海上保安庁のAIアニメ広告や子供の手紙を作成サポートするGoogle広告では、なぜAIが人の仕事や創造性を奪うのか?という点で炎上し、最後は取り下げる自体に。法律上問題なくても、生活者心理を逆撫ですると即ブランド毀損につながるので要注意です。

「らしさ」の破壊:シャウエッセンさん

年間800億円を売り上げる、日本ハムさんのメガブランドですね。知らない人はいないのではないでしょうか。
このブランドが今年発売した「夜味」がとても話題になり、マーケティング・オブ・ザ・イヤーも受賞されていましたね。
一見すると、いわゆるオケージョンを増やすためのブランド拡張な気がするのですが、大成功の裏の仕掛けを聞くと納得感がありました。
背景課題
コアユーザーの高齢化による若年層の取り込み、朝以外のオケージョン獲得が課題
戦略
シャウエッセン「らしさ」をことごとく打ち破ることにチャレンジ
・従来のコアターゲットを無視:50代以上の女性から、30−40代の男性をコアターゲットに
・従来の食シーンを無視:朝食にシャウエッセンを!と売り込み続けてきたが、真逆の夜シーンにチャレンジ
・ネーミング:味のわからない「夜味」として発売。安心や美味しさを重視する食品業界ではタブー視されていた。
・広告:一方的なマス広告だけではなくSNS(UGC)を重視。話題化を目的にSNSとPRを強化。
例 ティザー広告(X)、TVCMでも味のことを一切話さない
・調理方法:ずっとこだわっていた「ボイル」ではなく、より実態に近い「焼き」を推奨。訴求方法もコミカルに。(実は社員の88%が焼いて食べていました)

感想

SNS運用は以前2年間ほど担当していたので、重要なことやポイントは分かるのですが、なかなか成果に結びつかなかったなぁと思い出しました。今回の話を聴いても、そうだよね。と思いつつ、何が自分に足りなかったのだろうか?までは分かりませんでした。ただ今後SNSと、更にAIがブランディングに大きく影響してくることは間違いなさそうなので、今後も注視していきたいところです。
話として興味深かったのはシャウエッセンの夜味ですね。ブランドの「らしさ」を打ち破ることは、社内的にもとてもハードルが高かったと思いますし、そう話してました。
でも別ブランドで出してもインパクトが出ずに売れなかったのだろうと思います。個人的に似た話ではコーヒーブランドのBOSSが紅茶出しましたよね。なんでだろう?と思いましたが、この??が今の時代 重要なのかもしれませんね。言うは易しですが。。



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https://akaruimarketing.com/2071/feed/ 0
58.「愛のマーケティング」とは、生活者に関心と思いやりを持ち、価値として返す営みではないか https://akaruimarketing.com/2036/ https://akaruimarketing.com/2036/#respond Mon, 13 Oct 2025 01:54:28 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=2036 マーケティングのゴールは認識・態度・行動を変化させる、つまり「人を動かすこと」だと言われています。おや、人を動かす普遍のテーマと言えば、、、「愛」ですよね?笑今回はマーケティング思考に「愛」を盛り込んでみようという試みで […]

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マーケティングのゴールは認識・態度・行動を変化させる、つまり「人を動かすこと」だと言われています。
おや、人を動かす普遍のテーマと言えば、、、「愛」ですよね?笑
今回はマーケティング思考に「愛」を盛り込んでみようという試みです。
つまり↓↓

マーケティングの本質は、「人を愛すること」ではないか。

「そこに愛はあるんか?」
少し変な感じに聞こえるかもしれませんが、「愛」という視点でマーケティングを捉え直すと、企業と生活者の関係性やブランドの在り方が、驚くほどクリアになりました。

認識の愛:生活者への関心と理解

まず「愛」は、認識の愛行動の愛の2つに分けて考えることができると考えました。
まず認識の愛とは、対象に関心を持ち、思いやりを抱くことです

認識の愛

  1. 関心:対象に興味を持って、注意を向けること
  2. 思いやり:対象の幸福や安心、成長に寄り添う気持ちがあること

マトリクス

思いやり
あり
思いやり
なし
関心 あり愛(恋愛、友情、親子愛、自愛)嫌悪・反感(嫌いな人を気にする)
関心 なし慈善・形式的思いやり(募金、八方美人)無関心(存在を気にしない)

対象者には自分(自愛)も含まれます。

愛のキャパシティ

人間が関心を持てる対象には限界(キャパシティ)があることを覚えておくと良いですね。

参考 ダンバー数

ダンバー数とは、人間が安定的な社会的関係を維持できる上限人数を指します。
1990年代に、英国の人類学者ロビン・ダンバー(Robin Dunbar)によって提唱されました。

彼は霊長類の脳(特に前頭前野)の大きさと社会集団の規模の関係を研究し、人間の場合、その上限がおよそ150人になると導き出しました。

ダンバー数の構造(「同心円モデル」)

関係性人数の目安特徴
5人ごく親しい関係(家族・親友)約5人深い信頼・頻繁な接触・強い情緒的結びつき
15人親密な関係約15人定期的に連絡を取り合う・支え合う仲
50人良い友人約50人パーティーに呼ぶ・近況を知っている
150人意味ある社会的関係約150人名前や顔、関係性を覚えている範囲
500人顔見知り約500人名前や見た目を知っている程度
1500人認知可能な限界約1500人「どこかで見たことがある」レベル
  • 人間の関心には上限がある(ダンバー数:約150人)
  • 強いネガティブ感情や嫌悪も関心キャパを消費する
  • 自愛によってネガティブ感情を緩和すると、愛に使える容量を確保できる

そしてこれらをマーケティング実務に言い換えれば、関心と思いやりを持つことで、真の顧客理解にたどり着くのかもしれません。

  • 生活者の声を聞くこと
  • 生活者の声や行動の背景にある、感情や文脈、インサイトを理解しようとすること
  • データではなく“人間”を見つめること

これらすべてが「認識の愛」です。
つまり、リサーチやインサイト発見の根底には“愛”が必要なのかもしれません。

関心がなければ理解・共感は生まれません。
そして思いやりがなければ、その理解はただの観察に終わります。

行動の愛:価値として返すこと

次に「行動の愛」。
それは、対象(生活者)にポジティブな影響を与える行動です。

定義:対象者にポジティブな影響を与える行動

判断基準

  1. 対象者の幸福、安心、成長に貢献しているか
  2. 動機は参考になるが、最終的には影響が基準

  • 愛:親が子どもを抱きしめる → 子どもが安心する
  • 偶発的愛:善意の行動が結果的に相手を助ける
  • 愛でない行動:自己中心、害を与える、形式的、操作的

再びマーケティングで言えば、

  • 生活者の悩みや不満・未充足を解決する商品開発であること
  • 価値観や感性に寄り添い、勇気や希望を与えるコミュニケーションであること
  • 一過性の快感ではなく、持続的な幸福を届けるブランド体験であること

こうした行動が、生活者の幸福・安心・成長に貢献しているなら、それはまさに「愛のマーケティング」だと言えます。

逆に(耳が痛いですが)、
自己都合で行う売上目的の販売促進や、生活者を欲求を掻き立てるような過剰訴求は、愛のないマーケティングと言えます。
それは“伝える”ではなく、“押しつける”行為です。

認識の愛 × 行動の愛 × 対象者への影響

この2つの愛+結果を組み合わせて考えると、マーケティング活動は次のように整理できます。

認識の愛行動の愛生活者への影響マーケティングの状態
ありありあり理想的なブランド(愛される)
ありありなし善意だが空回りする活動
ありなし机上の共感(理解止まり)
なしありあり偶発的ヒット(結果オーライ)
なしありなしノイズ的マーケティング
なしなし無関心ブランド

つまり、愛のあるマーケティング並びに愛されるブランドとは、「生活者への関心(認識)」と「行動(提供価値)」が一致し、結果として生活者にポジティブな影響を与えることなのです。

まとめ:愛のマーケティングとは何か

  • 愛の認識=生活者への関心と思いやり
  • 愛の行動=生活者にポジティブな影響を与える提供価値
  • 最大の愛=認識あり+行動あり+価値あり

「愛のマーケティング」とは、生活者に関心と思いやりを持ち、そして価値として返す営み。

マザー・テレサさんが言うように、愛の反対は“憎しみ”ではなく、“無関心”です。
だからこそ、愛を持ってマーケティングをすることは、無関心の時代における最大の挑戦なのかもしれません。

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人間の記憶のメカニズムは、私が思っていたよりもダイナミックで流動的。まだまだ未知な部分も多い分野ですが、現状分かっている記憶の長期保存への道筋や、逆に忘却する理由などが分かると、ブランディング目標の一つである「ブランド想起」のヒントになります。
人は日々大量の情報を取捨選択し、絞り込みをかけていく。そして不要な情報は、そもそも記憶すらしないということを肝に命じておく必要がありますね。

脳科学的記憶のメカニズム

まず最初に、私たちの脳がどのようにして情報を記憶するのか、そのメカニズムは複雑ですが、大きく分けて3つのプロセスと、記憶の種類によって分けられます。

​記憶の3つのプロセス

​STEP1 ​記銘(きめい): 新しい情報を覚え込み、脳に取り込むプロセスです。符号化とも呼ばれます。

STEP2 保持(ほじ): 取り込んだ情報を脳内に保存し続けるプロセスです。貯蔵とも言えます。

STEP3 想起(そうき): 保存されている情報を必要に応じて取り出すプロセスです。「思い出すこと」や、「検索」とも言えます。

この3つのプロセスがスムーズに連携することで、私たちは物事を記憶し、思い出すことができます。

​記憶の種類

​記憶は、情報を保持する時間の長さによって、大きく3つに分類されます。これは「記憶の多重貯蔵モデル」として知られています。

​1. 感覚記憶
​五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)から入ってきた情報を、各感覚器の中でほんの一瞬(約0~2秒)だけ保持する記憶です。例えば、目の前の景色が一瞬で消えても、その残像がわずかに残るような感覚です。この膨大な情報の中から、注意を向けられたものだけが次の短期記憶へと送られます。

​2. 短期記憶(記憶の仮置きと一時保存)
​短期記憶とは、感覚記憶の中から、意識的に注意を向けた情報が、脳の前頭前野に仮置きされ、その後より重要そうだと判断された情報が、海馬によって一時的に保存された記憶のことです

仮置きできる時間は数十秒程度と比較的短く、一度に覚えられる量も限られています。脳のワーキングメモリーとも言われ、一般的に7±2個程度と言われています。例えば電話番号を一時的に覚える、会話の内容を少しの間覚えておく、といった場面で使われます。
​次に記憶の一時保存は、記憶の司令塔である海馬(かいば)という脳の部位が深く関わっています。海馬は、仮置きした新しい情報を一時的(数時間〜数週間程度)に保管し、それを長期記憶に送るかどうかを判断する重要な役割を担っています。

​3. 長期記憶
短期記憶にある情報が、何度も繰り返し使われたり(リハーサル)、感情と結びついたりすることで、長期間にわたって保存される記憶です。容量にはほぼ制限がなく、一度定着すると長期間忘れることはありません。自分の名前や家族の顔、自転車の乗り方、歴史の知識などがこれにあたります。
​長期記憶は、海馬から大脳皮質へと情報が移されることで定着します。

​記憶の定着を支える脳の仕組み

​記憶がどのようにして脳に「刻まれる」のか、その鍵を握るのがシナプスの可塑性(かそせい)です。シナプスとは、脳の神経細胞(ニューロン)同士のつなぎ目のことで、情報を伝達する重要な部分です。
​学習や経験によって、特定のシナプスの情報伝達効率が長期間にわたって向上する現象を長期増強(LTP: Long-Term Potentiation)と呼びます。これが、記憶が定着する細胞レベルでの基本的なメカニズムであると考えられています。つまり、何かを学ぶと、関連する神経細胞間の結びつきが強まり、情報が伝わりやすくなるのです。

​このように、記憶は単一の現象ではなく、「記銘」「保持」「想起」というプロセスを経て、情報の重要度に応じて「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」へと振り分けられ、最終的には脳の神経回路の変化として保存される、非常にダイナミックな仕組みなのです。

マーケティングへの応用

記憶のメカニズムとマーケティングにおけるブランドの「助成想起(助成認知)」と「純粋想起」は、情報を脳からどのように取り出すか(想起)という点で密接に繋がっています。
端的に言えば、ブランドの助成想起は「再認」、純粋想起は「再生」という記憶の想起プロセスにそれぞれ対応しています。

記憶の想起プロセスとの対応

記憶を思い出すプロセスには、大きく分けて2つの方法があります。

  • 再生(Recall): 何の手がかりもなしに、記憶の中から情報を自力で引き出すことです。例えば、「昨日の夕食に何を食べましたか?」と聞かれて思い出すのが「再生」です。
  • 再認(Recognition): 何か手がかりを与えられたときに、「これを知っている」と認識することです。例えば、レストランのメニューを見て「あ、昨日食べたのはこれだ」と気づくのが「再認」です。

一般的に、手がかりがある「再認」の方が、手がかりのない「再生」よりも簡単です。

マーケティングとの繋がり

この記憶の仕組みが、そのままブランド認知度の測定に使われています。

純粋想起(Unaided Awareness)= 再生

純粋想起は、手がかりなしでブランド名を思い出してもらうことです。

  • 調査方法: 「〇〇(商品カテゴリー)と聞いて、思い浮かぶブランドは何ですか?」といった質問をします。
  • 記憶のメカニズム: 消費者は、自分の長期記憶の中から、特定の商品カテゴリーと強く結びついたブランド情報を自力で「再生」する必要があります。
  • ブランドの強さ: 純粋想起されるブランドは、消費者の記憶に深く、そして強く刻み込まれていることを意味します。これは非常に強いブランドと言え、消費者が何かを買おうと思った時に、最初に頭に思い浮かぶ選択肢(第一想起:Top of Mind)に入っている可能性が高いです。

助成想起(Aided Awareness)= 再認

助成想起は、ブランド名やロゴなどの手がかりを与えられて、そのブランドを知っているかどうかを思い出してもらうことです。

  • 調査方法: ブランド名やロゴのリストを見せて、「この中で知っているブランドはどれですか?」といった質問をします。
  • 記憶のメカニズム: 消費者は、提示された手がかり(ブランド名)を見て、自分の長期記憶の中にある情報と照合し、「知っている」または「見たことがある」と「再認」します。
  • ブランドの強さ: 純粋想起されなくても、助成想起されるブランドは、消費者が少なくともそのブランドに接触した経験があることを示します。店舗などでそのブランドのパッケージを見かけた際に、「あ、これ知ってる」と思い出してもらう段階です。

マーケティング戦略への応用

マーケティング記憶のプロセス消費者の状態
純粋想起再生(手がかりなし)「〇〇が欲しいな」→「そうだ、あのブランドにしよう」
助成想起再認(手がかりあり)店頭で商品を見て→「あ、このブランド知ってる」

このように、マーケティング担当者は、自社のブランドが消費者の記憶の中でどのレベルにあるのか(純粋想起されるのか、助成想起の段階なのか)を把握し、目標に応じて戦略を立てます。

  • 新ブランドの導入期: まずは名前を覚えてもらうために、例えば広告などで繰り返しブランド名を提示し、助成想起(ブランド認知)の獲得を目指します。
  • 成長期のブランド: 競合との差別化を図り、CEP(特定のオケージョンやニーズなどの想起のきっかけ)とブランドを強力に結びつけることで、純粋想起、さらには第一想起される存在を目指します。

記憶のメカニズムを理解することは、消費者の頭の中にいかにしてブランドを刻み込み、必要な時に思い出してもらうかという、マーケティングの根幹に関わる重要な視点なのです。

純粋想起ブランドへの道筋

結論から言うと、純粋想起されるブランドになることは、消費者の脳内に、特定カテゴリーとあなたのブランドを結びつける「太くて、迷わない神経回路(ニューラルネットワーク)を構築する」ということです。

手がかりなしで思い出せる「再生(Recall)」は、ぼんやりとした記憶では起こりません。脳が特定の質問(例:「喉が渇いたな、何を飲もう?」)に対して、自動的に、そして最も速くアクセスできる答えとして、ブランドが想起される状態を目指す必要があります。

そのために、脳のメカニズム的に有効な4つのアプローチをご紹介します。

1. 記憶の痕跡を「強く、太く」する(長期増強の促進)

記憶の正体は、神経細胞(ニューロン)間の結合(シナプス)が強化される長期増強(LTP)という現象です。この結合を強力にすることが全ての基本です。

具体的な方法:計算された反復(単純接触と分散学習)

  • 同じ情報に繰り返し触れると、関連するシナプスの結合が物理的に強くなります。ただし、一度に詰め込む(集中学習)よりも、一定の間隔を空けて接触する(分散学習)方が、記憶の定着に圧倒的に効果的です。脳が一度忘れかけ、再び思い出すというプロセス(想起努力)を経ることで、記憶がより強固に再構築されるためです。

2. 強くかつ複数の「カテゴリー想起ポイント(CEP)との結び付き」や「ブランドの独自資産」を作る(連合記憶の形成)

純粋想起は「手がかりなし」で思い出してもらうことですが、実際には消費者の頭の中にある「カテゴリー」や「ニーズ」、「連想イメージ」が内部的な手がかりとして機能します。この内部的な手がかりとブランドを強力に結びつけることが鍵です。

具体的な方法:特定のカテゴリーと強力に結びつける

  • 私たちの記憶は、関連情報がネットワークのように繋がった「連合記憶」として保存されています。例えば、「宅配便」というノード(神経細胞群)が活性化されたときに、最も強く繋がっている「ヤマト運輸」のノードが即座に発火する、というイメージです。
    • マーケティングアクション: 「〇〇といえば、[自社ブランド]」というポジションを確立する。「フリマアプリならメルカリ」「エナジードリンクならレッドブル」のように、カテゴリーリーダーとしての認識をあらゆるコミュニケーションで徹底する。

具体的な方法:覚えやすい記号(ブランドの独自資産)を作る:

  • 音(ジングル)、映像(キャラクター)、言葉(キャッチコピー)は、それぞれ脳の異なる領域(聴覚野、視覚野、言語野)を刺激し、記憶のフックを増やします。特に、メロディのような非言語情報は、感情や情景と結びつきやすく、非常に強力な記憶のトリガーになります。
    • マーケティングアクション: Intelの「インテル、入ってる」のサウンドロゴ、マクドナルドの「I’m lovin’ it」のメロディのように、耳に残るサウンドや、覚えやすいキャッチコピーを開発し、一貫して使用する。

3. 「感情の力」を利用する(扁桃体の活性化)

感情を揺さぶる出来事は、そうでない出来事に比べて圧倒的に記憶に残りやすくなります。これは、感情を司る扁桃体(へんとうたい)が、記憶の司令塔である海馬(かいば)を活性化させるためです。

具体的な方法:物語(ストーリー)を語る

  • 扁桃体は、その情報が「生存にとって重要かどうか」を判断する役割も担っています。感情が動く(面白い、感動する、共感する)ストーリーは、脳に「これは重要な情報だ」と認識させ、記憶に残りやすくします。いわば、記憶に「感情の蛍光ペン」でマークするようなものです。
    • マーケティングアクション: 商品のスペックを羅列するのではなく、ブランドの誕生秘話、開発者の情熱、顧客の成功体験などを感動的なストーリーとして伝える。CMやウェブコンテンツで物語性のあるコンテンツを発信する。

4. 「体験の一貫性」で記憶を補強する(予測とパターンの形成)

脳はパターンを好み、次に何が起こるかを予測しようとします。ブランドとの全ての接点(広告、店舗、商品、サポート)で一貫した体験を提供することで、脳内のブランドイメージは補強され、混乱なくスムーズに記憶されます。

具体的な方法:ブランド体験の統一

  • ロゴ、色、デザイン、接客態度、メッセージなどが一貫していると、脳はそれらを一つのまとまった概念(スキーマ)として効率的に処理します。逆に、体験に一貫性がないと、脳はそれを別の情報として処理しようとし、強力な単一のブランドイメージが形成されにくくなります。
    • マーケティングアクション: Apple社のように、製品デザイン、店舗の内装、広告のトーン、ウェブサイトのUI/UXまで、全ての顧客接点で一貫した世界観を徹底する。

まとめ:純粋想起へのロードマップ

マーケティングアクション脳科学的な狙い目指す状態
計算された反復・接触シナプス結合の強化(長期増強)記憶の痕跡を物理的に太くする
カテゴリーとの強力な紐付け連合記憶のネットワーク形成「〇〇といえば…」の問いに自動的に反応する回路を作る
ブランドの独自資産(音・言葉)の活用複数の脳領域を刺激し、記憶のトリガーを増やす思い出すための「とっかかり」を脳内に多数設置する
感情を揺さぶるストーリー扁桃体を活性化させ、記憶の定着を促す「重要情報」として記憶にマーキングさせる
一貫したブランド体験脳のパターン認識機能を活用し、記憶を補強する混乱のない、単一で強力なブランドイメージを構築する

これらのアプローチを長期的に、そして一貫して実行することで、ブランドは単なる「知っている」存在から、顧客がニーズを感じた瞬間に無意識的かつ自動的に思い浮かべる「純粋想起」される存在へと、脳科学的に進化していくことができるのです。

参考にブランディングについてまとめた記事はこちら

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55.「ホモ・サピエンス全史」から学ぶ、マーケティングの本質と“虚構”の力 https://akaruimarketing.com/1951/ https://akaruimarketing.com/1951/#respond Tue, 29 Jul 2025 05:09:41 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1951 今回は『ホモ・サピエンス全史 著ユヴァル・ノア・ハラリ』を読んで、マーケティング視点で所感をまとめたいと思います。人類の進化とマーケティングの関係、特にマーケティングの力の秘密や恐ろしさなどが見えてきます。 目次 本の要 […]

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今回は『ホモ・サピエンス全史 著ユヴァル・ノア・ハラリ』を読んで、マーケティング視点で所感をまとめたいと思います。人類の進化とマーケティングの関係、特にマーケティングの力の秘密や恐ろしさなどが見えてきます。

本の要約

まずざっくり本の内容を言うと、我々「ホモ・サピエンス」がどのようにして地球の支配者となった経緯が分かりやすく書いてあります。以下年表で重大な分岐点をまとめています。

歴史年表まとめ

年代(概算)出来事・革命内容の要約
約45億年前地球が形成される
約38億年前生物が出現生物学の始まり。
約250万年前初期人類の登場アフリカで最初のヒト属(ホモ・ハビリスなど)が現れる。石器を使い始める。
約200万年前人類がユーラシア大陸へ拡大。異なる人類種が進化アジアやヨーロッパに拡散。火を使い始める。複数のヒト種が共存。
約50万年前ネアンデルタール人が進化30万年前ほどから火を日常的に使用。
約20万年前東アフリカでホモ・サピエンスが進化まだサピエンスは数多くの生物の中でも地味な存在
約7万年前認知革命サピエンスが「虚構(神話、宗教、物語)」を信じる能力を獲得。大勢との協力が可能に。言語と想像力が進化し、集団行動の拡大へ。
約4.5万年前世界拡散オーストラリア大陸へ拡散。多くの大型動物種を絶滅させる。
約3万年前〜1.3万年前ホモ・サピエンス以外の人類種の絶滅サピエンスが他の人類種を絶滅に追い込む
約1.2万年前農業革命狩猟採集から農耕へ。食糧生産が安定するも、生活は狩猟採集社会より過酷に。人口増加、定住、階級社会の始まり。
約5000年前王国・貨幣・書紀・多神教の形成食糧の余剰により階層社会、支配者、宗教、貨幣、文字などが誕生。抽象概念(神、王権、国家)への信仰が社会を組織。
約2000年前1世紀)統一的宗教と帝国キリスト教や仏教などの普遍宗教と、大帝国(ローマ、漢)が登場し、大規模な統治が可能に。
約500年前(15世紀)科学革命無知の自覚から近代科学が始まる。知識の拡大とともに帝国主義・資本主義が連動。西洋が世界を支配しはじめる。
約200年前(18世紀)産業革命機械、工場、エネルギー革命。大量生産・大量消費の時代へ。都市化と労働者階級が誕生。家族とコミュニティが国家と市場に代わる。
約100〜50年前(20世紀)グローバル化・技術進歩資本主義とテクノロジーの融合。人類が環境や遺伝子さえ操作する存在に。民主主義、自由主義なども「虚構」として再解釈される。
現在 (21世紀)バイオテクノロジーとAIホモ・サピエンスが「ホモ・デウス(神のような存在)」になる可能性。人間性や意識の意味が問われる。

マーティング視点での考察

虚構(フィクション)とブランディング

ホモ・サピエンス(以下 人類)が持つ独自的な優位性は、約7万年前に起こった認知革命以降、「国家」「宗教」「お金」などの虚構(フィクション)を創り出し、信用し、大勢の仲間と協力できる能力です。
確かに「国家」「宗教」「お金」ってそもそも何だろう?と考えると、それは実在しない存在なんですよね。みんなが価値を信じて、信用しているから成り立つ空想です。この虚構のおかげで人類は同じ目的に向かって団結し、不幸が起こった場合でも意味を見出し、死への恐怖を克服しようとするなど、生存競争に非常に有効でした。
これはマーケティングの「ブランド/ブランディング」と全く同じ概念ですね。どうして我々が「ブランド」を好み、重要視するのか、それは人類の生存本能に根ざしているからであり、ブランドが持つ空想のストーリーには、人を動かす大きな力があります。
ちなみに機能的に分かりやすく優れているモノよりも、どこか神話的で謎めいた方が人気なのも昔からだそうです。(ミステリアス!)

人類の進歩と狩猟採集時代の本能(欲求)とのジレンマ

7万年前(狩猟採集社会)の認知革命(進化)から今日まで、異常なスピードで人類は文明やテクノロジーを発展させてしまったため、肝心の心身(遺伝子)の進化が追いついていないそうです。不思議な話ですが、自分たちで自分たちを社会不適合者にしています。
例えば人類の心は、ごく限られた濃いコミュニティ(家族や地域)の中で、いかに上手く立ち回り、仲間外れにされないかを重要視しています。
具体的には井戸端会議で情報を得ながら周囲と自分を比較し、ポジションを確認することで安心感を得ようとします。つまり人類は、生きるために他者比較に熱心で承認欲が強く、孤独にめっぽう弱い。
この生存本能が現代では不具合を起こしています。特にSNSの台頭で世界中の人々と比較してしまい、際限のない欲求・焦り・不安が生まれました。そして「自由」と「プライバシー」の名のもとに家族や地域との繋がりが希薄になり、孤独感に悩まされています。
また身体では、食料を効率よく蓄えたり、高カロリーな食べ物を好み逃さない生存本能が肥満や生活習慣病を引き起こしています。
「人生は自分との戦いだ」という言葉がありますが、自分の狩猟採集本能との戦いなのかもしれません。
でも本能なので抗えないですよね。これがいわゆるマーケティングで言う「生活者インサイト」です。無意識(遺伝子)に刻み込まれている本能欲求です。
以下に狩猟採集本能から受け継がれし人類の本能欲求*をまとめました。現代でもこのどれかに突き刺さるモノやサービスが選ばれているはずです。
*マズローの5段階欲求、マレーの2次的欲求リストを参考に独断と偏見にて編集

生理的欲求(生命を維持したい、死や痛みを避けたい、繁殖したい)
・生存直結型欲求:空腹、渇き、排泄、痛みの回避、睡眠など
・Sex :性的欲求 生殖のための本能的な欲求。

安全の欲求(危険や損失を避けて安心したい、自己防衛、自己保存)
・Harmavoidance :危険回避 危険や損害を避けて身を守りたい。
・Blame-Avoidance: 非難回避 他人から責められたり否定されたくない。
・Defendance 防衛 :自分の立場や信念を守りたい。現状維持。
・Order :秩序 整然とした環境や手順を好む。混乱を避けたい。

所属と愛の欲求(仲間とつながりたい、孤独を避けたい)
・Affiliation :親和 仲良くなりたい、人とつながっていたい。
・Understanding :理解 世界や人を深く理解したい。
・Nurturance :養育 他人の世話をしたい、愛情を与えたい。
・Succorance :援助希求 他人に守ってもらいたい、依存したい。
・Deference :服従 尊敬する人に従いたい、社会的な秩序を守りたい。

承認の欲求(主にコミュニティや他者から承認)
・Recognition :他者承認 他人から褒められたり、称賛されたい。
・Exhibition :自己顕示 自分を目立たせたい、見てほしい。
・Dominance :支配 他人をリードしたい、影響力を持ちたい。マウンティング。
・Aggression :攻撃 状況や他者に対して破壊的・変革的にかかわりたい。
・Contrariance :逆らい あまのじゃく的に、社会の期待に反発したい
・Abasement :自己卑下 自分を犠牲にしてでも他者に従いたい、媚びへつらい、許されたい

自己実現の欲求(自己承認、自分らしくありたい、内発的、利他的)
・Autonomy :自立 自分の意思で自由に動きたい。
・Achievement :達成 難しい課題に挑戦し、成功したい。
・Cognizance :探求(知的好奇心) 知りたい、学びたい。
・Construction :創造 新しいものをつくり出したい。
・Play: 遊戯 創造的で自由な遊びを楽しみたい。
・Understanding :理解 世界や人を深く理解したい。※所属と愛の欲求と重複
・Nurturance :養育 他人の世話をしたい、愛情を与えたい。※所属と愛の欲求と重複

マーケティング 闇の力と防御方法

全人類が願う「幸福」もまた虚構です。
幸福とは自己の期待と現状の認識差分であり、オキシトシンやセロトニン、ドーパミンなどの幸福・快感ホルモンの分泌具合で感じる身体の状態です。
そして嬉しくも悲しかな、幸福感も不幸感も長続きしないようにプログラムされており、また慣れによって同じ刺激では同じ幸福・不幸感は得られないようにできているそうです。これも7万年前の死と隣り合わせの社会では有り難い機能ですが、安全な現代で生活するにはマイナス面も多いです。
そしてマーケティングを嫌味な言い方で表現すると、先述した本能欲求を煽り・ニーズとして顕在化・渇望させ、その場限りの解決(快楽)を開発・提案・消費してもらう、そして快楽が落ち着いた頃にまた煽る、その繰り返しで利益を得る活動です。
そう考えるとマーケティングは、資本主義社会の発展において、人類の性質を捉えた非常に効果的な手法ですよね。
一方で当の人類にとっては、本当に資本主義やマーケティングは良いものなのか怪しくなってきましたね。完全に自らの虚構に踊らされてますよ。でも確かに人類はお金(虚構)が絡むと人に危害を加えるし、国・宗教(虚構)のために自己犠牲も厭わない場合があるので、そういう生き物なのでしょうね。
でも私個人としては虚構に踊らされっぱなしも嫌なので、闇の資本主義マーケティング(?)から身を守るにはどうすれば良いか考えてみました!

結論は、不必要な情報を閉ざして幸福のハードルを下げ、足るを知り、少数の本当に大切な人とだけ深く関わりながら暮らす。そして不可避な不幸に対しては、そこに深い意味など考えないようにして、時間経過と恒常化機能に任せるのが良さそうです。
名付けて「幸せな井の中の蛙」作戦!
具体的には以下の生活行動を提案します。
・デジタル情報を制限(SNS断ちやスマホの接触制限)
・不要な他者比較は無視して、自分の価値基準を重視
・現状すでに在るものを、当たり前ではなく有り難く捉える
・家族や大切な友人との時間を優先(脱!謎の知り合いやコミュニティ)
・自らの欲望や感情を客観視する(瞑想やマインドフルネスを通じて)
とは言え、どれも頭では分かっているが実践が難しそうですね。
そうか、だから不幸せだと感じる人が多いのか。。

余談:人生の意味・目的という虚構

「私は何のために生きているのだろう・・」
これらの重たい人生の悩みも、虚構であり遺伝子の機能だったとは。。
生物学及び進化論的には、全ての生物に生きる目的などはなく、長い年月の中で自然淘汰されずに生存・繁殖に成功した結果だそうです。生きる目的などなくても生き残っている生物は沢山います。ややこしい表現ですが、人類が生存競争を勝ち抜いた手段が、目的です。
目的という虚構があったほうが戦略的かつ効果的にリソースを使えますし、多くの他者と協力することができます。なので個人レベルの幸福な人生を送るには、手段としての人生の目的が持ったほうがお得そうですね。

おまけ情報

●そもそもマーケティング活動とは何だっけ?が気になった方はこちら
●生活者インサイトについてもっと詳しく!はこちら
●ココナラでこんなこともやっています。興味があればぜひ!
マーケティングとは?がざっくり理解できます 実務10年以上で得た実経験を基に、要点をギュギュッとお届け。

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53.幸せとは感性による状態知覚である!幸せについて本気出して考えてみた。 https://akaruimarketing.com/1709/ https://akaruimarketing.com/1709/#respond Thu, 13 Mar 2025 04:30:25 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1709 マーケティング思考を使って、人生の幸福を達成するための考え方を整理しようと思い立ちました。付け焼き刃の哲学・心理学・脳科学・生物進化学・お金の話・マインドフルネスの知識を駆使して、自身の幸せについて考えてみようと思います […]

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マーケティング思考を使って、人生の幸福を達成するための考え方を整理しようと思い立ちました。
付け焼き刃の哲学・心理学・脳科学・生物進化学・お金の話・マインドフルネスの知識を駆使して、自身の幸せについて考えてみようと思います。

幸福は人生の目的になり得るのか?

まず始めに生物進化学的には、ヒトも含め生物に目的や生きる意味のようなものは無く、生存と繁殖の結果、自然淘汰されずに適応した生物が現在も生き残っているだけらしいです。
そしてヒトが他の生物よりも圧倒的に優れている能力が社会性で、多くのヒト同士が虚構(神話・宗教・お金・国家・法律など)を信じて協力し、発展することができました。
しかしこの優れた認知能力がやっかいで、ヒトが人生に目的や意味、物語を欲するようになりました。悩みが尽きない悲しい生物です。
では人生の目的は何にするのが適切なのでしょうか。本能に従うと「生存(長生き)」と「繁殖」ですが、ただ長生きしてもなぁ、別に子どもを沢山育てたいとは思わないしなぁと、どうも自分の価値観とは合わなさそうです。
ここはやはりざっくり人生の目的は、「幸福」になること。としておくのが良いと思いました。

幸せとは何か?

幸せの定義は人によって千差万別なので、今回は「私の幸せ(人生の目的)とは何か?」とします。
まず始めに、幸せもまた形のない「虚構」であり、「状態知覚」なのではと思いました。つまり「今の私が幸せだと、私が知覚すれば、私は幸せ」ということです。

「しあわせは いつも自分のこころが決める by相田みつを」

まさにこれです。
もう少し脳科学の知見を取り入れると、幸せホルモン(主にセロトニン、オキシトシン、ドーパミン)が分泌されている状態を幸せだと知覚する。この繰り返しの知覚が人生の幸せとする。なので重要なのは、幸せホルモンが分泌される生活を営み、状態知覚するための感性を磨くことだと思いました。この幸せホルモンはそれぞれ、「健やかな生活」「他者とのつながり」「学びや成長」によって分泌されますが、優先度は人によって違いそうです。私の場合は「学びや成長」→「他者とのつながり」→「健やかな生活」ですかね。

そこで私の幸せの結論(2025年7月時点)、「今 私の好きなことをしている私を、今 好きであると、知覚し続けること」だと定義しました。
そのために重要なのが自律的な肯定感です。自分の現状を自分のモノサシによって評価し、肯定することです。自己承認及び自己実現とも言えるかもしれません。
定義した理由は、私がこれまで出会った幸せそうだと憧れる人が、だいたいこんな感じでした。
最終選考で「他者貢献感(利他の精神)」と迷いましたが、私は自律的肯定感が高くないと他者貢献する気にもならんなと思い、やめました。
そして重要な要素が時間軸で、大切なのは常に今この瞬間であって、過去や未来、ましてや死に際などではない気がするのです。例えば娘の卒園式で感じるのは、幸福感よりも消失感や寂しさの方が大きかったです。日々登園などの日常の瞬間に幸福があったことを少し後悔しました。

一方で他律的肯定感とは、いわゆる社会(平均)や身近な他者と比較して評価し生まれる肯定感です。代表的なものは「地位(役職)」「年収」「学歴」などで、資本主義・競争社会・同調圧力の強い日本において、嫌でも自分の位置付けを実感させられますし、その度に不安や嫉妬などのネガティブな感情が湧いてきます。これらのネガティブな感情は、進化の過程で備わった生存システムなので抑えることが難しく、とても厄介です。
どこまでいっても安心・満足できず、上手くいかないと自分を卑下したり他者の成功を妬んだりと、まるで良いことのない地獄の競争思考です。
なので無理に抑えようとせず、気になった時は、それ気になるよねーと肯定して、意識を常に「今」に向けられるようになりたいところです。

現状の幸せ分析

では「今」の自分の現状(良いところと惜しいところ)を書き出し、自分のモノサシで評価(称賛)したいと思います。
まずは自分を客観的に認識し、「そうだよねー」「まぁまぁまぁ」など、否定も肯定もせずに第3者のように眺めてみます。
書き出していると、良し悪しを他律的なモノサシに沿って評価している自分に気がつきます。「これは世間の平均よりも・・」「あれ?自分のモノサシあまり持っていないかも・・?」など、発見がありました。
ざっとこんな感じです。

良いと思うところ
・ポジティブな性格(明るく楽しく前向きに)
・心が穏やかなところ
・身体が健康(認識している範囲では)
・好きなマーケティング(企画)の勉強や仕事をしている
・大切な家族(妻、娘3人)と暮らしている
・お金に困っていない(私の金銭感覚の中では)
・他人があまり気にならない(友達も少ないがさほど気にならない)

惜しいと思うところ
・夢中になれる趣味やコミュニティがない
・仕事における他者評価が物足りないと感じてしまう(もうちと認めてくれても・・)
・両親や妻に感謝の気持ちを伝えられない(当たり前だと勘違い?照れ臭い?否定されるのが怖い?)
・他人の成功を素直に喜べない(特に自分の欲しいものだと嫉妬してしまう)
・楽しく他人と話ができない時がある(話の輪に入れていない、不必要かもと思うと離れたくなる)

評価してみよう
まずは「なかなか素敵じゃんか自分」と言ってみる。そして書き出しを眺めていると、なんかそう思えてくる。笑
おや、「他人が気にならない」良い点と、「仕事の評価が物足りない(他者承認欲求)や他者の成功を喜べない(嫉妬)」という惜しい点が矛盾しているような気がしますね。
もう少し深掘りすると、自分が欲しいものを他者が手に入れたり、自己評価よりも他者評価が低い場合、悔しい感情が湧いてくるようです。
私の本質は自己中心的でワガママなのかしら 笑 
確かに・・子供の頃からそういうところありますね。大人になるにつれて、理性と言い訳でひた隠しにしている気がします。
でもポジティブに言い換えると、自分のやりたいこと、欲しいもの(&マイワールド)を持っているということでしょうか。上手く捉え直して成長のエンジンにしたいところです。

課題の分離

次に、先ほどの良いところと惜しいところについて、自分で解決できる部分と、自分では解決できない部分に分けて捉えてみます。(アドラーさんの課題の分離)

自分の課題
・好きで、欲しいものを手に入れるために、自分ができる努力に集中する
・逃れられない他律的評価においては、素直に負けを認めて競争から降りる
・他者に関心をもって話を聴くことに喜びを見出す

他者の課題
・他者の最終的な私の評価
・他者の成功や失敗
・他者の思考/感情や行動

なんとなく、自分が努力すべきポイントが見えてきましたね。

幸せ戦略

最後に分離した自分の課題を解決する戦略を考えてみましょう。
重要なのは、他者の課題をコントロールしようと思わないことですね。あくまで自分の課題に集中したいと思います。
例えば会社の昇進昇格は他者の課題ですが、自分のことが好きになれる仕事をするための努力は私の課題です。

どんな仕事だろうか・・??

私は昔から「面白いこと」を企画すること好きで、自分もそうありたいと思っています。ここで言う面白いは「笑い」だけではなく、以下の1、3、4が近いです。

おも‐しろ・い【面白い】 の解説 ※デジタル大辞泉より
 興味をそそられて、心が引かれるさま。興味深い。
 つい笑いたくなるさま。こっけいだ。
 心が晴れ晴れするさま。快く楽しい。
 一風変わっている。普通と違っていてめずらしい。

 (多く、打消しの語を伴って用いる)思ったとおりである。好ましい。
 風流だ。趣が深い。

踏まえると、私のモットーはこんな感じでしょうか。
ビジョン:「面白い」ことが溢れた世の中にする
ミッション:「面白い」モノやサービスを生み出す
バリュー:明るく楽しく前向きに「面白い」ことを考え、仲間や家族と実行する


おっ、いいじゃないですか!笑
自分を好きになるために、注力すべきポイントが見えてきました。
職場だけではなく、家庭でもこうありたいなぁと思います。(現状 家と職場で違う人間になっている気がします・・)

余談

私は昔から、「今」に集中することが苦手で、すぐに考え事をしてしまいます。それも大体が過去の後悔や未来の不安などで、今考えても仕方がないことばかり。。
「過去」の成功や失敗は、「今」の素敵な自分を形成していて、更に「今」を精一杯生きることで、悔いのない「未来」がやってくる。
つまり人が集中し何か行動を起こせるのは「今」しかないんですよね。「過去」を憂いでも、「未来」に不安を抱いても何も生まれない。自分の「今」を肯定し、受け入れ、注力できれば、悩みは減らせるのではないでしょうか。

むむむ。なんか取り留めのない記事になりましたね。笑

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38.壁は越えずにすり抜けたいタイプの人にオススメな「ずるい仕事術」佐久間宣行 著 https://akaruimarketing.com/1214/ https://akaruimarketing.com/1214/#respond Thu, 13 Apr 2023 05:47:19 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1214 今回は元テレビ東京 佐久間さんの著書である「ずるい仕事術」を参考に、自分がやりたいことだけをやって世の中や会社に評価され、お金が貰える仕組み創りを考察したいと思います。 目次 やりたいことで稼ごうずるい仕事術から学ぶ や […]

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今回は元テレビ東京 佐久間さんの著書である「ずるい仕事術」を参考に、自分がやりたいことだけをやって世の中や会社に評価され、お金が貰える仕組み創りを考察したいと思います。

Oniku
Oniku

記事のGOAL
・「やりたいこと」の重要性が分かる
・「やりたいこと」で評価される方法がわかる

やりたいことで稼ごう

本書は「やりたいこと」を効率的に実践していくノウハウが書かれていますが、どうでしょう、そもそも「やりたいこと」はありますか?できていますか?
このパートは本の内容からやや脱線します。「やりたいこと」がない状態で「ずるい仕事術」は共感しにくいと感じたためです。状況に応じて読み飛ばして下さい。

仕事を選ぶ際の3つの軸*(「やりたいこと」「得意なこと」「社会や会社から求められていること」)の中でも、自分の「やりたいこと」にハマることが最も重要で困難です。ここにハマらないと毎日が楽しくないし、自己成長も遅いと感じます。

*補記
・やりたいこと:自分の信念や夢などに合っているか(例 人助けがしたい、○○業界で働きたいなど)
・得意なこと:自分が持っている性格的/身体的スキルを活かせているか(例 我慢強い/経験や技術など)
・求められていること:労働対価が得られる業務内容であるか(例 事務、営業、マーケターなど)

では、なぜ「やりたいこと」が仕事になっていないことがあるでしょう?
私が思うに、学生時代に「やりたいこと」を見つける前に(深く考える前に)に、一括新卒採用の流れで就職し、そのままジョブローテーションを繰り返しながらズルズルと働けてしまう仕組みが原因と実感しています。これは企業側からすると本当に良くできていて(笑)、自社以外で活躍できない人材を量産するのにうってつけの仕組みです。
ちなみに私はこの仕組みに流されていました。学生時代は深く考えずに学部に関連していそうで知っている会社を中心に就活し、就職しました。そして会社から「求められること」として、営業職につきました。それが時間と共にある程度の「得意なこと」にもなっていきましたが、そこから「やりたいこと」になることはなかったです。
理由は、「やりたいこと」は私の「好き嫌い」や「大切にしていること」などの本質的な欲求に関連するもので、会社から与えられるものではないからです。与えられた仕事を突き詰め、天職にしていくという教えもありますが、個人的にはあまりオススメしません。※でもその経験やスキルが後々役に立つことはあります。

私は4年ほど営業に従事したあたりで、改めて自分の働き方戦略を考え直しました。「やりたいこと」か「得意なこと」から出発する道筋です。つまり、「やりたいこと」を「得意なこと」にしていくか、「得意なこと」を「やりたいこと」にしていき、最終的に「求められていること」を仕事に選ぶという流れです。私のやりたいことは「人を楽しませること」を「自らの手で生み出すこと」でした。そこでマーケティングという仕事に興味が沸き、社内公募&転職をしながら徐々に「得意なこと」にしていきました。最初は「求められること」に対応できずに3年くらいキツかったですが、「やりたいこと」だったので耐えられました。この自分が「やりたいこと」だったから耐えられたことは、重要なので2回言いたいと思います。笑
もしまだ「やりたいこと」が明確ではない場合、「得意なこと」から探すのが良いと思います。得意なことは、他人は苦手みたいだが自分はそこまで嫌ではないことや、自分をよく知る人に聞いてみると自覚できます。 そして「得意なこと」は「やりたいこと」に繋がる可能性が高いです。よっぽどの事情がない限り、苦手なことを望んで仕事にする人はいませんよね。(大企業の跡取りくらい?)

ずるい仕事術から学ぶ

「やりたいこと」と「得意なこと」がある程度交わる仕事(求められていること)を見つけたら、本書の「ずるい仕事術」が大いに役立つと思います。本文から察するに、佐久間さんは前述した自身の「やりたいこと」「得意なこと」がめちゃくちゃ明確な人です。つまりゴールと優先順位が明確なので、本では「ずるい」と表現していますが、淡々と笑顔で敵を消していけるいい意味でのサイコパスな方なのではと思いました。笑 なので特に佐久間さんの様なタイプの人に本書は参考になると思います。

※本書に書かれている佐久間さんの性格はこちら↓
・TV、芸人、舞台、映画、流行り物全般が好き(総じてエンタメ好き)
・根本的に一人の時間が好きで、 人間関係を無理に広げたいと思っていない。
・納得できるまで行動できない性格で、 先輩の頭ごなしの指示をすんなりとは聞けず、 その分初動が遅くなる。
・なんでもおもしろがろうとする性質
・穏やかでキレにくい性格
・人にまったく期待しない性格

本書は「仕事術」「人間関係」「チーム」「マネジメント」「企画術」「メンタル」の6つをテーマに、佐久間さんの戦術が紹介されています。それぞれの具体的な仕事術はぜひ購読して頂ければと思いますが、最も参考になったのは、自分が「やりたいこと」に対して、自分の「得意なこと」を駆使して、「求められること」を創造していくという姿勢です。
マーケティング的に言い換えると自分の「やりたいこと=目的」を達成するため、「求められていること=Who(会社の) & insight(潜在的な悩み)」を見つけ出し、「得意なこと=What(Benefit)」を提供して稼ぎ続ける仕組みを構築することです。
ポイントは「求められていること」を、顕在化されたニーズ(高視聴率)ではなく、潜在的なインサイト(スポンサー以外の収益確保)レベルで考え抜かれている点です。
唯一無二のブランド人間は、提供価値で差別化されるのだなと学びました。そしてユニークな提供価値は、潜在的な課題(インサイト)発掘から生まれ、そのためにはブレない目的を持つことが起点になりそうです。なるほど、、勉強になりました。私も今一度自分の働き方(稼ぎ方)戦略を見直し、世の中から求められるブランド人間になれる様に努力していこうと思います。

■マーケティング戦略の概要についてはこちら

■関連記事

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37.TVCM制作の戦略考察とポイントをご紹介 https://akaruimarketing.com/1191/ https://akaruimarketing.com/1191/#respond Wed, 05 Apr 2023 04:51:50 +0000 https://akaruimarketing.com/?p=1191 今回は話題のTVCMを基にして、企業がどういう戦略で作ったのかを逆算し、文章(戦略シート/オリエンシート/Brief)にまとめました。よくトレーニングで実施する方法です。正解かどうかはさて置き、「TVCMってこんな考え方 […]

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今回は話題のTVCMを基にして、企業がどういう戦略で作ったのかを逆算し、文章(戦略シート/オリエンシート/Brief)にまとめました。
よくトレーニングで実施する方法です。正解かどうかはさて置き、「TVCMってこんな考え方で制作してるんだ」であったり、実務者の方は代理店さんへオリエンする際の参考になれば幸いです。

Oniku
Oniku

記事のGOAL
・TVCMにおける企業の狙いが分かる
・良いTVCMを作る際のポイントが分かる

話題のTVCMを戦略シートに戻してみよう

まず題材を探すべくランキングを調べてみました。その中で注視率(どれだけ生活者がきちんと視聴したか)を調べているデータが面白いなと思ったので引用します。

REVISIO株式会社
ご家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンの「視られている量」を測定。テレビを点けていて、かつテレビ画面を見ている人の割合を注視含有として算出し、CM単位で集計した「企業CMランキングTOP30」

1位はサントリーさんの「人生には、飲食店がいる。」です。そして全体的に企業のビジョンやミッションを語るブランディング系のエモいCMが多くランクインしていますね。モノやサービスをストレートに訴求するタイプのCMは、今どきの視聴者に受け入れられにくいのかしら??。人の情緒、感情に訴えかける方がより視聴される傾向にありそうですね。

脱線しました。ではサントリーさんのTVCMを戦略シートに勝手に戻してみましょう。
本作は「飲食店」という場所だからこそ得られる、温もりのある場面、温かな思いを描いていて、飲食店という場所の価値や魅力を伝えるCMです。

背景

背景まとめ:
コロナ禍からの回復と顧客の反動需要に合わせて、飲食店及び人とのリアルなコミュニケーションの重要性を再認識させ、飲食店業界を活性化(=自社の売上回復)させる。

脅威:
・コロナ禍で飲食店の客足が減り、お酒の売上が大きく落ち込んだ。(自社)
・飲食店へ行けなくなったこともあり、人とのコミュニケーションが希薄になった。(市場・顧客)

機会:
・今まで当たり前に存在していたモノ(飲食店等)やコト(コミュニケーション)が無くなったことで、改めて存在の大切さを再定義できる。(顧客)
・コロナ禍での我慢による反動需要。(顧客)
・政府によるキャンペーン※GoToイートなど (市場)

強み:
・サントリーは総合酒造メーカーとして高い知名度と情報発進力がある。(自社)
・サントリーは飲食店と業界トップクラスの繋がり(流通網)がある。

ポイント
ポジティブでもネガティブでも社会の変化は、企業にとって大きなチャンスになり得ます。
背景に、生活者に身体的(制限、解放)・心理的(我慢、発散)変化が起こると、生活における悩みも生まれるため
です。それは顕在化していない場合も多いですが、その悩みをいち早く察知し、自社のモノやサービスの強みと合致させて提案することがポイントです。
戦略の背景、切り口についてはこちらもご参考ください↓

目的・目標

目的:2022年の飲食店におけるサントリーの売上をコロナ禍以前に戻すこと
目標:
①飲食店 来店客数 対2019年 100%以上
②飲食店におけるサントリーのシェアの拡大

ポイント
慈善事業でない限り、自社売上を最終的な目的に据えてるはずです。
目標は悩ましいですが、今回は飲食店業界の活性化を主眼に、更にシェア拡大もできれば良いなと考えました。目的も目標も数字で検証できることが望ましいです。
この辺りはこちらも参考ください↓

Who &insight

Who
戦略ターゲット:飲食店を利用したことがある人
コアターゲット:コロナ前は月に1度以上、飲食店で飲んでいた 40代以降のサラリーマン

insight
最近は人と本音で話す機会が無くて寂しい
私はまた飲食店で友達や家族と楽しく会話をしたい。
なぜなら、飲食店の開放的な雰囲気でないと話せないことがあるし、大切な人との絆を深める絶好の機会だったから。
しかし、最近ようやくコロナ禍から少し回復したとは言え、「まだまだ様子見」という同調圧力のせいで誘いにくいし誘われない。

ポイント
TVCMを用いて訴求するので、戦略ターゲット(=メディアターゲット)はできる限り広い方が望ましいです。なので、「飲食店を利用したことがある人」にしました。ほぼ全員かもしれませんね。
コアターゲットは、コロナの反動需要に乗って真っ先に動き、周囲を誘いそうな飲食店のヘビーユーザーだった人を想定しました。CMを見ると、デモグラは40代以降の男性サラリーマンですかね。まずはこの層を動かして全体へ波及させようとしているのでは??と推察します。

この辺りはこちらもご参考ください↓

What(Benefit)&RTB

What:
機能Benefit 大切な人と本音の会話ができる
感情Benefit 大切な人との心の繋がり(帰属意識)

RTB(リーズン・トゥ・ビリーブ):
・家や会社とは違う開放的な空間
・美味しいお酒や料理
・総合酒造メーカーであるサントリーのメッセージ(威厳)

ポイント
今回のCMがとてもシンプルで良い内容なので、想像しやすかったです。特にRTBであるサントリーのメッセージであることが、私の中で信頼を高めました。キリンやアサヒでも違和感は無いですが、飲食店のイメージはサントリーの方が強いかも(ハイボールの影響?)。この様に、自社の強みがBenefitやRTBに生かされていると効果的です。
この辺りはこちらもご参考ください↓

HOW(施策)

ここからは広告代理店のお仕事ですね。昔の映画のワンシーンとザ・ブルーハーツの『情熱の薔薇』が印象的で素敵なアイディアです。飲食店と人との歴史を感じ、Benefitが直感的に伝わってきます。人は昔の想い出を美化する本能があるので、より一層素敵に映りますね。昔を知らないの若い人には、「昭和・平成ブーム」にも共通しますが、逆に新鮮に伝わるのでは無いでしょうか。あと登場シーンが少人数(カウンター、ワンテーブル)なのはご時世への配慮かなと思いました。

まとめ

いかがでしょうか。今回の逆算戦略シートは、私が勝手に想像しただけなので正しいかどうかは分かりませんが、作り手(マーケター)がどういう流れや意図でTVCMを制作しているのかを、ざっくり理解して頂けたなら本望です。
昨今TVCMは昔のような効果が見込めなくなったと聞きます。それでも調査結果を見る限りではデジタル広告よりも効率的にターゲットリーチが図れます。そして生活者の認識と行動に与える影響力も一番大きいように思います。おそらく視聴態度の違いで、デジタルよりも浸透しやすいのでしょう。ただ、めちゃくちゃ制作リソースがかかるところがネックですが。。
なので是非、時々はTCVMをスキップせずに観て下さい。そこには担当者の苦悩苦労が沢山詰まっていますので・・・笑

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